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ベートーヴェン「弦楽四重奏曲 中・後期作品」を聴く~古典四重奏団、ルートヴィヒ弦楽四重奏団

2014年01月01日 07時59分19秒 | 日記

2014年1月1日(水)。明けましておめでとうございます。昨年中はtoraブログをご覧いただきありがとうございました。今年も毎日書き続けて参りますので、よろしくお願いいたします コメントもよろしくね

 

          

 

2013年の最終日の昨日、東京文化会館小ホールにベートーヴェン「弦楽四重奏曲 中・後期9曲演奏会」を聴きに出かけました コンサートのチラシに当日午前11時半から12時45分までベートーヴェン・クライス主催による「ベートーヴェンを語る」鼎談が開かれるとのお知らせがあったので、東京文化会館4階会議室に行きました 本来は予約が必要だったようですが、問題なく潜り込めました 東京藝大教授の土田英三郎、ピアニスト・東京藝大教授の野平一郎、慶應大学教授の平野昭の3氏による鼎談でした。参加者は約50人で当日のコンサート・チケットを持っている人たちです

最初に土田教授が、1999年10月7日に、ベートーヴェン弦楽四重奏曲の新発見の楽譜がサザビーズのオークションにかけられたという話題が提供されました これは1817年11月28日にベートーヴェンがイギリス人のリチャード・フォードという当時21歳の青年のために作曲したロ短調の弦楽四重奏曲で8分の3拍子、アレグレットの表示がある23小節の曲とのことです 楽譜は確かにベートーヴェン自身の手によるもので、ベートーヴェンとしては読みやすい筆跡だとのこと。そのコピーが参加者に回覧されましたが、その通り見やすい楽譜でした 平野教授が音符をパソコン処理して再生した音楽を流しましたが、曲想は”フーガ”です

話の流れは、どちらかというと土田、平野両教授が弦楽四重奏曲から脱線していくのを、実務兼業の野平教授が本来の主題に引き戻して聴衆に分かり易いように話を持っていったという感じです 東京藝大の土田教授が「ベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲は、よく分からないのですよ」と率直に言われていたのが印象的でした プロの研究家でさえ「よく分からない」のですから、素人のわれわれには”理解が困難の極み”と言っても過言ではありません

会は時間をオーバーして午後1時に終了しました。一旦昼食をとって、文化会館小ホールに向かいました。入り口で受け取ったプログラムを見ると、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の9曲マラソン・コンサートのため、通常の2曲演奏して休憩、最後の1曲というスタイルではなく、1曲ごとに10分ないし15分の休憩をとるスタイルがとられています

ロビーでプログラムを見ていると「トラさん、こんにちは」と声をかけられました。東京シティフィルハーモニックの元事務局長Yさんでした この小ホールでお目にかかるのは今回が2度目です。「ベートーヴェンの弦楽四重奏曲、特に後期の作品なんか普段聴いてますか?いつ聴いても、初めて聴くような気がするんですよ」とおっしゃるので、「私もです。後期の四重奏曲などは、コンサートがある時に予習のためにCDで聴くくらいです」と答えました。さらにYさんは「吉田秀和氏の著作はすべて読んでいるんですが、何の本に書いてあったか忘れましたが、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲は”忍耐”をもって聴くことでやっと理解できるのだ、と書かれていたのを思い出しました。ああ、そうかと思いましたよ」とおっしゃるので、私も「確かに忍耐が必要ですね」と答えました。

 

          

 

自席はP列24番、後方ブロックのセンターやや左の席です。会場は9割方埋まっているでしょうか。この会場でこれほど人が入ったのを見たことがありません ただ、いつも思うのは年配者が多いことです。あれほど沢山の音大生がいるのに、コンサートには出かけないのでしょうか 自分の専門分野のコンサートしか行かないようでは先が知れていると思います

さて、最初は東京藝大出身者で結成された古典四重奏団が第7~9番(作品59-1、2、3)の「ラズモフスキー四重奏曲」3曲を弾きます メンバーはお馴染みの川原千真、花崎淳生(以上ヴァイオリン)、三輪真樹(ヴィオラ)、田崎瑞博(チェロ)です

いつも通り、彼らの前には譜面台がありません。全曲暗譜で演奏するのが彼らの特徴です そのためかどうか分かりませんが、楽章ごとにチューニングが入ります。とくに第1ヴァイオリンの川原千真さんが入念にチューニングをします。そしてラズモフスキーの3曲とも第1ヴァイオリン主導で弾いていきます。ラズモフスキーは3曲ともいいですね

残念なのは、第2番を演奏しようと、4人の奏者が弓を構えたときに、席を立って外に出ようとする女性がいたことです 足音が響くので、4人は演奏を始めようにも始められないのです。たまに、こういうウルトラ非常識なヤカラがいるのですが、その神経が分かりません

次いで、ルートヴィヒ弦楽四重奏団が第12番作品127、第13番作品130、作品133「大フーガ」の3曲を弾きました メンバーは小森谷巧(読響コンマス)、長原幸太(元大阪フィルコンマス)~以上ヴァイオリン、鈴木康浩(読響首席ヴィオラ)、山本祐ノ介(元東響首席チェロ)です

最初の第12番は第1ヴァイオリンを長原幸太が務め、第13番は小森谷巧が務めました。3曲の中では第13番が面白いと思います なぜか6楽章から成ります。当初は第6楽章が「大フーガ」だったのを出版社の意向で別の終曲に差し替えられたのでした。オリジナルのままで行くのと別の終曲に代えるのとではまったく曲全体の印象が違ってきます オリジナルのままでいったら、聴衆は途中で頭を抱えてしまったのではないかと思います

それにしても、作品133「大フーガ」冒頭の嵐のような激しさは何なのでしょうか 演奏も困難を極めているようにみえます。この曲を作っている最中のベートーヴェンの心中はいかがなものだったのでしょうか

ここまで5回の休憩を挟んで6曲を聴いてきましたが、6曲の終演は午後6時45分でした。30分後から最後の演奏者「クァルテット・エクセルシオ」が作品131、132,135を弾きますが、子供たちと年越しそばを食べる約束なので、残念ながら聴かずに会場を後にしました。本当のことを言えば、一番聴きたかったのはこの「クァルテット・エクセルシオ」なのです

 

          

明日のブログで独断と偏見による昨年1年間の超個人的クラシック・コンサート・ベスト10を発表します

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