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ファイナル・デッドブリッジ (3D版)

2011年10月02日 23時00分00秒 | 映画鑑賞(2011)

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<小倉コロナシネマワールド>

 出会い系サイトなどしないけれど、私はどーいうわけかメル友が10人以上いる。会ったこともなく、会う気もないけれど、ちょくちょくメールのやり取りをしている。会わない方が、話の内容が濃くて、心の奥まで話せたりする。また、友達として長く続く気がする。現代は、こうなっているのか。メル友関係は楽しく、一生、会うつもりないけれど、このたび、初めてお会いすることになった。1年ちょっと前に知り合った三十代の、私より一まわり以上年下の若い主婦である。頼もしい旦那さんがいて、子供も3人いらして、円満にやっている。週に2.3通はメールがきて、それに返事をしていた。

 昼前にごそごそと起きて、『ファイナル・デッドブリッジ』と、なにがしかの1本を観に行く予定にしていた。ごそごそ起きると、メール音が鳴った。「いま、車で走ってるのだけれど、旦那も子供もも今日はいなくて、私一人だから会いましょう!」というものだった。彼女は、生まれは沖縄、旦那さんの仕事の関係で、今は博多に住んでいる。「今から映画を観に行こうと支度していたのだけれど・・・。」と返信すると、「じゃあ、映画を一緒に観ましょう。どこに行ったらいい?」・・・映画のタイトルは聞いてこなかった。小倉コロナで何時何分のファイナル・デッドブリッジを観るとメールして、家を出た。メル友と会うのは初めてである。ネームは「あいず」で、本名は知らない。住所も、博多あたりとしかわからない。

 予定の時間にロビーに座り、しばらく待っていると、とても若々しい美人が私を呼ぶ。ありきたりな、そんじょそこらのオバサンだと思っていたので、ギョッとした。あらー!こんな美人と1年以上もメールのやり取りしていたのか・・・。私は、家を出る前に本棚から『アイズ(アメリカ版)』のDVDを抜いてきていた。それを手渡す。ホラー映画は苦手らしいが、これから観る映画もホラーである。次に会うときは、オリジナル香港版を渡すと約束した。持ってはいないが、手には入るだろう。

 美しいあいずさんは、初めて会ったとは思えないくらいに私に気さくに話しかける。1年以上も友達口調だったから、ここで敬語は不自然だろう。サバサバした性格で、話していて気持ちいい。私は機関銃のようによくしゃべる(相手による)けれど、それをうんうん!と聞いてくれる。聞き上手である。滅多に、旦那さんのいない日、3人の子供のいない日はないらしく、貴重な一日なのである。貴重な一日を私につかってもよいのかと思うが、とてもありがたく、うれしい。少しだけ話して、映画を観る。お会いして、館内着席まで15分なかった。長く知り合っている気がした。

 『ファイナル・デッドブリッジ 』は、『ファイナル・デスティネーション5』の邦題である。パート5では、集客を見込めないだろうから、邦題である。最初はびっくりたまげた発想で、とても楽しんだけれど、パート2、パート3に新しい発想はなく、同じことの繰り返しで、どんどん質が落ちてきていた。パート4の『ファイナル・デッドサーキット』なんぞは、楽しませる気がないやろ!?と憤慨した。だから、今作も・・・観るけれど、つまんないシロモノと思っていた。つまんないシロモノとわかっていながら、博多から2時間近く車を走らせて私の横に座っている美人にはとても申し訳ない。そんな思いで、映画ははじまった。

 が、これが・・・パート5とは思えぬほどの楽しい作品になっていた。前作も3Dだけれど、今作の3Dは飛び出すをとても意識している。飛び出してなんぼの遊園地映画なので、それだけで楽しい。シリーズを観ていて、お金をかけているシーンが最初に出るのは知っている。ここが、ウッギャーと叫んでしまうほどの心臓バクバクだが、シリーズで最も時間をかけているのではないだろうか。息つく間もない突っ走り方で、長い。ポスターから、タイトルから、巨大な吊り橋が崩壊してしまうのがわかっているけれど、崩壊のしかたが半端ではない。よくまあ、こんな発想をスタッフに伝えて、映像化できたものだと感心する。橋上での死に方も尋常ではない。曲芸アクション映画は多いけれど、曲芸死に方の連発だ。悪趣味!と言われそうだが、ホラー、スプラッター映画は、そこを楽しむものだから仕方ない。悪趣味ほどよろしい。

 運び方は、前4作品とまったく同じ。同じだが、今作は死に方に凝っている。同じ映画の中で、同じ人が、凝った死に方を2度やる・・・他にはないシリーズである。もうこのシリーズに飽きてきていた私だったが、今回はパート1を観たときのように楽しめた。聞くと、客入りは悪くなっているのに、大金をかけたのだという。儲けたいのか、作りたいのか。中途半端に儲かっているところをみると、作りたいが先をいっているような感じ。次回作も決まっているという。パート4まではどーでもいいが、本作は楽しめるので、ホラーとスプラッターに偏見ない方は観てほしい一本だ。・・・が、映画館ならでは!のタイプではある。

 あいずさんと劇場を後にし、リバーウォークへ。夕食である。私は48のオッサンだが、こんなオッサンでも、二人っきりで男と夕食をするのは珍しいことらしい。家庭がある主婦だから、それは当たり前だが、滅多にない機会だからか、あいずさんもよく喋った。私もよく喋った。映画を語るととまらない。あいずさんは映画をあまり観ていないが、興味はあり、笑顔で聞いてくれる。息と間は、メール内で培ってきたものか、話しに躓くことがなかった。いい女は、主婦である・・・40を過ぎて、そう思うようになった。ろくでもないのも多いけれど、私の目の前の女性は、美しく、頭もよく、話しも聞くのもうまい。

 22時近くになった。彼女は2時間近くかけて博多まで運転しなければならず、自宅に到着する頃は、子供たちも寝ているだろう。次は、こちらから行くと約束して別れる。私は独身で家庭も持たず、遊び人に近い生活をしているけれど、積み重ねてきた彼女には希少な時間だった。いろいろな縛りの生活から解放された日曜日の午後。いい加減な私との映画鑑賞はどーだったろうか。

 12月半ば、私は博多へ出かけた。2回目は『カイジ2』を観た。1は、DVDで観ておくように言っておいた。土曜日の夕方から、日曜日の未明まで。映画を観て、よく話した。約束通り、私から出向いたけれど、約束の『アイズ(香港オリジナル版)』は渡せなかった。もう、DVDでは売っていない。もし次に会うことがあったら渡そう。その前に、家庭を持っているとはいえ、美人に会いたいのだろう。が、やましさは欠片もない。実は、そこが私のいけないところで、結婚できなかった問題の一片である。

 あいずさんのことは、いまだ、本名も住所も知らない。メル友を続けている。次に会う約束はしていない。いつまでもメル友であってほしい一人である。  <85点>


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