TOPPO WORLD

TOPPO(ダックスフンド)から見た周りの出来事いろいろ。

トッポパパの日本気まぐれ紹介、 その113 『氷見漁港』

2011年05月12日 | トッポパパのディスカバー・ジャパン
富山湾です。
富山湾は、西側に大きく突き出した能登半島に抱かれる、日本海側最大の湾です。
最深部は1200m以上もあり、太平洋側の駿河湾、相模湾と並んで、
日本三大深湾のひとつです。



富山といえば全国に名を馳せる最高級ブランド『氷見の寒ブリ』が良く知られています。
富山湾で獲れるブリは、古くは『越中ブリ』と呼ばれ、その中でも寒ブリは、東京の築地市場などでも高値で取引されるブリの最高級ブランドです。
その歴史も古く、江戸時代、京都にいた加賀藩主の前田利家は、氷見から京都へブリを取り寄せていたそうです。



美しい藍色をたたえる神秘的な海です。
富山湾は、大陸棚が狭く、沿岸から急激に深くなっているのが大きな特徴で、海底斜面は、深い谷(海底谷)が数多く刻まれた複雑な地形をしています。
とくに湾奥部で海岸近くまで海底谷が迫った海域は、周囲に比べて海の青さが一段と濃く見えるため「あいがめ(藍瓶)」と呼ばれ、深海に生息するシロエビやベニズワイガニなどの格好のすみかとなっています。
海越しに3000m級の連峰を望む世界でもまれな絶景の海といえます。



トッポパパも日本各地を回りましたが、食にこだわれば個人的には富山が一番ですね。
氷見の魚が美味いわけは、まず氷見沖に、プランクトンが豊富な「ふけ(海底谷)」があることと、二番目が「魚を傷つけない定置網」漁法にあるそうです。
越中式定置網は、魚が誘いこまれるように、それぞれの機能をもった各網が、うまく組み合わせてあり、一網打尽式の網とはちがって、魚をなるべく傷つけず、生きたまま水揚げできるように工夫されています。 



天然のいけすと称される魚介の宝庫です。
富山湾の表層には、日本海側を北に流れる対馬暖流の一部が能登半島に沿って入り込み、この流れに沿って暖流系の魚が入ってきます。
一方、水深300m以下に存在する日本海固有水(深層水)と呼ばれる海水は、常に水温が2度以下と冷たく、そこには冷水系の魚がすんでいます。
このように富山湾は、暖流系と冷水系の両方の魚がすめる環境となっており、日本海に分布するとされる約800種のうち約500種の魚が泳ぐ、水産資源の宝庫となっています。



加えて、大小の急流河川が注ぎ、常に新鮮な栄養が補給されること、沿岸から急激に深い海となり、漁場と漁港が近いことなども特徴で、美味しい魚を抜群の鮮度で供給できます。
それが富山湾が「天然のいけす」と称される所以です。



春は冷たい雪どけ水が注ぎこむ春の富山湾。季節の訪れを知らせるホタルイカにはじまり、ハチメ、サヨリ、バイ貝、ニギス、イワシ、アジなど、多彩な味わいが膳を賑わせてくれます
夏になると、海底谷で獲れる珍しいシロエビ(これは絶品です)を筆頭に、岩ガキ、サザエ、スルメイカ、キス、クロダイなどが旬の味になります。



秋は寒流系と暖流系、二つの海流が交じり合う富山湾になります
とくに秋は、フクラギ、タチウオ、ゲンゲ、アオリイカ、カマスをはじめ、多彩の海の幸が楽しめる季節です。
ベニズワイガニ漁も9月から解禁となり、鮮やかな彩りで膳を賑わせます。
冬になると脂ののったブリやヒラメが獲れ、身がぎっしり詰まったベニズワイガニも出回ります。
深海の宝石のようなアマエビ。スケトウダラ、マダラ、アンコウ、ヤリイカなど、寒い季節ならではの美味さも揃います。



初冬の富山湾の雷鳴は、ブリの豊漁を告げる『ブリ起こし』と呼ばれています。
この時期、氷見沖にやってくるブリは産卵前で、最も脂がのった状態になります。
これを定置網でキズつけに捕獲、漁船で大量の氷水につけ「沖じめ」(仮死状態)にしてすぐに氷見漁港へ運ぶため、その鮮度が維持されています。



富山県では、ブリは成長によって「ツバイソ(コズクラ)」「フクラギ」「ハマチ」「ガンド」などと呼び名が変わり、重さ10kg前後になって初めて「ブリ」と呼ばれるようになります。
縁起のいい出世魚のブリは、正月にも欠かせない食材です。
富山の方言番付です。



横綱、『きときと』は、活き活きの意味で新鮮なということになるのでしょう。



では、きときとの刺身をいただきます。