コンビニとスマホがあれば事足りるお手軽な時代に、古い芝居小屋で伝統の歌舞伎を愛でる上質な時間。
各務の舞台が最も華やぐ瞬間。
外題は「会稽扇曽我・鶴ヶ岡八幡対面の場」
一般には「寿曽我対面」として正月歌舞伎等で演じられる。
和事の曽我十郎は品よく、荒事の曽我五郎は勇壮に。
血気にはやる五郎は盃をたたき割る。
歌舞伎の様々な役柄の勢揃いだ。
可愛らしい傾城は大磯の虎。
座頭の工藤祐経からは貫禄が伝わってくる。
祐経の見事な口上に大向うが唸った。
こういう場面が繰り広げられるから、「村国座」の子供歌舞伎は楽しいのである。
幕切は絵面の見得、これぞ華麗な絵画美の極致です。
よく頑張ったね・・・お疲れ様でした。
2015年10月 岐阜県各務原市