田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

ヒゲのバトル

2018-12-26 15:00:43 | 田園ものがたり
70年の末頃から、ヒゲがひとりでやっていた旧・田園も、少し客が付いてきました。
やや高額な宴会も、予約が入る様になったのです。
値段が高いコースの時は、素材に頼りがち。
どうしても、ヒゲは海老かカニが欲しくなる。
今と違い、冷凍のタラバガニや有頭エビは、簡単には入らない時代です。
つまり、赤いエビやカニは、ご馳走のシンボルでした。

ある日の事、地物の渡りカニが手に入らなかったヒゲは、次に海老を探しに行きます。
その頃、“活きた天然の車海老”を持っているのは、桑原水産さんぐらいでした。
当時の、天然活け魚専門店です。
オコゼなんかも揃えていて、当然、お値段もそれなりに。
                       
ヒゲが訪ねて行くと、先客がいました!
銀杏釜飯の店主が、車海老を選別していたのです。
ヒゲの姿を見つけた店主は、活き海老を床に落として、選り分け始めました。
桑原水産の女将は、苦々しく見ています。
当然ですよね。
落とされたら、脚が折れたりもします。
選り残った海老は たちまち弱る事に成り兼ねませんから。
そんな派手な事しなくとも、プロなんだから、掴んだ瞬間に活きの良し悪しは分かるハズ。
落とすのは、単にアピールプレーなんです。
「 見たか! 俺は、こんなにこだわっているんだぞ。 」
しょうがないヒゲは、あきらめて帰りました。
まぁ、当時の同業者同士のバトルは、けっこうこんなモンでした。
現在のように、電話一本でネタが揃う時代ではありません。
それぞれの店主は、足を運んで、競争してネタをがじめるのが当時のバトルでした。

最近、聞くところに拠ると、くだんの店主は体調が思わしくなく、廃業するとか?
その頃、商売用のネタの争奪でシノギを削っていた店主とヒゲ。
いわゆる、昔の戦友。       
どうやら今度のステージは、『長生き合戦』でバトルを再開することになりそうです。
                          
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コメント (4)
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