鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

イヴ・サンローランの靴下

2020年10月10日 00時26分00秒 | ざんねん




気に入りの靴下は回転率良くはくものだから、穴もあきがちというもの。
洗濯してあるのを捨てるのはしゃくだから、はいて汚して捨ててやろうと思いながら、脱ぐときにはそれも忘れて洗濯かごの中に。
このイヴ・サンローランは亡き義兄の形見の品で、20年ほど前にもらったのだから、たぶん4半世紀前の製品。
良いものは長持ちするわけで、ここまできたら、先を切り離し筒部分だけにしてサポーターに、なんてことも考えないこともない。
それは良い考えと切って縫ってくれるひとなんて居ないから廃棄処分にする。
これをはいて蕎麦の実をしごいて収穫したのだが、ブルーシートにぶちまけ干すときに長靴を脱いでシートに上がったら足裏が冷たかった。
昼からまたブルーシートに上がってかき混ぜるときに、だれかが訪ねてきたら恥ずかしいので午前の仕事を切り上げてから、ついに脱いで捨てた。
予定通り昼食後に蕎麦の実をかき混ぜ中、同級生がやってきたから予測的中、小さな恥をまぬがれた。

靴下の穴を見るたびに思い出すことがある。
玄関の立ち話で済むちょっとした用向きでよそ様を訪ねたときに、出てきた奥さんが話し始めてから、片方の足でもう片方のつま先を踏んではもじもじする。
まるでトイレに行きたくてたまらないような素振りの内股でよろけたりする。
じつは、片方のつま先にあいた穴を隠そうとしているのだった。
こちらとしては伝えるべき用はちゃんと伝えなければならないし、下に目をやるわけにはいかないし、顔だけまじまじと見つめて要件をそそくさとまとめて早々に撤退した。
あの時のバツの悪さがトラウマになっていなければ良いけれど、それ以来きっとその奥さんは、家族の靴下の破れにだけは過剰に神経を使っているだろう。
コメント (2)
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