ハンディ戦も面白い

病気する前の田園では、ヒゲと客が一杯飲りながらの将棋対局が在りました。
殆ど、ヒゲが飛車と角を抜く、いわゆる二枚落ち戦でした。
「　相手には飛車と角が無いんだから、簡単さ楽勝さ！　」　と掛かってこられますが、
どっこいハードルは高いのです。
数百局ほどの戦いで、下手が勝ったのは、３局のみでした。
　　　　　　　　　　　　　　　　　
今年になって早々、その高いハードルを超えれなかった人達の声を聞く機会が。
元・マルセイ水産のオヤジが、ヒゲの娘・孫たちに喋った話し。
「　田園に、田崎市場の将棋名人を連れて行ったバッテン、
　　主（ヌシ）がえん父ちゃんに、コテンコテンにされらした。
　　そるも、飛車・角落ちでバイ。　（笑）　」
　　　　　　　　　　　　　　
もうひとりは、保険の見直し的な仕事で、営業マンが我が家を訪れた時。
田園の昔話しになって　・・・
「　店でマスターと将棋して、飛車・角落ちでコテンパンに負けてしもうて。（笑）」
その時の駒落ち戦　・・・
普通は、下手が拳を振り上げて攻めて来るのをスルリとかわしながら、
カウンターを浴びせるのが上手ヒゲの戦略ですが、そのゲームは違いました。
その保険屋さんは飲みながら、ツレに話します。
「　こういう時はだな、絶対に下手の方から仕掛けてはいかんのだ。
　　上手には、攻める駒（飛車と角）が無いのだから、ジッと待てばイイのさ。　」
千日手引き分けでも構わない姿勢です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
ヒゲは、タイミングが来るのを待ちました。
そして、なんと先に銀を損して、桂馬を獲るギャンビットに出ました。
下手は、なるほど先に駒得したのですが、と金が飛車に当たっています。
逃げて後手をひきます。
そして、じわっと上手のと金が動き出し、手もなく敗局に。
　　　　　　　　　　　　　　　　　
駒落ち対局で好きなのは、集中力です。
平手戦を求められても、とてもヤル気が起きないヒゲです。
しかし、ハンディ戦なら別もの。
コレなら、名誉を賭けた戦いになるからです。
特に、飛車・角落ちだと一瞬のミスも許されません。
気を抜かない全力投球の集中が求められます。
コレが気持ちイイ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
但し、気位の高い熊本県人に、駒落ち対局を提案するのは、大変。
「　ナニー💢　飛車・角落ちで演ろうてか？　ヌシャ！　おるばナメとっとかー 💢　 」
店では、「　皆さん、この手合いでなさってますけど。　」　と言って、
スムーズに納得して貰ったのですが　・・・　。

　　　　　　　
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