今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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HawaiiからのPEN-Wの巻

2018年08月21日 21時26分14秒 | ブログ

喉のイガイガが取れず咳が治まらないので病院に行って来た。結局、抗生物質やら多種の薬を処方されただけ。待合にも同じようにマスクをした患者さんが数人いたので、夏風邪が流行っているようです。で、ハワイにもPENファンの方がいらっしゃいます。今回はPEN-W #1198XX(1965/4 昭和40年4月製造)が来ていました。PEN-Wとしては、ほどほど悪くはない個体と思いますが、これはm表示機ですから日本から流出した個体でしょうかね。

ファインダーの汚れがすごいことになっていますね。シャッターは不調というか正常に作動はしない状態。

 

レンズにもカビが多いですが、クモリは少ないようです。

 

 

コンパクト系のPENのフィルムレールは加工が雑なんですけど、裏蓋をスライドさせて合わせるので余計に傷がつきやすいのです。この個体は腐食もあって残念。

 

 

はじめは接着剤の硬化時間を考慮してファインダーレンズの分解清掃と接着をしておきます。

 

次にシャッターを組み立てます。ほどんど使用されていないシャッターですが、シャッター羽根に錆があります。

 

こんな感じね。今回は清掃で再使用とします。

 

 

シャッターが切れているの分かる? 調子は良好です。

 

 

ては、洗浄した本体を組み立てて行きます。きれいなボディーですね。フィルムレールは修正しておきました。

 

シャッターを本体に組み込んだところで咳が止まらないので今日は止めます。薬効かないじゃん・・

 

 レンズの清掃。この個体の後玉はバルサムの黄変や曇りは少なく良好な方です。カビも清掃が出来ました。

 

 飛ばして完成しています。裏蓋はモルト交換、圧板研磨、開閉鍵のグリス交換をしてあります。

 

たぶん国内用機が海外へ流れた個体でしょう。しかし、遠い外国のハワイから製造国を頼って修理依頼が来たわけですから、メーカーが対応しない現在、日本のリペアマンとしては出来るだけのことをしてあげようと思ったのでした。

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