最近の妻の病状(135)
今日(4/23)昼過ぎ、2週間ぶりに次男とともに、妻の許へを訪ねる。
いつものように、妻はニコニコと上機嫌で面接コーナーに現れたが、連れてきてくれたK介護士さんによると、昨夜は情緒不安定な状態であったと言う。やはり落ち着いた状態ばかりでなく、気持ちに浮き沈みがあるようだ。
当人はそんなことすっかり忘れているようだが、あるいは不安定だったことの認識が最初からまるっきりないのかもしれない。ま、朝になったら元に戻ったようで、一過性で終わったことは不幸中の幸いと言えるかもしれない。
今日持参したのはミカンのゼリー、みかんは昔からの大好物なので美味しそうに食べたが、「毎日、楽しい?」と訊くと、「うん、楽しい」と答えたので、「カラオケもできるしね」と言うと、「カラオケなんて知らない」ときた。これまでは「カラオケなんてやったことない」の一点張りだったので、その表現の違いにオヤッと息子と顔を見合わせた。
今日はニッバチをやっていると、一人の新顔の年配男性が「見学させてください」と傍に椅子を引いてきた。比較的軽症とみられるだけに、ここでの生活に退屈しているのであろうか? 何も言わずじっと眺めていた。
終わったところで、「有難うございました」と言われたので、「椅子はこちらで片付けますから、そのままにしておいてください」と言ったところ、「いいえ、どうせ暇ですから」とご自分で片付けていたが、この方、言動が常人と変わらす゛、ここに入所されているのを不思議に感じた次第。
妻はそんな会話には全く無関心で、部屋まで連れて行ってくれ、と言う。広間まで連れて行き、介護士さんに引き渡し、サヨナラしたが、「どうも有難う、今日来てくれて」と、こちらもいつもと違う語順で応じた。その表現の柔軟さにまだまだ捨てたものではないと、小さなことだが、それなりに嬉しく思いつつ帰路についた。
以上