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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ローライフレックス・オリジナルっての巻

2021年01月18日 23時00分00秒 | ブログ

少し間が空きました。PENのO/Hも溜まっているのですが二眼レフを数台まとめてやっていたもので・・。で、ローライフレックスのオリジナルというモデルだそうです。資料本によると1929(昭和4年)とか出ていました。そんなに古いの? アメリカではニューヨーク証券所の大暴落やロンドン海軍軍縮会議で日本は対米比率7割となったり独飛行船ツェッペリン伯号が日本にやって来た年とのことです。流石に古すぎるので直せるのか? という感じです。シャッターは不動、レンズ曇り、レンズボードの繰り出し固着・・

裏蓋は丁番式ではなく取り外し式ですね。赤窓式。

 

 

シャッターはコンパーですのでしっかりしているようですが、シャッター羽根の劣化と固着があります。

 

全速用のバネは全く利いていないです。

 

 

スローガバナーは超音波洗浄と注油で使えると思いますが、シャッターバネが弱っているようで、低速が止まります。

 

ミラーは完全に劣化していて使えません。厚みは実測1.05mm程度です。

 

 

ファインダースクリーン隅に接着剤の痕がありました。内部を探すと水準器が見つかりました。

 

 

ストラップ部のネジが1本脱落しています。規格の合うスリ割りネジの頭を削って体裁を合わせて作ります。

 

塗装をしました。頭の直径が少し小さいですが、まぁ良しとします。

 

 

ファインダースクリーンは、かなり汚れています。

 

 

スクリーンの洗浄後、水準器(オリジナルだそうです)を裏側(マット面)から接着をしました。意外に良く見えますね。

 

シボ革はあちこち剥がれていますので接着をしておきます。

 

 

ミラーは社外のカット品が供給されましたのでそれをセットしました。

 

 

シャッターは同型のシャッーからバネを調達して比較すると全く弱いことが分かりましたので調達したバネを使い快調に作動しています。しかし、T(タイム)でシャッター羽根が閉じない不具合があり点検するとこのレバーが錆びて固着していました。

 

1/300(全速)痔のアシストバネを比較します。右がこの個体のもの。コイル上面が明らかに無理に捻じられていることが分かります。しかし、今回は交換せず、形状の修正で再使用としました。

 

まだまだ調整に時間が掛かりますのでUPはこれで終了します。ファインダーを留めるネジを塗装しましたのでセットしてありません。因みに、ムック本を見ると、このモデルは「ローライフレックス・オリジナル(1929年)」の前年に発売と記載されている「ローライフレックス・初期型(1928年)」の画像と同じに見えますがどうなんでしょうね。流石に戦前のカメラは良く分かりません。どちらにしても、零戦の正式採用は1940年ですから、それ以前に作られた工業製品が現役で動いていることに驚きます。ドイツのダイムラーDB-601エンジンを国産化したハ40が部品の材質不良や冶金技術の未熟により故障が多発したことを思うと、ドイツとの工業技術力の差を感じますねぇ。

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