最近の妻の病状(84)
12/27 、朝突然、義妹から、今日なら見舞いに行ける、との電話が入ったので、次行くのは新年かと思っていたが、急遽、義妹の車で同行することにする。
12時40分頃着いたが、昼食後の昼寝をしてるところだったので、介護士さんに頼み、談話コーナーまで連れてきてもらう。
やがて、介護士さんに手を引かれて、ニコニコと嬉しそうに歩いて来る姿が、中庭の窓越しに見え、声も聞こえ始めた。介護士さんに義妹のことを誰かと聞かれたのか、「妹なの。でも私の本当の妹ではないのよ」と言っている。「じゃあ、ご主人の妹さんね」と介護士さん。というわけでもないのだが、妻が何と答えたかは聞こえなかった。
久しぶりに義妹に会って妻は破顔一笑、「まぁ、T子さん!」と手を取って喜びを露にしていた。
義妹がキゥーイとリンゴを食べやすいように小さく切って持ってきてくれたが、「これ、キゥーイよね」とちゃんと言い当て、まだまだ捨てたもんではない印象を受けた。
ただ、恒例のニッバチをしている最中に、私が前々回の時に録音した妻の歌声を再生したところ、どうも自分の歌だとは気づいていないらしく、一緒に歌いだしたのには愕然とした。「わぁ、私だ、恥ずかしい!」というような反応があると期待したのだがーーーーー
ニッバチのあと七並べを1回やったが、どうもキングやエースまで行ったら逆に戻ることを理解してないらしく、興趣もいま一つだった。
終了後、義妹に片腕を支えられてホールに戻ったが、やがておやつの時間になるらしく、他の入所者がそこかしこに座を占めていたので、介護士さんの指定する席に誘導した。
おや!と思ったのは、妻の椅子にはセンサー付きの座布団が敷かれていること。これは、介護士さんが目を離した時に妻が席を離れてもすぐ駆けつけられるようにするためであろう。勝手に歩かれて転倒することを何より恐れている証左である。きめの細かい配慮には頭が下がる思いである。
「じゃあ、帰るからね」と言うと、「今日は来てくれてありがとう」と笑顔で手を振ってくれた。
何はともあれ、妻の幸せそうな姿に安心したひと時であった。
以上