どこのサービスエリアだったか、パーキングエリアだったか、何しろ北陸道を走っていて休憩したトイレに飾ってあったもの。
民話にもとづくものでも伝統工芸品でもなく、ある個人による創作世界だと思われる。
男性用トイレの手洗い場所。
例によって、トイレでのシャッター音は不穏ではあるけれど、私はたいてい深夜に走るので、この時もたぶん私しかいなかった。
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を連想したり、ジャックと豆の木を思い出したり、ウジ虫を想像したりして部外者はまことにもって勝手で、作者に申し訳ない。
実用に供さない、このようなものを一心に作っている時の作者は、至福にひたっているのだろう。
こういうものを見て、すさんだ気持ちがゆるんだり、安全運転を心がけようと思ったりする男も居て欲しい。