ビジョンマネジメントな生き方

経営学(理論)と経営(実践)の
2つの現場を奔走するビジネス・メンターの独り言

「かんぽの宿」について

2009年02月12日 | 経営、経営学、経営指導
2千数百億円もの資金を投じた全国の「かんぽの宿」が、たった100億円そこそこでオリックス不動産という一私企業に売却されるというのはいかがなものか。これでは、国民が納得しないのではないか。
鳩山という総務大臣が問題提起をし、沈没寸前の自民党丸でひとり点数稼ぎに躍起である。調子に乗ったこの大臣の矛先は、オリックス・グループの最高経営責任者宮内義彦氏に向けられる。小泉行政改革の中で、当時の総合規制改革会議議長であった宮内氏と日本郵政との癒着疑惑に言及し、果ては、(アメリカ金融資本主義の崩壊で諸悪の根源はマネーゲーム化した金融経済であるとの巷の屁理屈を味方につけたかったわけでもあるまいに)オリックス・グループそのものへの批判へと展開する。
一部の客観的事実だけを編集して短時間の報道番組で見せられた人にとっては、「鳩山、よくやった!」となるのであろう。しかし我々は、ことの本質の、もっと根源的な部分に目をやる必要がある。
そもそも、二束三文の価値しかないものを、多額の税金を使って作り続けたのは誰なのか。そういう省庁の大臣を排出し続けたのはどこの政党なのか。この件について、いったい、誰が責任を負ったのか。
「デキレース」というのなら、その当事者である西川という人を民営化初の社長に抜擢したのは誰なのか。都銀の経営者として評価に値する業績を残していない人を、あえて民営化初の社長に登用したことの責任は問われないのか。他にもっとマトモな経営者がいたにもかかわらず、よりにもよってこの方を登用した見識のなさと了見の狭さは批判の対象にならないのか(M銀のM氏を登用しなかっただけマシっていうのはエクスキューズにならない)。
公明正大な入札で決定された取引を反故にして、再度適切な売却処理を行ってから日本郵政の経営者の進退決断を迫るらしいが、その前に、鼎の軽重を問われるべき人がたくさん居るのではないか。せめてマトモなメディアはこういう点に切り込んで欲しいと思う。

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