鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

どんぐりの芽生え又は根生え

2009年03月01日 07時04分40秒 | 随筆或いはエッセイ
先日、出張帰りに奈良県橿原市の南端に位置する新沢千塚古墳群へ立ち寄った。初めての道に迷いながらの帰りだったのだが、時間にゆとりがあったので何の予備知識もないまま目についた看板に吸い寄せられた格好で車を停めたのだ。

ぼこぼこと盛り土があるのだが、型崩れ防止用のプラスチックネット状のもので殆んどが覆われている。銘板に書いてあるのを読むと、調査が行われてから復元されたものらしい。600程もある日本有数の大古墳群らしいが、あまり大金を投じての整備はされていない感じ。

柵といったものもないので、墓であった古墳の小山に登り放題だ。古墳時代の200年間程に造られたらしいが、その後は盗掘もされ、調査で発見された残りの遺物(硝子器や陶器や貴金属類)は資料館に展示されているので、もう内容のない外形だけのものとなって公園になっているのだ。

春の行楽には少し早く、ウイークデイでもあったので見物客らしき人間は誰もいなかった。出会ったのは、周回コースをひたすら早足で歩く若い男性ウォーカー1人と、腰の曲っていない老婆が3人真ん中の広場でおしゃべりしていたのと、完全リタイアして悠々年金暮らし風の初老散歩人1人の計5人。

地面にどんぐりが無数に落ちていた。3センチ位もある大きなものだが、すごい量が落ちたままだ。ということは誰に省みられることもない食用に適さないどんぐりなのだろう。どんぐりの親の名は判らない(ネットで調べてもコレと決められなかった)。山鳩がいたけれど、鳩には飲み込めない大きさだ。栗鼠がいてもおかしくない林だけれど、周りの開発ぶりを見れば、かつては居たとしても今はいないだろう。野鼠もいないかもしれない。栗鼠も鼠も駄目なら鴉はどうか。奴らはきっとグルメだから見向きもしないだろう・・・などと勝手な想像をする。

その巨大どんぐりのいくつかが割れて赤い中味を見せていた。何だかセクシーなのである。紅いケダシのようではないか! この状態も芽生えなのだろうが、根生えという方が正確なのではないだろうか? どんぐりは頭の先から根をだして地中に張るのか・・! と初めて認識した。近くには昨年のものと思われるいじけたモノがあった。地上に出ている茎(木なら幹か!)は踏まれて曲りくねり、でもしっかり木の肌をして丈夫そうで先には枯れた双葉がくっ付いていた。芽吹きももうすぐだろう。

周辺の道端ではオオイヌノフグリが可愛らしく群れて咲いていた。デジカメでこれも撮ったが、オオイヌノフグリというのは何故かアップで撮ると冴えない。雄蕊雌蕊のあたりがぼうっとしているのだ。何枚か納得できないまま撮りおえて立ち上がったら、直ぐ近くに大きな犬の糞があった。フグリにクソかい・・! 犬を連れた老若女二人連れがやってきたが、手ぶらだった。このあたりは犬の糞を持ち帰る習慣はないようだ。そのへんが奈良の古墳らしくて良いと変に納得した。

コメント (7)
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