今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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電池入りの元箱D2の巻

2019年06月18日 12時27分16秒 | ブログ

最近、gooブログが新しくなって、初めてアクセス解析というやつを見たんですよ。すると、過去のアーカイブで見て頂いている上位はなんと腕時計関係なんですね。びっくりしましたよ。カメラのカテゴリーでUPしているのに腕時計が上位とは・・PENファンの方は新しいエントリー以外は見ていないということらしいです。時計分解ファンが増えいることもあるのではと思いますけどね。時計関係のブログ始めようかな・・

で、本題です。遅れて来たペンマニアさんの元箱シリーズ。今回はPEN-D2 #2005XXです。生産量も少ないので現存数も当然少ないわけで、その中で元箱付きとなるとこれは希少です。

5月からって何年のよ。シャッターユニットのコパル生産が昭和40年4月ですから、オリンパスの生産は翌月5月の可能性が高いので1965年(昭和40年)のことですね。たぶん・・通常は入いらない、こういう紙片やシリカゲル、旧ロゴのOlympusが印刷された(↑画像)ビニール袋も貴重です。

 

D2から新しいデザインのレンズキャップになったようですね。取説などは新しいOlympusロゴが使われていて、ちょうど混用されている時期のようです。

 

 

あっ、イヤな予感・・水銀電池が入ったままだよねぇ。

 

 

固着の電池蓋を開けて見ると・・やっぱりね。これ仕事で無ければ触りたくないです。

 

 

D2・D3の電池液漏れ機の電池室分解は非常に困難です。まずスリ割り皿ネジが緩みませんし力を掛けるとスリ割りが壊れます。それでは仕事になりませんから開けますけどね。

 

液漏れによって塗料が侵されているのでアルコールで拭き上げでも溶けてしまいます。

 

 

艶が変わっていますね。艶消しが強いところの塗装はダメです。うちのD2のダイカストに交換した方が良いかもですけど、それではオリジナルでは無くなってしまいます。遅れて来たペンマニアさん。今回は良くなかったですね。

 

シャッターの地板にスが入っています。これはレールを加工したら現れたものです。私はこの部分がこのシャッターの胆だと思っていますので、これを良品として通したコパルの品質基準を疑います。まぁ、実用は無いと判断したのでしょうけど・・

 

その他の部分は疲労の少ないユニットです。

 

 

ヘリコイドグリスを交換してシャッターとドッキングで完成です。

 

 

D系は後玉の曇りが多いのですが、この水銀ガスの中にあったにしては非常に良好ですね。

 

 

細かな部分にメッキの劣化があるのは惜しいです。

 

 

電池液漏れは完全に洗浄しておかなければなりません。洗浄の結果、塗膜が無くなりました。当方に本体のストックはありますが、外観は非常にきれいですので、このまま使用します。では、電池室のリード線から新製していきます。

 

すべて洗浄をした状態。外観はきれいですね。

 

 

殆ど疲労はしていない個体なので組立ははしょります。前面カバーを取り付けてシボ革を貼ります。

 

清掃をしたファインダーとメーターに配線をしてカム板シャッターリングなどを取り付けます。

 

 

昭和40年4月にコパルにてシャッターユニット完成。本体完成は昭和40年6月で、市場で販売されたのが昭和40年8月4日ですね。生産されてから2カ月程度で販売されていたわけです。

 

私のS800Mは昭和43年8月に大阪のディーラーによって登録されています。Mタイプの車台番号はAS800-1005001から始まって、私のはAS800-10055◯◯になります。車の履歴は調べれば分かりますが、カメラでこの個体のように履歴のハッキリとした個体は珍しいですね。ソフトケース(¥800)は別売りで同梱されていなかったということでしょうかね? また、元箱コレクションが充実しましたね。

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