ゲージの中での生活は何年ぶりにだろうか。 トッポも、薬の効果で痛みが薄らいでいるのか、暫くは状況を把握できずキョトン!としていた。
できるだけ安静にといわれたが、相手はワンちゃんだけに、どの程度が安静なのかの判断ができない。
抱き上げたり、無理に体を押さなければ 『ヒィー』 とか 『キャイィーン』 は無いようなので、一安心する。
できることは、無理な運動をしないように見張ってるのが精一杯で、ただただ様子をみるだけでした。
頚椎ヘルニアと診断されたが、トッポが病院に行った時は、それほど激痛を訴えるほどでなかったので、いわゆる鎮痛剤と胃薬をもらい2日ほどは、家で大過なく過ごせたのですが.....。
ところが、木曜日が2度目の病院で、1週間後の通院に変えて日曜日にアポをとったばかりの土曜日の夜が悪夢でした。
日中は、一回軽く 『ヒィー』 と鳴いたぐらいなので、安心して寝ようと思ったその矢先でした。
突然、ゲージの中で転寝していたトッポが 『キィー、キィー、キィィーン』 と連続して、暫く悲鳴をあげたのです。 びっくりして、飛び起き、"どうしたトッポ!" と、とりあえず軽く体を撫でたが、また『キィー、キィー、キィィーン』 と悲鳴が止まない。
こりゃー大変だ!、 咄嗟に ”急変したときは6時間以内”の言葉が頭の中を駆け巡り、あわてて病院へ電話したのが夜中の12時30分でした。
幸い、N病院は24時間体制の病院でしたので、当直医師に状況を説明すると、
『落ち着いて、足をくの字に曲げて、戻せるか確認してください。』 との指示で、
『どのような、くの字ですか、前足ですか、後ろ足ですか?』とオロオロすると、
『後ろにしか曲がりません! 全部の足です。』 と怒鳴られトッポのところに。
(?? あっ、そうか人間はひねると手は前に曲がるけど、犬は後ろだ。 そうだ、犬は全部足だ........じゃぁ、何で、”お手!”って言うんだ? その時は、こんなこと、考えませんでしたが)
『曲げました、ゆっくりですが、も、戻ります。』
『立てますか?』
『立てます、チョットふらふらしていますが』
『では、まだ麻痺はしていないようですね。』
(殺すぞー、このバカ医者。 そんな簡単に麻痺しててたまるか!)
『少し、様子をみますか?』
(医者はどうして、こう冷静なのかね!)
『こんな、悲鳴聞きながら様子など、見てられませんよ。』
『では、今から、こちらに来られますか? 夜間診療はチョット高くなりますが。』
(ウルセェー、バカヤローと言いたいのを、じっと堪えて)
『夜分遅く申し訳ありませんが、いまから、30分以内に伺います。』
それから、悲鳴を上げるトッポを車に乗せ、病院へ直行しました。
(続く.....)