樹生の樹 番外編

「樹生の樹」エピソードを父親視点で投稿

研究試作「番長帽」

2016-09-22 22:50:55 | 装備年鑑
いつきが「KAMAYOU」に配属され
2年が過ぎた頃
無帽は軍規に反する為
ミリタリーな帽子を求めて
幾つかの軍需工場に出向いたが
どの帽子もいつきにはブカブカで
ちょうど良いサイズの物は 

ながさわ君の帽子・・・・乳児の帽子・・・
無いものは作るしかない!
で、ネットで情報を収集し分析の結果
「キャスケット」なるものが適していると判断
理由:頭のサイズに関係なく
大きな帽子を被れる。

サイズもさることながら
過酷な戦場で耐え得る帽子を
と思うとどうしても「軍用規格」を追及してしまう。
早速、図面を起こし材料を調達
生地は厚手の生地(ジーンズみたいな生地)
後に悲劇を生む事に
問題は誰が作るか・・・・・
ん~この点については深くは書けない・・。

新兵の時に戦闘服に手縫いでネーム付けをやらされた事はあったが
さずがに手縫いは無理だろう・・・

ある事に気が付いた。
結婚を記念してぴーたさんから頂いた
「装備品」が「押入れ」と言う格納庫に
格納されたままである事に
「TOYOTA モデル EM600B」
民生用(家庭用ミシン:カタログ品)

結婚して数年が経つが真新しい。
防錆が行き届いてるのだろう
って言うか装備して以来、可動しているところを見た記憶が無い。
取りあえず作動するか試し縫い 快調な作動音 
「各種機能点検」も問題が無いようだ。

数年の時を経て今新戦力として復活
まるで荒れ果てた地球から宇宙戦艦ヤマトが発進した時の様だ。
この時より、新装備品「TOYOTA モデル EM600B」が私の片腕となって活躍する。

出来上がりはこちら↓

命名「番長帽
「いつくん 明日からこれ被って学校に行ってね。」
いつきに帽子を被せて
「おいおい、お前何に見てんだ~」「俺は番長のいつきだ!」
「喧嘩上等!表に出ろ!」「今日から俺をいつき番長って呼んでくれ!」
いつきと明日の学校での「予行演習」を楽しんでると
めーたさんに「がきデカ帽」と言われた。
こんな感じ

「いつくん 酷いよね がきデカ帽だって!」
いつきの両手をもって
めーたに向かって「死刑!」
リハビリを兼ねて「死刑!」連発!
内心「デカ帽」に納得

「初回品の改良点」
◎生地を厚くした為、帽子全体がしっかりと立ってしまった。
 潰れ加減が無い。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
脳性麻痺の子供はどうしても頭(おでこより上)が小さくなる。
いつきが産まれてNICUにいる頃
主治医に聞いたことがある。
「脳を損傷したら、将来、頭の形はどうなるのでしょうか?」
「脳の大きさは変わらないので頭部(おでこ辺り)は小さく、顔は普通に大きくなります。」
幼い頃は、幼児用の帽子でも何とかなったが
成長するにつれ市販の帽子で合うものはない。
主治医の言葉を実感する。

障害がある為に、「着られない服や帽子」
無いものは作る「世界に一つのものを」
頭周りを小さく絞っても帽子全体を大きく見せられる「キャスケット」はお勧めです。