今回は、かねてより申し込んであったT旅行社の「わたらせ渓谷花桃街道ハイキング」のツアーに参加してきました。
当日(4/17)は、事前の当地の天気予報では、雨となっていましたので、雨具の用意をして出かけました。現地に着くまでの電車やバスに乗車中も終始雲が厚く垂れ込め、前途多難を思わせましたが、幸いにも、現地で歩き始めこそ小雨がぱらついたものの、すぐ上がり、次第に雲が切れてきて、後半は上天気になり、上着を脱いで腰に巻くほど暑くなりました。雨具どころか、むしろ日焼けが心配になったほどです。
当日は朝8.00に家を出、最寄りの初石駅から東武野田線で春日部駅で伊勢崎線に乗り換え、集合場所の一つである東武動物公園駅に9.07到着。
9.16、特急りょうもう5号に乗車し、ここでA添乗員引率の浅草駅から出発したツアー本隊と合流したのも束の間、9.39には、館林駅に着き、以後はバスでわたらせ渓谷鉄道の花輪駅方面に向かいました。
バスは、45人乗りの大型バスでしたが、参加者は26名と少なかったため、皆自由に思い思いの席にゆったりと座れて行けたのは幸いでした。
1時間ほど走ると、バスはわたらせ渓谷沿いに出、右手眼下に渡良瀬川と鉄道の線路が見えるようになってから間もなく、目的地の旧花輪小学校記念館前に到着しました。
この記念館は、明治6年~平成13年まで実際に花輪小学校として使われ、その間、製鉄業の創始者で近代産業の父と謳われる今泉嘉一郎や「うさぎとかめ」などの童謡の作詞者として名高い石原和三郎
などがここで学び卒業したことで知られ、今では、国の有形文化財に登録されています。
明治6年開校といいますと、私の母校で、かつて島崎藤村や北村透谷らを輩出した都心の泰明小学校より5年も早く、歴史の深さを感じさせます。
到着後、2階の1室(教室)で、昼食タイムとあって、弁当の昼食を摂りながら、かつて校長を務められた館長さんの説明を聞きました。それによると、この建物は外部の建具がアルミサッシに取り換えられたほかは建築当初の姿をそのまま留めており、4間×5間の教室と北側片廊下の形式は、
明治後半から昭和30年代にかけて造られた典型的な木造校舎であり、校舎はすべて今泉嘉一郎の寄付により建てられた由。窓も和ガラスが使用されており、歴史を感じさせました。
館長さんの説明の後、出発まで時間があったので、皆、昼食後、思い思いに館内の構造や展示物等の見学のほか、偶々ガイドのIさんが音楽家であることから、その演奏や歌なとを聴いたり、
外に出て写真を撮ったりして時間を過ごしました。聞けば、添乗員のAさんも、かつてオペラの合唱団に所属しておられたそうで、お二人の合唱は見事でいい声をされていました。
今泉嘉一郎と石原和三郎については、それぞれの経歴と功績について説明する各々専用の展示室がありましたが、その他の展示物の中に、各時代時代の給食の中身が並べられているのがあり、それぞれの時代を反映していて面白いと思いました。以下にそのうちのいくつかを示します。クリックして拡大していただければ、それがいつの時代のものかわかります。
一方、構内では、入口にある枝垂桜の木、今泉嘉一郎の胸像、昔懐かしい二宮金次郎像、シンプルながら格調高い校舎正面入口などが目を惹きました。
ガイドのIさんによると、桜と花桃を同時期に見られるのは、日本中で、ここみどり市だけとのこと。
12.50、いよいよ花桃めぐりのハイキングに出発です。全行程約8km、ちょうど花桃が最盛期とあって、花桃まつりが行われており、途中で焼きまんじゅうが振舞われるなど、みどり市挙げてのイベントとして盛り上げていました。
コースはマップの通りで、両側に色とりどりの満開の花桃等をを愛でつつ、文字通り花桃街道をウォーキングし、水沼駅に直結する水沼温泉センターを目指しました。道は多少のアップダウンはあるものの、きれいに舗装されていて歩きやすかったですが、前述のように後半は暑さに参りました。
以下に、美しい花々をご紹介しましょう。花桃の中には、同じ枝でありながら、色の違う花がついているのがあり、印象的でした。花桃以外に大根の花、木蓮、芝桜などの花も見られました。どうぞクリックして拡大写真をご覧ください。
水沼駅温泉センターには、早い人は15時前に着いたようですが、私は殿を承り、ゆったりと歩きました。それでも15時30分前には到着し、休憩所で疲れを癒しました。温泉に入る時間は十分にあったのですが、下着の着替えを持ってこなかったこともあり、それに温泉に入るときは、ゆったりと入り、そのまま浴衣に着替えて宿泊する主義なので、今回は敬遠した次第です。
代わりに小腹がすいたこともあり、好物のざるそばを食べました。結構美味しかったです。
さて、皆、思い思いに休息をとった後、水沼駅発17.22のわたらせ渓谷鐡道で東武線の接続駅である相老駅に向かいました。時刻表を見ると、16時台~18時台の間に運行される電車はこれ1本のみで、しかもやってきた電車はたった1両でした。
それでも幸いなことに、空いていたため、ほとんど全員が座ることができ、ローカル色豊かな風情を楽しむことができました。
17.50、相老駅着。ここで18.04発の特急りょうもう44号に乗り換え、車中で配布された弁当を食べつつ進むこと1時間余り、19.16に東武動物公園駅につき、浅草まで行く人々に別れを告げ、以後、往路と同じルートを逆に戻り、無事、8.15に帰宅しました。
以上、今回は、旧花輪小学校とともに今泉嘉一郎と石原和三郎両人のことを深く知り得たことのほか、(結果的に)天候にも恵まれ、春爛漫の花桃街道を満喫でき、真に充実した一日でありました。
添乗員のAさん、いろいろと細やかなお世話をいただき有難うございました。
以上