人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

モーツアルトにも駄作がある?~井上和雄著「モーツアルト 心の軌跡」を読む

2013年02月19日 07時00分19秒 | 日記

19日(火)。昨夕、当社ビル第2次空調工事の安全祈願行事が深川不動堂で開かれ、16人が参加しました お堂での「お護摩」では巨大太鼓の音がズシンと腹に響きました。太鼓の音をバックに唱えられるお経は立派な音楽になっています。日本のクラシック音楽ってこれかもしれないな、と思いました お護摩のあと、ちゃんこ料理「三重ノ海」で直会(なおらい)が開かれました。要するに飲み会ね 2時間ほど歓談し解散しましたが、X部長がS建設のW氏を拉致、3人で上野に向かいました。その後のことはここに書くまでもなく、いつものカラオケ歌合戦 です。今日の朝の新聞の朝刊を読もうと思っても頭が頭痛で痛くて思うように読めません。月曜から飲むと1週間がキツイのです。もうイヤッ こんな生活 

 

  閑話休題  

 

21日(木)12:05から12:50まで内幸町の飯野ビル1階エントランスロビーで、ランチタイムコンサートが開かれます。今回の出演者は三又瑛子さんと小林栯奈さんのピアノ・デュオです 2人とも桐朋学園大学の出身者です

プログラムは①モーツアルト「4手のためのピアノ・ソナタK.358」、②ラヴェル「マ・メール・ロワ、③ラフマニノフ「6つの小品」より2曲、④バッハ「主よ、人の望みよ喜びよ」です

お昼休みのひと時ベーゼンドルファーの音色に耳を傾けてはいかがでしょうか

 

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

井上和雄著「モーツアルト 心の軌跡~弦楽四重奏が語るその生涯」(音楽の友社)を読み終わりました これは同氏の「ベートーヴェン 戦いの軌跡~弦楽四重奏が語るその生涯」とともに、新日本フィルの第2ヴァイオリン奏者・篠原英和さんからいただいた本です

著者の井上和雄さんは昭和14年生まれ、神戸大学経済学部大学院卒業。在学中にブタコレラ・クヮルテットを結成、昭和51年に中央公論社刊「モーツアルト大全集」の懸賞論文「読者のモーツアルト論」入選。神戸商船大学経済学部教授(昭和63年現在)です

「西にブタペスト・クヮルテットあれば東にブタコレラ・クヮルテットあり」と面白半分に名付けたアマチュア弦楽四重奏団を主宰する井上さんが、モーツアルトの弦楽四重奏曲を、演奏する立場から分析し、曲を通してモーツアルトの人生をたどったエッセイです

正直言って、30数年前にヤマハ音楽教室で1年間フルートを習っただけの”素人クラシック愛好家”には歯が立たない本です つまり、プロの演奏家や、アマチュア演奏家、音大生のように自由自在に”譜読み”が出来るわけではないので、文中に楽譜が出てきて、それを解説されるとほとんど理解できないのです もちろん超有名なメロディーは何とか口ずさんで追うことはできるのですが、それ以外はメロディーが浮かんで来ません

したがって、曲の解説部分はさっと流し読みして、モーツアルトの生きてきた軌跡を書いた部分に力点を置いて読むことにしました

全体を通して読んで意外だったことがいくつかあります その一つは、ヴィヴァルディを高く評価していることです。マルク・パンシェルルという人の書いた本から「ヴィヴァルディこそ、コンチェルトの分野で”急緩急”といいう3楽章形式を初めて確立した人であり、またかつては推移部という慎ましい役割しかもたなかった緩徐楽章を、抒情的で人の心に訴えかける独自の楽章にまで高めた」という部分を引用した上で、「彼の音楽を聴いていると、各楽章が枠にはめられた感じが全くなくて、次々に出てくる楽章は、常に新しい驚きを呼び起こし、自由な世界へ僕らを連れて行く」と語っています。たしかに”数学的”なバッハと比べて抒情性を持った曲想は独特だと思います

もう一つは、私などは”モーツアルトの書いた曲に駄作はない”と思っているのですが、井上さんは演奏する立場からみて、曲によってはモーツアルトらしくないものがある、と語っています 例えば「ミラノ四重奏曲」といわれる6曲のカルテットの最後のK.160番について「これは、当時6曲ワンセットになっていた習慣にならって、とにかくモーツアルトが辻褄を合わせたものとしか考えられない どの楽章をとっても、これまで見られたような新鮮な息吹が感じられない。まさにモーツアルトも人の子と思わせるのである」と語っています。そこまで言うか と思います。

ほかにも”譜読み”が出来る人にとってはたまらなく面白いところが数多くあるのですが、とても紹介しきれません 私はこの本を電車の中で、喫茶店で、ベッドの中で、といろいろな所で読んできましたが、この本をよりよく理解するためには、もう一度この本で取り上げられている曲のCDを聴きながら、同時並行で読まなければならないと思っています それが一番正しい読み方であり、この本を理解する唯一の方法だと思います。それが出来れば、こんなに面白い本もないのではないかと思います 時間がかかりますが、やってみようと思います

 

          

コメント
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