今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

前期型のPEN-FTをO/Hするの巻

2017年05月25日 21時26分28秒 | ブログ

比較的に前期のPEN-FTを2台オーバーホールします。まず、#1650XXですが、セルフボタンが緩んだ状態のままにしておいたため、梨地メッキが傷になっています。トップカバー凹み、露出計は作動しているようです。

 

過去に分解を受けていますね。ハーフミラーはリプロ品と交換されていたようですが、劣化が激しいです。

 

リターンミラーユニットの絞りレバーが完全に復帰せず、途中で止まります。

 

 

トップカバー端が凹んでいます。軽く修正をしておきます。

 

 

シボ革は両面テープで貼られています。

 

 

洗浄をしたシャッターユニット。改良前のユニットですがチャージギヤとギヤ軸の摩耗は少ないです。

 

 

巻上げレバーASSYの分解。スチールボールにグリスを塗布して組み立てます。

 

 

リターンミラーユニットも改良前のバネの弱いタイプですが、作動抵抗が大きくなっていました。また、前回の組立に不具合があって、それによって絞りレバーの復帰不良がありました。

 

ハーフミラーは新品と交換します。

 

 

この頃の個体としては露出計は比較的安定した作動をしています。前期型特有の滑らかな巻き上げフィーリングで作動は快調です。

 

2台目のFTは#2183XXと中期に掛かる頃の個体。点検すると裏蓋ラッチの飛越があります。これは巻き戻しの軸受の上下作動が重くなって、無理に締めると裏蓋側のラッチが変形して飛び越すようになってしまうもの。

 

こちらの方が生産は後なのに、プリズムのコーティングが痛んでいます。保管環境がいかに影響するかということですね。

 

では、本体を洗浄して組み立てて行きます。まず、電池室のリード線が腐食していますので、新しく半田付けをしておきます。

 

中期の個体としては、チャージギヤと軸の摩耗は少ない方です。

 

 

今日は久しぶりに新宿に行ってましたよ。相変わらず外国人観光客でにぎわっていますね。ヨドバシの時計売り場は店員の数の方が多く、目当ての復刻ダイバーなどは見つけられませんでした。中古カメラ屋さんをチェックしてみましたが、相変わらず、熱心なファンはいらっしゃいますね。ちょっと安心。PENの相場も安定していました。

新しいPEN-Fを触って来ました。手に馴染んだホールド感が自然で良い感じですね。マグネシウム製のトップカバーとアルミ削り出しのダイヤルかぁ。PEN-Fとバルナックを合わせたようなデザインですね。しかし、本当に「一生愛せる」のでしょうか? 余裕があれば一台欲しいところですがね。

帰って2台目のPEN-FTの組立を急ぎます。特には問題はありませんが、やはりプリズムのコーティングは無傷とはいきませんでした。

 

露出計は作動状態としてあります。これから露出計の感度調整やピント調整を行います。

 

セルフタイマーユニットは改良型になっている頃ですね。しかし、レバーが水平になりませんね。普通の劣化は「おじぎ」ですから、レバーの付け替え? とも思いましたが、ストッパーまで作動していないことが原因と分かりました。

 

調整が良くないユニットです。ピンセット先が巻上げたレバーを固定(保持)するための突起片ですが、レバーとの関連性が上手く行かずにレバーが固定されない時があります。

 

そもそも、ワンウェイクラッチのガタが大きすぎて、固定されずに「スルスルッ」っとレバーが戻ります。(左は正常なクラッチのクリアランス)調整でバランスさせるしかないですね。

 

付属の20mmは問題なしとして今回は未着手。本体に装着して作動を確認します。

 

新しいデジカメの名前は本当にPEN-Fと言うのですね。結局はペンFデザインで、米谷さんの工業デザイナーとしての才能に改めて納得しています。多機能のために、ダイヤルが多くなって、シンプルな元デザインがスポイル気味は仕方のないとろでしょうか。シルバーとブラック。意外にシルバーモデルの方が存在感がありましたね。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/