人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

パーヴォ・ヤルヴィ+N響でラフマニノフ「第3交響曲」,プロコフィエフ「第2ピアノ協奏曲」を聴く

2016年10月01日 08時43分40秒 | 日記

1日(土).今日から10月がスタートです  今年も残すところ あと3か月となりました  ということで,わが家に来てから今日で733日目を迎え,久々にドアップの顔を見せるモコタロです

 

          

            どうだい 3年目を迎えて精悍な顔つきになっただろ?!

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「アスパラガスの豚肉巻き焼き」,「生野菜とまぐろのハムのサラダ」,「小松菜のお浸し」を作りました 「アスパラ~」は何度か作っているので慣れてきました

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

今秋シーズンから久しぶりにN響定期会員になりました C1プロ(Cプログラム第1日目:金曜夜)です.残念ながら通路側席ではありませんが,9列目なのでかなり前の席です.確実に「第九」のトライアングルの小さな音も聴こえるように,という周到な考えから座席を指定しました 

ということで昨夕,NHKホールでNHK交響楽団の第1843回定期演奏会を聴きました プログラムは①プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番ト短調」,②ラフマニノフ「交響曲第3番イ短調」です ①のピアノ独奏はデニス・マツーエフ,指揮はパーヴォ・ヤルヴィです

 

          

 

ヤルヴィ効果でしょう.プログラムが玄人向けなのにも関わらず会場は満席近い状況です ステージ上,2階席などあちこちにテレビ・カメラが構えています FMでは生中継をやるようですが,いずれテレビで放映するのかも知れません メンバーが登場し配置に着きます.コンマスは伊藤亮太郎ですが,同じコンマスの”マロ”こと篠崎史紀と違い,この人はいつも他の楽員といっしょに入場するので,いつの間にかコンマス席に着いています オケは左奥にコントラバス,前に左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります

オケを見渡すと,フルートに新日本フィルの首席・白尾彰氏に似た人が,第1ヴァイオリンには東京フィルのコンマス・依田真宣氏に似た人がスタンバイしています 2人とも本人だろうか?先日,N響のコンサートに新日本フィルのヴィオラ首席・篠崎友美が助っ人でで出演していたので不自然ではないと思うのですが・・・・

1曲目はプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番ト短調」です 公演に先立ってウラディミール・アシュケナージのピアノ,アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団の演奏によるCDで予習しておきました

 

          

 

ピアノのソリスト,マツーエフがヤルヴィと共に颯爽と登場します マツ―エフは1975年,シベリア地方イルクーツク生まれ.1998年には23歳で第11回チャイコフスキー国際音楽コンクールで優勝している実力派です

プロコフィエフの「ピアノ協奏曲第2番ト短調」は,ペテルブルク音楽院在学中の1912年末から13年4月にかけて作曲されました 演奏を聴く限り,ロシアの音楽界に挑戦を挑むかのような強烈な音楽です 4つの楽章から成ります.第1楽章「アンダンティーノ」もさることながら,第2楽章「スケルツォ」の息もつかせぬ強靭なピアノの疾走には驚きます この楽章の直後,ヤルヴィが指揮台からマツ―エフに「ブラヴォ」と声をかけるのが聞こえました.第3楽章「間奏曲」から間を置かずに第4楽章「終曲」に入ります プロコフィエフらしいオケの強奏とピアノの強靭な打鍵が会場を震わせます.マツ―エフは最後の音を弾き終わると同時に立ち上がり,圧倒的な拍手とブラボーの中,ヤルヴィとハグを交わします

マツ―エフは,ラフマニノフの孫,アレクサンドル・ラフマニノフが設立したラフマニノフ財団の芸術監督やモスクワ大学名誉教授,ユネスコ親善大使など,多方面で活躍しているとのことですが,この日の演奏に表れた強靭なパワーがあればこそだと思いました

マツ―エフはアンコールにチャイコフスキーの「18の小品 作品72」から第5曲「瞑想曲」をしみじみと演奏し,クールダウンをはかりました

 

          

 

2曲目はラフマニノフ「交響曲第3番イ短調」です この曲はウラディミール・アシュケナージ指揮コンセルトへボウ管弦楽団の演奏によるCDで予習しておきました

 

          

 

この曲は,交響曲としては最後の作品で,あの名作,交響曲第2番が作曲された1907年からほぼ30年ぶりに書いた交響曲です 1936年の秋,レオポルド・ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団によって初演されました 通常の交響曲は4楽章から成りますが,この曲は表向きは3楽章形式です.ただし,第2楽章「レント」の中にスケルツォがあり,実質的な4楽章形式とも言えます

この曲は親しみやすいメロディーに溢れた交響曲第2番と異なり,つかみどころのない曲想ですが,ところどころにラフマニノフらしいロマンティックな曲想が現れ,美しいメロディーに魅かれます ヤルヴィはメリハリを付けてラフマニノフの魅力をN響から引き出します 圧倒的なフィナーレで曲を閉じると会場いっぱいの拍手とブラボーがステージに押し寄せます ヤルヴィは5回のカーテンコールに呼び戻されました 2曲を聴き終わって,N響の定期会員になって良かったと思いました.周囲1メートル以内にトラブルメーカーがいないということもその理由の一つです

 

          

 

さて,話はこの公演の開演時間の午後7時に遡ります あとは楽員の登場を待つだけというタイミングのとき,一人の高齢男性が最前列の左ブロックの席に座りました.白髪で白いシャツを着てサスペンダーのズボンを履いています.すると,私の隣の高齢男性が同伴の男性に「あの人,いつも一番前の席に座るんだよな.コンサートでもオペラでも.いつも大きな荷物を持ってさ」と話すのが聞こえました.最前列の様子を見ていたら,もう一人の中年男性がやってきて,白髪男性に何やらクレームを付けています そして,入口近くの係員のところに行って何やら話をしました.推測ですが「あそこの人は自分の指定席ではないところに座っている.確かめた上で注意してくれないか」とでも言ったのでしょう.すると,白髪男性は慌てて2列目の席に移っていきました 係員の男性がその席に行って何やら話をしていました.「指定された席に座ってください」と伝えたのでしょう これも推測ですが,連れが急に来られなくなって席に着こうとしたら知らない人が連れの席に座っていたので不審に思ったのではないか,あるいは,1列目の席はNHK側の関係者席で,一般の人は座れないのではないか.注意を促した中年男性はNHK関係者だったのではないか,と思います

この白髪男性は,クラシック・コンサートを聴く人にとってはちょっとした有名人で,いつでもどこでも会場の一番前のど真ん中の席に座り,いつでも開演時間ぎりぎりに席に着く人です コンサートによっては楽員が登場するのと同時に着くことさえあります 白いシャツにサスペンダーのズボン,草履を履いて(下駄の時もあった),大きなバッグを背中に背負っています.私が知っている限り,読響,新日本フィル,新国立オペラの定期会員です.その他のコンサートでも,私が行くところには必ず彼の姿があると言えるほど,あちこちに出没しています 私は年間200回近くコンサートを聴いていますが,彼はそれを上回るペースで聴いているのではないかと推測します いつも最前列のど真ん中で聴いているということは,在京のオケの定期公演なら相当前からその席を確保して維持しているということです さらに,定期コンサート以外でもそれに近い席を確保しているということは,コンサート・プロモーターに友人なり知人がいるのではないかと推測します

今回は指定席以外の席に座っていてクレームが付きましたが,いつもの彼は別に文句の付けようがありません.周りの人に迷惑をかけている訳ではないからです しかし,いつも開演時間ぎりぎりに一番前の席に座るというのは,すべての聴衆の注目を集めるのが目的のように思え,「俺はここに居るぞ」という自己ピーアールの匂いがして 胡散臭いのです.私は彼の名前も住所も知らないし,話をしたこともありません.何の恨みも抱いていないし,ともにクラシック音楽愛好家としての立場からは親近感さえ覚えます しかし,私は彼の姿を見るためにコンサートに来たわけではないので,ちょっとした有名人気取りは控えてほしいと思うのです.クラシック音楽好きのあなたはどう思われますか

コメント (5)
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