人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

映画「イノセント・ガーデン」を観る~ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』のアリアの意味は?

2013年11月26日 06時26分55秒 | 日記

26日(火)。一昨日、飯田橋のギンレイホールで観た2本の映画のうち「イノセント・ガーデン」について書きます

ヒロインのインディアは鋭い感覚の持ち主です。美しい母親とは分かり合えません 彼女が18歳になったその日に謎めいた鍵が届きます。その日、ただ一人心を開いていた父親が急死します 葬儀の日、行方不明だった叔父(父の弟)のチャーリーが突然現れ同居が始まります。その日から周囲の人たちが次々と姿を消していきます そもそもインディアの父親はどうして死んだのか?チャーリーは今までどこで何をしていたのか?最後にチャーリーが母親に手をかけようとした時、インディアの銃が火を噴きます。18歳の誕生日に届いた「鍵」で父親の机の引き出しを開け、そこで真実を知ったインディアが行動を起こしたのです

 

          

 

物語の前半に、庭仕事をするチャーリーが鼻歌を歌うシーンがあります そのメロディーを聴いて、「これは、たしかヴェルディの『イル・トロヴァトーレ』の中のアズチェーナのアリアではないか」と思いました。後半に、警察官が家を訪ねる時にもこのメロディーが流れ、チャーリーが「これはヴェルディのオペラ『イル・トロヴァトーレ』ですよ」と言っていたので間違いないことが分かりました

ヴェルディの『イル・トロヴァトーレ』は一種の”取り換えばや物語”の絡んだ「復讐劇」ですが、ジプシーの老婆アズチェーナのアリアは第2幕第1場で歌われます

「炎はすさまじく燃え盛り、人々はそれを目指して取り囲み、幸せそうにひしめき叫ぶその声、あたりにこだまする。警護の者どもは、どよめく群衆の前に女を引きだす。恐ろしい炎は焦げるばかりに陰惨に天まで燃え上がる 炎はすさまじく燃え盛り、犠牲者が引き出される・・・・・・」

なぜチャーリーはこのアリアを口ずさんだのか・・・・・それは、彼の兄(インディアの父)とその妻に対する復讐のテーマ音楽だからです 

『イル・トロヴァトーレ』のアズチェーナは最後に目的を達成し「母さん、復讐を遂げましたよ」と言ってオペラの幕を閉じますが、チャーリーは、真実を知ったインディアに、父親を殺害したことに対する復讐をされ銃弾に倒れます 

映画でクラシック音楽が使われる時、私は何故その映画でその曲が使われているのか、気になって仕方ありません そもそも、その曲が誰の何という曲なのか判らなければ、監督の意図が判りません だからこそ、普段から少しでも多くの時間を割いてクラシック音楽に耳を傾けようと思うのです

 

          

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