透析の合間を縫い、2/25~26にかけて一泊二日で草津温泉(泊)・四万温泉を巡るツアーに参加してきました。実は、1月末、不覚にもインフルエンザにかかり、熱が引いてからも、咳発が長引き、それが落ち着いたと思ったら、両足のふくらはぎが痛み始め、歩行もままならない状態に陥ったため、果たしてこの旅行に行くのが可能か、と危ぶまれましたが、何とか間に合い、実に4年ぶりの温泉行となった次第です。
いつもは一人参加ですが、温泉旅に一人では味気ないし、また現在の私の体調から思わぬ事態の発生も危惧されたので、かねてより親交のあるK氏に声をかけたところ、二つ返事でOKしてくれたのは実に有難いことでした。
旅の内容はお馴染みの東武トップツアーが催行する「草津温泉・四万温泉湯めぐりの旅」という温泉自体が目的ののんびり旅でしたが、現在の私の体調にはまさにぴったりくるものでした。
2月25日10時過ぎに出発、自宅最寄り駅のH駅から東武アーバンパークラインで春日部経由、東武動物公園にて浅草から特急りょうもう11号で来たツアー本隊と合流し、ここで北千住から乗ったK氏とお馴染みの添乗員のTさんと1年ぶりに再会の喜びを分かちあいました。ツアーの参加者は12名で、一路終点の赤城に向かいました。
12時36分、赤城着。ここで地元群馬からの参加者5名が加わり、総勢17名となっとなったところで、赤城観光の小型バスに乗り換え、車内でとり重弁当に舌鼓を打ちつつ、一路、草津温泉に向かいました。
道中、T添乗員から日本の温泉ランキングの説明があり、それによると、現在向かっている草津温泉がトップで、以下、②下呂温泉、③別府温泉、④有馬温泉、⑤登別温泉、⑥指宿温泉、⑦万座温泉、⑧月岡温泉、⑨湯布院温泉、⑩黒川温泉となっているとか。自分の経験からしても納得のいく順位です。
草津温泉は白根山の山麓に位置している関係上、1か月前に起きた噴火の影響で、風評被害が相次ぎ、予約客のキャンセルが6千人にも達したとか。本ツアーでも参加者が少ないのはそのせいでもあろうか。それでも催行してくれたことに、ホテルからは感謝されたという。我々にしても、最少催行人員を割ってまで催行してくれた旅行社に感謝したい。
途中、浅間酒造センターというところで日本酒の試飲と買物を楽しみ、草津温泉は「喜びの宿 高松」に着いたのは予定通り15時30分でした。
ここ草津温泉は、自然湧出量日本一を誇り、4か所の源泉を持ち、毎分32300リットル以上、一日にドラム缶23万本もの温泉が湧き出ているといわれ、古くから多くの人々の心と体を癒し続けてきた由。俗に「恋の病以外にはすべて効く」と言われているほど効能があるとか。
まだ明るいうちにと、部屋で旅装を解くのもそこそこにK氏と湯畑まで行ってみる。ものの5分足らずで着く。湯畑の周りには、まだ雪がそこかしこに残っており、大勢の老若男女で賑わっていました。ここには16年前にも来たことがありますが、今回は外国人観光客の姿が結構見られたのが違いででしょうか。それにしても源泉の湯けむりの凄かったこと!
驚いたのは、すぐそばのインフォメーション「熱の湯」という建物内でやっている「湯もみと踊り」のショー。ものの20分程度のショーに入場料が600円もしていたこと。16年前は200円だったのに!その時に、見たばかりでなく、湯もみ自体を体験しているので、今回ははパスしましたが、切符を求めて長蛇の列ができていたのが印象的でした。
ふと見ると、すぐ近くに「光泉寺」というお寺があり、ちょっと階段が急勾配できつそうだが、折角だから行ってみようということになり、登り始めたのはいいが、 途中の山門からもここまでの2倍を超す石段があり、あえぎあえぎの苦行体験となりました。ここは真言宗豊山派の寺院で、山号は草津山とのこと。関東薬師霊場第四十四番札所であるとか。
境内は静かで厳かな佇まいに包まれていました。本堂で安全祈願の後、戻り始めましたが、階段は凍っていて滑りやすいので、手すりに摑まりつつのよちよち歩きで、眼下の景色を楽しむ余裕はありませんでした。。行きはよいよい、帰りは恐いとはこのことですね。
16時35分、帰宿し、大浴場でゆったりと湯に浸かる。ここは草津温泉の中で最も良質とされている湯畑から引き、自然の空気だけで温度を下げた源泉100%の温泉で、男湯・女湯とも露天風呂がついており、山麓の外気を感じつつ天然温泉を満喫でき、日ごろの心身の疲れが吹き飛ぶ思いでした。
入浴後、しばし部屋で同僚と談笑し、18時になったので、食事処の「喜楽亭」に向かいました。おそらくは大広間で全員一緒かと思っていましたが、グループごとに衝立で仕切り半個室状態になっていたのにはびっくり、成程、「喜びの宿」としての心遣いが窺われました。
料理の方も、こだわりの和食御膳で、申し分なく、あまり飲めない二人でしたが、「大吟醸」を酌み交わしながら、ゆったりと食事を楽しんだ次第です。
その夜は身体が火照ってなかなか寝付かれず、温泉効果を実感した次第です。
翌26日、早朝の4時に起きて一番風呂に向かいました。浴場は男女が入れ替わっており、昨日とは違った誰もいない環境で一人ゆったりと湯に浸かれたのは実に気分のいいものでした。
風呂から出て、まだ時間が早いので、再び床に入りましたが、6時45分には起床し、K氏を誘い食事場所に向かい、和洋中のビュッフェを楽しみました。早く行ったので、ブース風に仕切られた場所を確保できたのは幸いでした。
朝食から戻り、しばしK氏と談笑後、まだ出発まで時間があるので、最後にもう一度温泉に入り、名残を惜しみました。
9時ちょうどに出発、一般道を同じ群馬県内の北東に位置する四万温泉に向かい、10時15分、奥四万湖に着きました。
奥四万湖は 四万温泉の最奥に位置する人造湖で、四万川の洪水対策として四万川ダムによって堰き止めてできた湖です。
1周4の湖畔は、春の新緑や秋の紅葉の名所で、湖水の色が変化し、見入ってしまうほどの美しさだそうですが、今の時季でもその美しさには十分惹きつけらりました。
湖水の青さを指して四万ブルーなる言葉もあるそうです。
ここで、四万温泉協会の人たちの出迎えを受け、オリエンテーションの後、一旦、昼食場所である四万グランドホテル
に立ち寄って小憩をとり、10時50分、街なかの散策に向かいました。
四万温泉にも来たことがあり、泊ったのは確か鍾壽館という旅館だったと記憶しているが、なにせ20年以上も前のことなので、町並みはほとんど覚えていない。
まずは四万川にかかる情緒たっぷりの赤い橋を渡ると、そこには中核部分の建立が1691(元禄4年)に遡り、日本最古の木造湯宿建築といわれる積善館本館がありました。ここはかの有名なアニメ「千と千尋の神隠し」のモデルとなった家屋だそうで、いかにも湯治宿といった歴史を感じさせるものがありました。
次に向かった所は、「四万たむら」旅館です。ここも歴史が古く、450年前の創建だそうです。6種のお風呂とともに、名物女将のおもてなしでも有名であるとか。
次いで、勾配のきつい坂を上って着いたところは、湯薬師神社の拝殿。創建は江戸時代中期の宝暦年間(1751~1763年)と古く、正面中央には扁額と共に見事な龍の彫刻が掲げられています。
地震があれば即崩れてしまいそうですが、今でもここを祭神として例祭が催され、山車、屋台、御輿などが温泉街を練り歩くとか。
再び元来た道を戻り、街なかに出て四つ角を左に折れると、そこは落合通りといい、今や数少なくなった昭和の時代にタイムスリップしたかのようなレトロの雰囲気が漂う店が連なっていました。
次に渓流沿いの道に出て進むと、眼下の河原に小じんまりした石造りの建物が見えました。案内人の説明によると、ここは四万温泉にある共同浴場の一つで、無料で利用できるとのこと。石造りのがっしりした造りが目を惹きました。
更に進んで左に折れると、そこはメイン通りの桐木平商店街。今は観光客の間で一人乗り自動車をレンタルするのが流行っているとのこと。途中、飲泉所がありました。
このような飲泉所は他にも3か所あるとか。飲んでみましたが、ちょっとしょっぱい気がしました。
昼前に四万グランドホテルに戻り、一休みした後、とある広間(和室)での昼食となりました。私は胡坐をかけないので、その旨申し出ると、すぐ低椅子を用意してくれ助かりました。
出された特製和食弁当は、質・量とも申し分ないもので、皆大満足、ゆっくりと頂きました。
昼食後、しばしロビーでK氏と談笑し胃を安めた後、さぁ、いよいよ入浴です。この時間は他の客はおらず、我々二人のほかにはツアー仲間の一人がいるだけという僥倖に恵まれ、時間はたっぷりあるので、500年も前からこんこんとわき出ている自家源泉から24時間完全放流の掛け流しで、自然の恵みをたっぷりと含んだ天然温泉を心行くまで楽しみました。
実はこのホテルには最上階に「ハローキティの夢見る展望風呂」と称して、世界初のメルヘンの湯があるそうですが、そこは女性専用とのこと、我々男性には無縁でした。
以上で本ツアー所期の目的を達し、14時30分、帰路につき、途中、渋川市の道の駅「こもち」での休憩を挟み、バスで赤城駅に向かいました。
16時35分、赤城駅に着き、17時発の特急りょうもう40号で浅草に向かい、途中、太田駅にて仕入れた幕の内弁当が供されたので、最後の食事をとり、東武動物公園で18時16分、同行諸氏に別れを告げ、春日部にて東武アーバンパークラインに乗り換え、19時19分、H駅着。久しぶりの旅行なので、さすがに疲れて歩いて帰る気になれず、駅前からタクシーに乗り、19時25分に帰宅した次第です。
四万温泉は草津温泉の仕上げの湯といわれ、草津温泉の強酸性で殺菌力の高いお湯の後は、四万温泉の保湿成分の高いマイルドなお湯で肌をコーティングするのが理に適っているそうで、お陰で、インフルエンザ罹患後のふくらはぎの違和感もすっかり和らぎ、実にタイムリーでした。
最後に、同行してくれたかつての同僚K氏に深く感謝するとともに、本ツアーを企画し、且つ自ら添乗してくれたTさんに心から敬意を表したい。
了
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