今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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怪しいハーフミラーのPEN-FTの巻

2017年10月07日 18時39分02秒 | ブログ

今日7日(土曜)はF1の鈴鹿GPの予選(8日決勝)が行われていますが、ホンダファンの願いも叶わず雨はやんでしまったようです。おまけにアロンソのエンジン交換(オイル漏れ)でグリット35降格とか。しかし、ホンダさんは肝心なところで壊れますね。気になったのは、予選Q3で僚友バンドーンが10位にいるのに、最後尾スタートが決まっているアロンソが頑張ってタイムを出して10位に飛び込んで来て、結局、バンドーンを予選敗退に追い込んでしまったことです。ホンダの本拠地、鈴鹿で新人には負けたくなかったのかしら・・まぁ、あまり期待しないで明日の決勝を見ましょうか。

で、旧軍や戦後まもなくの時計に付いていたスタイルのバンドですが、現在は売ってないのですね。上野の中田商店では、クォーツの時計付きで販売していたようですが、現在は品切れ状態。では、以前にカメラケースを作った時のヌメ革の残りで作れないかと思い立ちました。しかし、どうやっても寸法が足りない。まぁ、少し位短くても大丈夫でしょう。本来はコードバンが良いのですが、高価で少量の入手も難しいです。見本のベルトについている当時物の金具も見つけないとね。

では、本題です。PEN-FT(B) #3086XXですが、当初はファインダーが暗いので明るくして欲しいとのご要望でした。PEN-F系のファインダーは、現在の基準からすると確かに明るくはないですけど、かといって明るい暗いは主観にもよりますからね。トップカバーを開けると、分解歴(モルト交換)はありますね。

この個体に付いていたミラーは右側で、左側は純正です。情報窓の部分が抜けていませんね。これは市販のハーフミラーから切り出してセットしてあるものです。これでも使えないことはありませんが、純正の反射率は9:1なので、5:5のハーフミラーを使っているとすると、ファインダー像は暗くなるわけです。しかし、9:1も多少疑問があって、設計者の米谷さんにお聞きしましたが、「9:1です」と言い張っておられましたが、こちらの工場で純正ミラーの反射率を測定したところ、そうかなぁ・・

ハーフミラーの交換に伴う部分の分解以外は手を付けていないようですので、全体のオーバーホールをします。ダイカスト本体の新しいモルトも貼ってあるのですが、剥がしてみると古いモルトが取り除かれていません。これをするかしないかで工数が全然違ってくるのですが、私は手を抜きません。

シャッターユニットは消耗は少ないですね。この状態から分解洗浄をしますが、チャージギヤにはモリブデングリスが塗布されているのが分かりますが、すでに潤滑は利いてていません。

 

テンションシャフトを組みます。ブレーキ軸には少しガタが出ています。

 

 

メカ部は組み上がりました。巻き上げもスムーズで、非常に良い感じです。

 

 

古いモルトを完全に除去洗浄してから新しいモルトを貼った方が気持ちよいでしょ。

 

組み立て完成。メカは非常に良好な個体で巻き上げスムーズ、シャッター快調です。しかし、この頃の露出計としては感度低下が大きかったですね。補正済み。

 

接眼枠に欠けがありますが、交換のご希望はありませんでしたので、そのままとします。

 

途中で規格外のハーフミラーに交換されたのが良くなかったですけど、基本的には良い個体でした。

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