人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

シュトイデ+新日本フィルでモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第3番」他を聴く~新クラシックへの扉

2015年11月14日 07時56分15秒 | 日記

14日(土)。わが家に来てから413日目を迎え、空き箱の下にもぐって避難訓練をするモコタロです

 

          

            リメンバー3.11 地震が来たら逃げる自信がないよ

 

  閑話休題  

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィルの「新クラシックへの扉」シリーズ公演を聴きました プログラムは①モーツアルト「歌劇”フィガロの結婚”序曲」、②同「ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216」、③シューベルト「交響曲第7番ロ短調”未完成”」です。演奏は指揮と②のヴァイオリン独奏はウィーン・フィルのコンマス、フォルクハルト・シュトイデです

 

          

 

自席は1階19列16番、センターブロック左から4つ目です。会場は金曜の昼間にも関わらず文字通り満席です これはこのシリーズ特有の低料金設定に要因があると思われます 金・土の同一プログラムによる公演ですが、金曜が一般S席4,100円、A席1,500円に対して、土曜は一般S席4,600円、A席2,000円となっており、断然金曜日の方が格安になっているのです さらに墨田区在住・勤の人は金曜が一般S席3,000円、A席1,200円、土曜は一般S席3,600円、A席1,600円と地元密着の料金設定になっています ご年配の方が圧倒的に多いというのも頷けます

オケのメンバーが登場しますが、シュトイデ氏も他の楽員と一緒に登場したので聴衆は拍手をするタイミングを失いました シュトイデ氏がコンマスの席に座り、指揮者も兼任します。楽員を見渡すと、前日の小ホールでの室内楽シリーズ公演に出演したヴァイオリンの篠原秀和氏、松宮麻貴子さん、ヴィオラの木村恵子さんもスタンバイしています ということは、打ち上げは適当な時間に引き上げたのでしょうか?そんなことはないと思いますが

そう言えば、昨日のブログで「いつもよりも空席が目立ったのは、大ホールでのシュトイデ氏の弾き振りによる”新クラシックへの扉シリーズ公演”に客が流れたのではないか」という趣旨のことを書きましたが、これは間違いで、「大ホールでのシュトイデ氏のヴァイオリン・リサイタルに楽員が流れた」というのが真相のようです 訂正いたします

さて、チューニングが終わり、シュトイデ氏の合図で1曲目のモーツアルト「歌劇”フィガロの結婚”序曲」が演奏されます まさにモーツアルトのテンポで軽快に音楽が進みます。とくにこの序曲はテンポが命です まさにオペラの幕が開くときのワクワク感が湧き出てくる演奏でした 演奏が終わるとシュトイデ氏の合図で全員が客席に向かって一礼します。これは毎年サントリーホールで開いている「トヨタ・マスタープレイヤーズ・ウィーン」のコンマスとして演奏する時のスタイルです。会場の聴衆に大うけです

シュトイデ氏は一旦舞台袖に引っ込んで、再度ヴァイオリンを手に登場します。コンマス席には西江王子がスタンバイします モーツアルトの「ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調」の第1楽章が、シュトイデ氏の合図で始まります。彼は冒頭部分を手で合図しただけで、その後は客席の方を向いてソリストとして演奏することに徹します 第2楽章も第3楽章も同様です。「ヴァイオリンの弾き振り」というと、オケの方を向いてヴァイオリンの弓をタクト代わりに振るソリストが多いようですが、彼はそういうことはしません。一旦客席に対峙したら、西江コンマスに「後のことは任せるからよろしくね」という感じでオケの方を振り返りません それにしても、美しい音でよく歌うヴァイオリンです オーストリア国立銀行から貸与されている1718年製のストラディヴァリウスだそうです 第1楽章をはじめとするカデンツァはあまりにも見事で思わず聴きほれてしまいました。彼のヴァイオリンは柔らかく、包み込むような優しさがあります。人柄が演奏に現れるのでしょう

演奏が終わると、また、シュトイデ氏の合図で全員が客席に向かって一礼します。これがシュトイデ・スタイルのようです

 

          

 

休憩後はシューベルトの「未完成交響曲」です。もちろんこの曲も指揮者なしで、コンマス席に座ったシュトイデ氏が楽員に合図を送りながら演奏します シュトイデ氏の右手の合図で第1楽章が始まります。彼は自ら演奏しながら、最小限の指示しかオケに出しません。たとえば、チェロに対して「もっと音を抑えて」という意味で、右手を下に向けるなどの動きくらいです あとは、楽員の自主性に任せて自然に音楽を作っていくような演奏スタイルで進めます 楽員は指揮台に指揮者がいないので、伸び伸びと演奏しているように思われます。前日のプレ・トークで篠原氏が言っておられたように「指揮者がいないといかにやりやすいか、指揮者がいかに邪魔か、シュトイデ氏の弾き振りで演奏するとよく分かる」というのが楽員の共通の認識のようです

素晴らしい「未完成交響曲」でした。図らずも、新日本フィルは指揮者なしでもシューベルトの交響曲が演奏できることを証明したことになります。新日本フィルに指揮者はいらない、か しかし、それは演奏曲目が古典派あるいはロマン派の初期の音楽だから可能なのであって、これがマーラーやブルックナーになったら、交通整理役の指揮者がいなければ演奏は壊滅状態になるでしょう

会場いっぱいの拍手に、シュトイデ+新日本フィルは、アンコールとしてモーツアルトが一晩で書き上げたと言われる歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲をデモーニッシュに演奏し、コンサートを締めくくりました とてもいいコンサートでした

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日の夕食はステーキにしました コンサート帰りに寄った錦糸町のスーパーで国産牛肉が比較的安く売っていたので150グラム程度の肉を家族分買いました ブロッコリとアスパラも買って帰り、さっそく夕食の準備にかかりました。メニューはステーキ、野菜サラダ、コンソメ・スープです

せっかく作ったのに、娘が帰るのが9時半ごろになるというメールが入ったので、先に食べることにしました 息子はどうせ深夜の帰宅なので対象外です。結局、一人ひとり別々に夕食を取ることになりました 家族そろって夕食を取れるのは日曜日くらいなものです。まあ、仕方がないと言えば仕方ないのですが、自分が用意した食事を一人で食べるのは味気ないものです

 

          

 

コメント (4)
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