
オムニコートの端に蝉の骸があった。
人工芝に砂がまぶされているテニスコートをオムニコートと言いならわしているのだけれど、オムニとは何ぞや。
検索してみたら、住友ゴム工業がこれを作るに当たってオーストラリアのオムニ社の云々とあるから、単なる商標のようだ。
とにかくテニスコートに頭のない蝉の骸があって、砂が周りを囲っていた。
大きい獲物を見つけると、周りから砂を集めて覆い隠してしまう、小さな赤い蟻がいる。
たぶんそのようにしている途中で、うまくいかないまま放置放棄したか、ある程度は食いちぎって持ち去ったか、そんなことだろう。
透明な翅の蝉は何種類かいるけれど、クマゼミではないし、青みのあるミンミンゼミでもない。
大きさと時節柄を考え合わせるとカナカナゼミだ。
後頭部の模様がこんな迷彩風であったかと今更ながら知った次第。
ヒグラシという名は、その日暮らしを思い浮かべるし、鳴き方からのカナカナは鳴き終わりの余韻が儚い。
いつだって、「いいのかな?」「これでいいのかな?」「こんなことでいいのかな?」という自省と懐疑を思ってしまう。
そうして砂入り人工芝テニスコートに、頭なし胴千切れ状態の最期。
日暮らし良いのかな、悪くはないのかなと、自問する自分と重ね、蹴散らすことはせず撮るにとどめた。









