鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

鳥瞰ニュースとは名ばかりで・・・(その3)

2010年09月03日 19時00分58秒 | 個人的主張など
【軍人という種族・・・③】
原爆のことをもう少し書いておきたい。ホロコーストという言葉がある。ウィキでは【ホロコースト(holocaust)は、宗教用語として全燔祭(ユダヤ教の祭事で獣を丸焼きにして神前に供える犠牲)を意味し、また、全焼死や大虐殺の意味もある】としている。そこから原爆ホロコーストという言い方をする人もいる。宗教上の意味合いも含んだ比喩なのだから、アメリカが広島長崎にした行為を原爆ホロコーストと言うのはそぐわないと思う。

原爆は、当時のアメリカ為政者(軍人)が行った人体実験という面が大きいようだ。数々の理不尽で非人道的な行為が必然的に頻出するのが戦争というものだろう。戦争捕虜や弱者に対して人体実験が、公然と或いは隠微に行われる。エノラゲイを含む3機のB29は一度広島上空を通り過ぎ、警報が解除されるのを見越して引き返し投下したのだ・・と、ある番組で紹介していた。しかも大きな落下傘を浮かばせて広島市民の多くがそれを見上げるように仕向けさえしたという。都市の破壊よりは、人々の抹殺を謀ったのだろう。

戦後に日本側から積極的に提供された原爆被害資料で具体的な殺傷能力を知ったアメリカ軍首脳は、モスクワならどの規模で何発、どこそこは何発と計算できたのだそうだ。戦勝国は敗戦国から資料や技術を根こそぎ奪い取っていく。ナチスドイツで研究された毒ガス兵器資料やジェット戦闘機やロケットの航空技術など。日本からは、731部隊の行ったという人体実験のデータや原爆被害資料など。

731部隊は資料の提供によって戦争犯罪訴追を免れ、その主要メンバーの元軍医たちは戦後医学会の中枢となったとか。生物兵器を研究していた731部隊の石井陸軍軍医中将の右腕と言われた人物が米軍とのコネを利用して日本ブラッドバンクを作り、ミドリ十字となってから薬害エイズ問題を引き起こすことになったという内容がウィキに書いてある。医学医術を極めようとする科学者である前に自己保身術に長けた軍人であったのだろうと思えてくる。

731部隊については、ある人から眉唾モノかも知れないが興味深いことを聞いたことがある。オウム真理教によって松本サリン事件が起こされた後のことだ。戦時中に山下奉文の部隊所属だったS氏は『満州の731部隊に立ち寄った時にサリンの実験を見た』と言った。私は直接いろいろ聞いてみるような間柄ではなかったので、四人掛けのテーブルで興味深々聞いていただけだった。細菌を使っての人体実験をマルタと呼んだ捕虜にやったとされる731部隊が、毒ガスの人体実験(?)もやっていたということになる。残念ながら数年前にS氏は亡くなったので確めることもできない。
  (つづく)

コメント (2)
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