去る8月26日から29日にかけて、肘折温泉に出かけてきました。
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プロローグ
今年は、3月に両眼の白内障手術をしたため、完全に落ち着くまで旅行を控えておりましたが、もうよかろうと、まずはのんびりできる滞在型の温泉旅行を選んだわけです。
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例によって、千葉・津田沼・西船橋の各地で参加客を乗せてきたC旅行社のツアーバスで、9時07分、松戸 を出発し、三郷から外環道経由、東北道をひたすら北上、村田JCTから山形道へ高速を乗り継ぎ、山形北ICからはと国道13号線を更に北上し、新庄からは458号線を南に迂回、やがてバスは山形県は最上郡大蔵村に入り、目的地近くで宿から迎えのマイクロバスに乗り換え、肘折温泉の「ホテル観月」に到着したのは16時20分でした。実に7時間余に及ぶ行程でした。
この間、那須高原SA・安達太良SA・山形蔵王PAの3箇所でのトイレ休憩、昼食は車内で弁当を食した次第です。
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肘折温泉は、霊峰月山の北東麓、最上川に流れ込 む銅山川の上流に湯宿が寄り添うように立ち並ぶ情緒溢れる美しい村で、開湯1200年の歴史をもち、今も昔ながらの湯治場の雰囲気を色濃く残す温泉として人気がある由。細い道に沿った温泉街には26軒の温泉宿やみやげ物店が軒を連ねています。
道が狭いため大型バスが入れず、また冬季には道路も豪雪で遮断されるなど、まさに世間から隔絶された陸の孤島と言っても過言でないかもしれません。
温泉の発見にまつわる伝説も興味深く、昔、豊後の国(大分県)からきた源翁という老人が山中で道に迷い途方にくれていたところ、後光きらめく老僧に出会ったが、この老僧こそが地蔵権現であり、かつて肘を折って苦しんでいたときに、この湯に浸かったところたちまち傷が治った、と語り、世上に湯の効能を伝えるべく翁に言い渡したとされています。以後、近郷の農山村の人々が農作業の疲れを癒す温泉場として、また骨折や傷に有効な湯治場として賑わってきたということです。
また、老僧が住んでいた洞窟は“地蔵倉”と呼ばれるようになり、今では縁結びの神として参詣が絶えないとか。
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さて、ここに3泊したわけですが、温泉に浸かるだけでは芸がないので、事前に調べたり、宿の人に尋ねて得た情報をもとに、観光しました。
その主なものをご紹介しましょう。
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ひじおりの灯
これは、開湯1200年を記念して、東北芸術工科大学の学生が作製した灯籠が、夏季期間中、各旅館の玄関前に設置されているものです。
一点ずつ趣向を凝らした釣灯篭が温泉街の夏の夜を幻想的に彩っています。昔ながらの温泉街を照らし出すひじおりの灯。初日の夕食後、夜の散歩に出て、観賞しました。
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朝市
朝の温泉街に響く下駄の音、弾む会話。朝市は肘折温泉の風物詩の一つです。毎年4月末から11月にかけて6時から近郷の農家の人が開いている朝市で、地元で採れた旬の味覚をお土産や自炊用の食材に買い求める人々で賑わっています。
我々も2日目と4日目の朝、行ってみましたが、なかなか趣のあるも
で
した
。
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肘折ダム
2日目の午前中、宿で周辺マップを貰い、まずは近くにある肘折ダムを訪ねました。
ダムは温泉街からものの5分南に行ったところにあり、付近 は源泉公園として整備されています。昭和27年に造られた砂防ダムで、水音や景観が人々を和ませてくれています。
公園内には、石造りの源泉ドームがあり、ガラス窓からは源泉が湧き出る様子を見ることができます。ドームは温かく周囲の椅子に座ると腰湯の気分を味わうことができるほか、足湯や飲用湯の設備もあり、ダムの景観を眺めながら
寛げる
ようにな
っています
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秋葉山石碑
次いで、温泉街に戻り、山を背にして立つ 秋葉山石碑の前で足を留めました。
秋葉山といっても、ここの山の名称ではありません。 これは、かつて肘折では、宝永6年(1709)からわずか20年足らずの間に、全村を焼失する大火が3回も続いたことから、火伏せの神様として有名な静岡の秋葉神社の加護を願って石碑を建立したもので、石は小松淵(後述)から運び、碑銘は当時仙台の瑞鳳寺の住職で天下に名の知れた南山和尚の筆になるということです。
よく見ると「秋葉山」の「秋」の字が左右逆になっていますが、その理由を和尚は「秋は紅葉なり。紅葉は全山紅く、それは大火を連想させるもの。それでわざと逆に書いたのだ。」と申されたとか。
この秋葉山の碑は、南山和尚の書をそのまま彫ったもので、その書は現在も某宅に保存されているそうです。
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湯座神社
次いで、秋葉山石碑の脇にある鳥居を潜り、急階段
を登ったところにある湯座神社に向かいました。
創建は明徳元年(1390年)とされ、薬師如来を祭神とすることから、別名 薬師神社とも呼ばれています。
境内には、土俵が設えてあり、不思議に思いましたが、後に聞いたところによると、毎年8月中旬に行われる例祭の行事の一つとして、ここで相撲大会が行われるのだそうです。
なお、湯座神社は、肘折温泉開湯の地と伝えられる地蔵倉へと向かう遊歩道の起点ともなっています。
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地蔵倉
次いで、まだ昼まで時間があるので、このまま地蔵倉まで足を伸ばすことにしました。
目的地まで初めはたいしたことなかろうと軽く考えて いましたが、歩き始めると、どうしてどうして、結構アップダウンがきつく、完全な山道で、若い時なればいざ知らず、老人の身にとっては暑さも手伝ってかなり辛く、何度引き返そうとしたことか。それでも随
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