今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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OLYMPUS 35SP が来ましたの巻

2019年03月18日 20時32分09秒 | ブログ

すみません、今月は定期の検診がかち合って外出多忙のため、作業に掛かれていませんので、更新はゆっくり目とさせて頂きますのでよろしくお願いします。あら、光って良く写ってないね。ご常連さんが「タダみたいな価格で入手」をされたとのことです。35SPですね。コンパクト系よりも一回り大きいカメラらしいカメラです。直線を基調とした一連のオリンパスモデルは好印象です。SPはスポット測光が出来るモデルということですね。CDSが中央と周辺の2回路になっていて巻上げ下のSPOTボタンを押すと中央の回路が働くようになっています。現状は取りあえず露出計が不動だけは分かっています。しかし、使用は少なくきれいな個体です。

あら、角に打痕がありますね。修正します。

 

 

もう少しかな? しかし、手前で止めておいた方が良いのです。シリアル№がすごいですよ。

 

オリンパスの場合、電池室の配線設計の問題で、電池が液漏れをすると断線する確率が高いのです。

 

配線が抜けてこないので追加をしてターミナルを介してネジ止めにします。

 

 

露出計は動きだしましたが感度は低いようです。また、レリーズが最後まで復帰しないためにプログラムEEのギロチンが解放とならず正確なEE作動となりません。

 

SPOTボタンがポロッと落ちて来ました。スペースの関係でネジ留めは右側だけの片持ちで、しかもネジ穴がΩに繋がっていないため疲労で折れてしまうのでしょう。組立時は先にネジをねじ込んでおけば、差し込むだけで組立が出来るので組立効率は良いのですが強度はないですね。

 

一連の修復をして、絞りリングのAとシャッターダイヤルのAを合わせるとEE撮影が出来ます。正常に作動しています。

モルト交換をしてあります。こんなところにもモルトが貼られています。内面反射防止でしょうか?

 

 シャッターユニットはセイコー・FLAでしっかりとした作りです。スローガバナーは無段階に変速します。

 

現代のスマホは暗い場所でも豆レンズで良く写りますが、この頃は大口径レンズがアイテムですね。一眼レフの交換レンズを分解しているように大きく重いレンズです。レンズは全体的には良いコンディションですが、後玉のコーティングが曇りやすいようです。

オリンパスのHPによると発売は1969年(昭和44年)となっていますが発売月は不明です。この個体の記録では1969年9月に諏訪工場で生産されたことになっています。同じ諏訪工場で生産されていたPEN-FTでいうと、ちょうど30万台が生産されていた時期にあたります。35シリーズの中では最上位に位置する製品とのことで、他のコンパクトより少し大型でがっちりとした存在感のあるカメラですね。ブラックモデルも存在しますが、クロームモデルも上品で素敵です。

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