祭りの期間中に地車は曳行路を何周も駆け巡る。
試験曳きを含めた走行距離は60キロに及ぶと聞く。
二階からクラッカーや紙吹雪の声援を受け祭りは最高潮へ。
俗に’けんか祭り’と称される勇壮で豪快な祭りは日本中に多々ある。
昔は血気にはやった猛者同士の喧嘩は当り前の時代もあったようだが、今の時代は統制のもと整然と執り行われる。
難所でもある堺町の枡形を命知らずの男たちがブッ飛んで行った。
関係者の指示に従い、自己責任で地車の動きを注視するのが見物人の仁義。
特に地車が方向転換を終える直前、次に迫り来る後梃子の動きには要注意だ。
この祭りを見ていると町民全員参加の伝統を強烈に感じる。
最近では「絆」といった言葉をよく耳にするが、岸和田の祭礼では昔から当たり前のことなのであろう。
昼間の行事が終了し、灯入れ曳行を待つ。
2015年9月 大阪府岸和田市