人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

シン・ヒョンス「ヴァイオリン・リサイタル」を聴く~ほとばしる情熱

2013年11月02日 07時01分03秒 | 日記

2日(土)。昨夕、紀尾井ホールで韓国のヴァイオリニスト、シン・ヒョンスのヴァイオリン・リサイタルを聴きました 1週間ほど前までこの日に彼女のリサイタルがあることを知りませんでした 朝日に小さな紹介記事が載り、それと前後してコンサート会場入り口で初めてチラシが配られたのです 主催者名を見ると「民音」とありました。つまり、最初は民音の会員向けに発売して、チケットがさばき切れなかったら一般に発売するという方法を採ったようです

幸い昨夕はコンサートの日程が入っていなかったので、もう良い席が残っていないだろうと思いながらも当日券を買うことにしました 開演35分前の6時25分に紀尾井ホール入口の当日券売り場に行くと、1階3列17番、センターブロック通路側という信じられないほど良い席が取れました 間際になってあせって前売り券を買うより、当日券の方が良い席が残っていることが少なくないのだと思います。いい経験になりました

 

          

 

プログラムは①ベートーヴェン「ロマンス第2番ヘ長調」、②ドビュッシー「ヴァイオリン・ソナタ ト短調」、③ラヴェル「ツィガーヌ」、④バルトーク「ルーマニア民族舞曲」、⑤プロコフィエフ「ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調」。ピアノ伴奏は佐藤卓史です

シン・ヒョンスの演奏を初めて聴いたのは彼女がロン=ティボー国際音楽コンクールで優勝した次の年、2009年2月にサントリーホールで記念ガラ・コンサートが開かれ、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏した時です その情熱的な演奏に衝撃を受け、それ以来すっかり彼女のファンになりました          

会場は残念ながら半分くらいしか埋まっていない状況です。素晴らしいアーティストの演奏なのに非常に残念です

ピアノ伴奏の佐藤卓史とともにシン・ヒョンスが金のラメ入り、パープルのドレスで颯爽と登場します 今年3月9日に新日本フィルとブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」を演奏した際には金髪・パーマで登場して驚かされましたが、この日は黒髪を中央で分け、後ろで束ねており、シックで大人の印象です

 

          

 

1曲目のベートーヴェン「ロマンス第2番ヘ長調」はあいさつ代わりの演奏です。優しいメロディーが軽やかに演奏されます

2曲目のドビュッシー「ヴァイオリン・ソナタ ト短調」は最晩年の作品ですが、シン・ヒョンスは第1楽章「アレグロ・ヴィーヴォ」をうねる様な情念で弾き切ります 一転、第2楽章「間奏曲」は、ピアノとの軽妙なやり取りで和ませてくれます。そして第3楽章「フィナーレ」では再び、ほとばしる情熱で弾き切ります。韓国人特有の”激しさ”を感じさせます

さて「まだまだ本番はこれから」と思わせたのは、3曲目のラヴェル「ツィガーヌ」の演奏です 冒頭から、情感の込もった演奏に思わず引き込まれます 前半は無伴奏で奏でられますが、確かな実力に裏付けられた確固たる演奏が強く印象づけられます 背中から彼女の演奏を見る位置にいるピアノの佐藤が鋭い視線を向けています

途中から佐藤のピアノが入ってきて”対話”が展開しますが、音色の変化が素晴らしく、いろいろな表情を見せます

休憩時間にロビーで売られていたCDを買いました 江口玲をピアノに迎えたCD「PASSION」は、今年3月9日の新日本フィルとのコンサートの際に買ってサインをもらいました 

 

          

 

したがって、買ったのは2012年エリザベート王妃国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門セミ・ファイナル&ファイナルのライブ録音盤(4枚組:3,150円)です

 

          

 

プログラム後半を迎えるに当たって、シン・ヒョンスはグリーンのドレスに”お色直し”をして登場です 1曲目のバルトーク「ルーマニア民族舞曲」は、ハンガリーの民族音楽に基づく楽しい曲です。相当技巧を要する曲で、途中でヴァイオリンの糸が切れていました

最後の曲はプロコフィエフ「ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調」です。この曲は元来フルートとピアノのために作曲されたものです 第1楽章「モデラート」はお馴染みのメロディーがヴァイオリンで奏でられます。第2楽章「スケルツォ」は激しい情念が炸裂します 第3楽章「アンダンテ」は一転、穏やかな表情を見せます。そして第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」では歯切れの良いリズムでピアノとのコラボが展開します

会場一杯の拍手にシン・ヒョンスはアンコールに①フォーレ「夢のあとに」を情感豊かに、②ファリャ「スペイン舞曲」を踊るように、③ドビュッシー「美しい夕暮れ」を本当に美しく優しく演奏しました

終演後、サインの列に2番目に並び、彼女がエリザベート王妃コンクールで演奏したシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」がライブ収録されているNo.1のCDにサインをもらいました 前回の極太のサインと違ってスリムになりましたね

 

          

          

          

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