今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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輸出向けのPEN-Wの巻

2021年01月24日 21時40分00秒 | ブログ

PEN系のオーバーホールが溜まっていますので始めて行きます。「遅れて来たペンマニア」さんは一体何台のPEN-Wを所有されているのだろう? 元箱付きを中心にコレクションされていますが、この個体も元箱付きです。オークションでの入手のようでしたが、この個体は輸出用でft機になります。トップカバーの背面には「PASSEDシール」が剥がされた痕が残っています。

残念ながら元箱以外の取説類は失われていますが英文取説はすでにお持ちのはずです。たぶん北米にあったものと思われてレンズの状態は良い方です。塗装の劣化も国内にあったものよりは良いコンディションですが美品とまでは行きません。ピントリングにft表示が確認出来ます。

過去に分解は受けていますね。カニ目ネジに傷があります。

 

 

また以前に見たような状態ですね。ダストカバーを剥がそうとして剥がせなかった? ようです。

 

 

画像はヘリコイドネジのリングを緩めたところですが、これが例の親の仇のように強く締まっていて難儀しました。

 

リングを強く締め過ぎると地板の部分にクラックが入り易いのです。ご覧のように、コンパクトに設計するため非常に薄く出来ています。

 

では、本体も洗浄後に組み立てていきます。

 

 

トップカバーの上面はきれいですが、指を触れる前後に塗装劣化があるのが残念なところ。ほどほどに使用されたいたということです。

 

対物レンズの裏側1枚が割れていました。交換して接着しました。

 

 

レンズの状態は国内にあった物とは明らかに状態は良いと思います。バルサム劣化(黄変)が少なく、コーティングの劣化も軽微です。画像は分離した直後の状態でコーティングの拭き上げをしていない状態。尚、コーティングは弱っていますのでアルコール系のクリーナーは使用しない方が安全です。

絞りクリックの改善をしてヘリコイドグリスを塗布して組み立てます。

 

 

裏蓋の洗浄と圧板の研磨、モルトの交換をしてあります。巻き戻しダイヤル側にPASSEDシールの痕が残っています。

 

良くチェックをすると吊環の右上に打痕があって、それを裏から叩いて板金をした形跡があります。叩きすぎて吊環右側が膨れています。何もしてくれなかった方がやりようがありましたが・・ファインダーを付けたままで叩いたことで衝撃により対物レンズの割れに繋がったものかも知れません。

塗装やシャッターリングのメッキの状態とレンズのコンデションが明らかに国内物とは違います。しかし、国内にあるものでも、もっと良いコンディションの個体も確認しています。どのような保存をしていたのでしょうね。#1180XX コパルにてシャッター完成 昭和40年3月、 本体完成1965年3月(記載の通り)

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