今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

修理可能? アグファ・パラマートの巻

2019年09月18日 22時00分00秒 | ブログ

60年代のドイツのハーフカメラですけど、譲られたカメラとのことで、巻き上げが出来ないとのことですが原因を探ります。

 

 

PEN-EEに似たレイアウトです。露出計は元気な動いています。

 

 

過去に何度も分解を受けている巻上げ部です。狭いスペースのため巻上げレバーのリターンスプリングはコイルスプリングを使用していて、巻上げるたびにギシギシと音がします。

 

巻き上げが出来ない原因は「あっここだ」白い樹脂の巻上げギヤの歯が欠けています。無理に巻き上げたのでしょうかね。先日のローライ35方式で修復とも考えましたが、左隣の歯もかなり削れていますので、これはジャンクの部品取りを探してからということで修理断念。最近、3Dプリンターでの複製製作という方法も出て来て、私も興味があるのですが、樹脂の強度などはどんなもんでしょうね。

 

ホットシュー部のモールドに、ドイツ製なのにカタカナ文字に見えるのは目の錯覚? 「X ギヤ」な~んだ。前回分解した人が答えを書いているじゃないの。分解して損した。

 

本体はプラスチックのチープなカメラですけど、何となく雰囲気は良いです。また交換部品を着けて来てください。

 

 

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ジャンク救出のPEN-FVの巻

2019年09月17日 19時20分05秒 | ブログ

このPEN-FV #1220XX (1968/9製)ですが、経験的に一目で素性が良い個体は分かるのです。カメラの◯◯◯◯さんからジャンク救出のようです。たぶん書くこと無いと思います。

 

殆ど使用されなかったきれいな個体です。フリクションの増大でミラーアップで止まります。

 

 

フィルムレールが残念です。フィルムを入れたままで放置されたようです。しかし、腐食がごく浅く問題はありません。

 

 

フィルムレールは軽く磨いて洗浄しました。モルトを貼って組み立てて行きます。

 

 

12万台は改良型のシャッターユニットが使われていてラッキーです。摩耗や緩みを点検して問題ありません。

 

 

前板関係もO/Hをして組み立てます。

 

 

 

全反射ミラーは再使用は可能でしたが、オーナーさんのご希望により新品と交換して組んであります。

 

 

巻上げやシャッターの調子も非常によろしい。全く問題がありません。

 

 

圧板にフィルムレールの腐食が移っていますので軽く研磨しておきます。

 

 

付属の38mmも基本的には悪くはありません。レンズの汚れと絞り羽根の油です。

 

 

しかし、各リングの隙間には汚れがごってりと詰まっていました。一つずつ清掃をして行きます。

 

 

マウントのネジ部は接着併用となっていて、古い接着剤が残っています。このまま再接着をすると精度に悪影響なのでしっかりと落としておきます。

 

 

清掃完了と本体に取付けて終了です。

 

 

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Rollei 35系のメンテナンスの巻

2019年09月15日 19時03分33秒 | ブログ

まだまだ、ローライ35系が続いています。別個体のシャッターとレンズの清掃をしています。

 

 

絞り羽根まで分解をしたところ。絞り羽根は小さく6枚で、すでに癖が付いていてたため、羽根の位置によって作動がスムーズにならない現象がありました。再度組み合わせを変えて良好となりました。

 

レンズの清掃を終えて本体に組み込みます。

 

 

巻上げレバーなどを取り付けます。

 

 

あ~、気がつけば何台分解したのでしょう。35Sはすべて完了しました。

 

 

かなり状態の悪いローライ35です。露出計の針は小さく振れます。可変抵抗を調整すると感度は上がりましたが、可変抵抗に接触不良があるらしく、針の振れが安定しません。古い可変抵抗には起きやすいトラブルですが、現在、代替できる部品があるのか調べてみなければ分かりません。電子部品は時代によって変わりますから、電気屋さんでないと・・

Cdsは感度低下はあっても実用範囲のようです。現在、入手出来る汎用のCdsは種類が限られています。

 

 

ファインダーがかなり汚れていますので分解清掃をします。

 

 

すべて分解をしたところ。

 

 

清掃を終えて本体に組み込みます。あとはレンズです。

 

 

沈胴部よりレンズ・シャッターを分離します。35Sと違って3本のネジを取ると簡単に取り出せます。

 

 

レンズは後玉は残念ながら、すでに下手っぴいが清掃していて傷が多いです。曇りがあってゴシゴシやったのかも知れません。

 

 

基本的に35Sと同様の構造です。

 

 

ついでに気になるのは沈胴部のフェルトが弱ってレンズを下向きにすると重力で降下して来てしまいます。では、沈胴を抜いてみます。摺動部にフェルトが見えますね。

 

 

フェルトを取り出してみると、その下に同じ形状の紙がフェルトの長さの1/3程度ちぎって入っていました。(画像撮り忘れ)当初はフェルト自体を交換と考えていましたが、「下の紙で調整すればいいじゃん」と考えを変えました。

フェルトの寸法は幅3.8mmX長さ93mmで厚みは0.73mmでしたが、すでに摩耗をしているので新品時はもう少し厚いと思われます。入っていた下地の紙も同寸法で厚みは0.1mmでしたが、全周で入れることを考慮して紙厚0.07mmで作りました。

沈胴部は挿入し易くするためにテーパになってるのかと思いましたら残念ながらなっていませんでした。これは挿入に苦労すると思います。

 

 

フェルトをセットして簡単に挿入しようとしてもまず入りません。その程度で入る場合はゆる過ぎるはずです。これはエンジンのピストンをシリンダーに挿入する時に使うスライダーのような工具を作った方が楽に挿入が出来るでしょうね。あるいは、鏡胴にポリエチレン袋を巻いて前側から引っ張ったら良いかもね。いろいろアイディアはあります。ということで、めでたく挿入成功。

 

では、完成したレンズ・シャッターをセットします。

 

 

レンズの自重で降下して来ることがなくなりました。

 

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初期型三光PENの手直しの巻

2019年09月11日 15時57分44秒 | ブログ

少し前にやりました初期型三光PENですが、一部の部品がオリジナルから三光以降の部品と入れ替わっていましたが、オーナーの「遅れて来たペンマニア」さんが執念でオリジナル部品を探してこられました。交換する部品はファインダーと・・

 

シャッターダイヤル(ピント板)です。「COPAL」と「COPAL-X」の違い。

 

 

樹脂製のファインダーは経時劣化で白っぽくなっているのが普通ですが右側が新品当時の状態です。しかし、研磨をしてしまうとピカピカになって乞◯が歯を磨いたようになってしまいますので、今回は古い樹脂の白化や艶の退化を復活させるワックスを使います。

 

 自然な艶が戻って来ました。対物レンズは樹脂製ですが、すでに過去に分解清掃を受けていて傷や接着剤による劣化があるのが残念なところ。清掃をして組み込んで行きます。

 

トップカバーに取り付けた状態。

 

 

製造時期に適合したファインダーになりました。見分け方は初期型は前面ガラスの額縁の部分が角ばっていないのと部分が三光以降の金型はシャッターダイヤルの裏側に段付きがある点ですね。

 

シャッターダイヤルの彫刻もCOPALとなりました。

 

 

これであるべき仕様に戻りました。

 

 

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Rollei 35 Sのメンテナンスの巻(2)

2019年09月09日 20時36分38秒 | ブログ

いやぁ~、夜半の台風15号には参りました。みなさんのお住まい地区は被害はありませんでしたでしょうか? 北海道のINOBOOさんにもお話ししたんですが、関東地方に接近する台風は決まって夜半の来襲なんですね。お陰で寝不足で目が・・

で、ローライ35Sのメンテナンスを続けいます。今回はレンズ清掃をしたいのですが、ローライ35のテッサーと違って分解は容易ではありません。

まずヘリコイドを抜くためにはのシャッターレバーを外さなくてはなりません。しかし、ここのネジは緩み止めが強く、簡単には緩みません。

 

 

で、レンズ部を取り出しました。しかし、金属の固まりのようなしっかりとした作りですね。

 

 

ネジを緩めると後玉とシャッター羽根が現れます。絞りはその下にあります。レンズの清掃をして行きます。

 

 

シャッター羽根は3枚ですね。

 

 

前玉も清掃をして最後にシャッターバネをセットします。

 

 

完成したレンズユニットを鏡胴にセットします。

 

 

シャッター羽根との連動を確認します。

 

 

最後にフィルムレールを取り付けます。

 

 

ファインダーの清掃もしておきますが、この個体も過去に対物レンズを清掃のため、ケースの先端下部を切り取られているようで、両面テープで貼ってありました。

 

すでに、巻上げレバーの当たりが無くなって使われていたため、レバーがトップカバーに直接当たって傷ついていましたので当たりの「ボッチ」を作ろうとしましたが、オリジナルは直径3.5mmで手持ちの材料が無いので3.0mmでリューターで仮に作っておきました。正規寸法の材料を見つけて旋盤で作り直す予定。

まぁ、無いよりはマシということで・・

 

 

 

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