去る10月3日~5日にかけて鹿教湯(かけゆ)温泉に行ってきました。
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1日目
今回も、前回の肘折温泉旅行の時と同じく、C旅行社 のツアーバスで、9時30分、松戸を出発し、三郷南ICから外環道、関越道、上信越道と佐久ICまで高速道を行き、以後は小諸市内の一般道を西に向かい、14時15分、鹿教湯温泉のホテ
ルに着きました。
この間、三芳PAで15分のトイレ休憩を取ったほか、健康ランド併設の「佐久市プラザ21」内のレストランにて1時間のランチ休憩があったので、さして退屈しないで済んだ次第です。
鹿教湯温泉は、昔、鹿に化身した文殊菩薩が猟師に湯のありかを教えたということがその名の由来とされていますが、開湯800年の歴史を誇る湯治場として、全国でも数少ない環境省指定の国民保養温泉地となつています。
我々の宿は、明治元年創業の老舗宿「ニューかど
や」。24時間入浴可能の源泉掛け流し風呂が自慢のホテルで、温泉街のほぼ中央に位置しており、部屋も二人なら十分の広さで、満足のいくものでした。
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天気予報では、あいにく明日は雨ということなので、旅装を解くのもそこそこに、宿の主人から周辺マップを貰い、見どころを聞き出し、降らないうちにと散策観光に出かけました。
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幸い、当地には、その歴史的価値や自然の美しさを
観賞しつつ健康づくりに役立てようと、史跡や自然環境などを整備し、「鹿教湯二十一番名所めぐり」という遊歩コースを自分の体力やその日の体調に合わせて体験できるようになっています。
全長約12kmという距離もさることながら、険しい山道もあるということで、年老いた身ではとても全部はまわり切れませんが、ともかくマップを見ながら、歩いてみることにしました。
以下、訪ねた順を追ってご紹介しましよう。
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五台橋
まずは、宿の主人に教えられたとおり、温泉街を南北に縦断しているバス通りを横切り、湯端通りを南に湯坂と呼ばれる緩やかな登り坂を5分ほど行くと、内村川の緑豊かな渓谷に出、眼下に屋根付きの木製の橋が見 えてきました。これが第2番名所の五台橋で、この世の現世と神の世界を結ぶ橋として知られているそうです。10mほどの長さですが、屋根が付いているとは珍しいですね。なお、五台橋は、中国の五大山に由来して名付けられたとか。
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温泉薬師堂
五台橋を渡り、石段を登りつめたところにあるのが第 21番名所の温泉薬師堂です。藁葺き屋根の古い建物です。古い温泉地には、薬師堂が必ずといっていいほどあります。古代の日本人は、病を治す不思議な効能を持つ温泉に神が宿っていると信じ、いつしか信仰の対象として病気平癒の仏様である薬師如来を安置し、この温泉薬師堂を奉ったのでしょう。
いかにも年代を感じさせるお堂で、苔生す茅葺屋根が印象的でした。
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文殊堂
薬師堂を後に、内村川に注ぐ沢に架かる小さな木橋を渡ると、すぐそこに第3番の名所である文殊堂があり ました。行基の弟子である園行が創立したと伝えられており、1709年に完成したものとか。
屋根は銅板ぶき入母屋造りで、正面中央の向拝付近や四囲の欄間などに多くの彫刻が施されており、元禄時代の仏堂の作風を明瞭に示す県内有数の建物として県宝に指定されています。
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みどり橋
文殊堂から第4番名所のみどり橋に向かう遊歩道は、涼しげな緑の影が続く森林浴コースになっていま す。歩くこと約8分、みどり橋に着き
ました。橋の上から内村川の清流に沿って目を移すと、川の両岸は絶壁になっていて、新緑の木々がこの川をおおい囲むように茂っており、ざわざわと流れる水音がとても心地よく、下流にはその昔「へび湯」と呼んだ露天風呂跡が見えました。
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万年橋
みどり橋を後に下方の道を案内板に沿って迂回する
ように8分ほど行くと、再び内村川と交差する地点に出ました。そこに架かっているのが、第5番名所の万年橋です。
現在は高さ40mの吊り橋で、かつてはもっと下に架かっていたそうですが、どんな大水が出ても流されたことがなかつたため、この橋を渡ると、「万年の長寿が叶う」と言われるようになつたとか。
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天竜寺
万年橋を渡った右手には第6番名所の秋葉神社への上り口が見えましたが、険しそうなのでひとまずパスし、左に曲がって第7番名所の天竜寺へと向かいました。それは、なだらかな坂道を下りきったところにありました。
ここは、大智山天竜寺と呼ばれ、釈迦牟尼仏を本尊とし、第3番名所の文殊堂の別当として、江戸時代の初期に創建された名刹とのこと。
しかし、現在の佇まいからは、特に目に付くものは見当たらず、とても名刹らしい雰囲気は感じられませんでした。
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秋葉神社
次いで、坂を上ってもと来た道を引き返し、改めて先ほどやり過ごした第6番名所の秋葉神社に向かいました。
ここは、昔、この地に逗留した旅人が、夢枕に現れた秋葉大明神から家の災難を告げられ、急いで帰宅すると家はすでに消失。家を再興した旅人は、霊験あらたかなることを感謝し、ここに「火災守護神」として奉ったものである由。
入口の鳥居のところまで来ましたが、そこには杖が置いてあり、祠までは曲がりくねった細い急坂の道を登らねばならず、無理は避けた次第です。
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紅葉橋
更に先ほど通ったコースを逆方向に、みどり橋を渡って文殊堂、温泉薬師堂の前を過ぎ、緑いっぱいの木々
に囲まれた小径を更に進んでいくと、第20番目の名所・紅葉橋に出ました。
この付近は真田家の近親者の屋敷があったところで「御殿」と呼ばれており、その名が示すように秋の紅葉が見事とか。また第4番目の名所「みどり橋」と夫婦橋になっており、夫婦でこの橋を渡ると幸せになると伝えられているようです。
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月見堂
紅葉橋を後に渓流沿いの道から離れて西に向かって坂を下り、先ほどのバス通りを横切ってしばらく上り坂
を行くと、北に向かって真っ直ぐ伸びている林間道に出ました。この道はトリミィロードと呼ばれ、歩行の合間に軽い体操とストレッチを勧める、いわば健康ロードで、全長200m、そこから眼下に温泉街が良く見渡せました。。
その途中に月見堂、稲荷神社、展望台の第11~13 番所に至る山道が分岐しているわけですが、その道は狭く傾斜もきつくかつ足
場が悪く、妻は途中で立ち止まってしまったため、 私一人しばらく登って月見堂まではどうにか到着しましたが、その先は木の根がむき出しになった急坂が続いているようでしたので、諦め引き返した次第です。
それにしてもこの月見堂、シンプル極まりない造りですね。折角苦労して登ってきたのに、ちょっとがっかりでした。
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温泉祖神
月見堂を後に再びトリミィロードまで降り、しばらく進んでいくと、東に向かって温泉街に下る道がありました。
既に16時近くになっていましたので、もうそろそろ戻ろうとホテル近くまで来たところ、出かけるときは見落 としていた温泉祖神がありました。これこそが第1番名所で、名所めぐりの出発点なのでした。
昔は文殊堂の守護神として山門まであったそうです。祭神は恵比寿様と大黒様で、素朴な木彫りの像が小さな社の中に二つ並んでいるのが見えました。
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16時05ふん、ホテルに帰着、以後は入浴、テレビ、夕食などを楽しみ、のんびり過ごした次第です。
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2日目
6時05分起床。習慣でどうしても6時前後に目覚めてしまいます。
予報どおり、果たして激しい雨となっていましたが、朝食を済ませ、諦めかけていたところ、9時過ぎに一旦雨が上がりましたので、止んでいる間に少しでも名所めぐりを消化(?)しようと、温泉街より東に少し離れた場所にある湯の里天神社と、更に北方にある諏訪神社まで行ってみようと、宿で傘を借り出かけました。
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馬頭観世音
温泉街を南北に貫くバス通りを北に向かって進んでいくと、道路際の一段高くなっているところに第10番名所の馬頭観世音の碑が建っていました。
昔、ここは険しい坂道で、一人の馬方が寝食を共にした愛馬を事故で亡くしてしまったため、その霊を慰めると共に傷心を癒し、安全を祈念して、建てたものだそうです。
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湯の里天神社
馬頭観世音を後に栗の木坂を
(以下編集中)
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