今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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またまた来ましたPEN-FT三兄弟(2)

2012年03月20日 22時37分06秒 | インポート

Dscf101478 muraakiさんからまた3台のFTが来ています。新しくPENの世界に入られる新人さんに供給するのが目的です。13万代の比較的初期の個体が1台と30万代が2台ですが、手馴れた選択眼で、巻上げがぎこちないのを除けば、作動は特に問題は無いと思います。では、1台づつUPしますと長くなりますので、問題があったところのみをレポートしましょう。まず、13万台の個体ですが、まず気が付くのは巻き戻しダイヤルのノブが違いますね。この頃はFなどと同じローレットタイプが正規です。樽型の中期以降の部品に交換された理由はなんでしょう? リターンミラー横の遮光クロスが剥離ぎみですね。その他、ピントの再調整などを受けていますから、部品の入れ替えなどが有ったのかも知れません。

Dscf100954_2 すみません、UPに時間が空きました。退院した翌日から風邪の症状となりまして、1週間近く寝ておりました。病院で風邪を貰って来たようです。そこで、どこまでやったっけな? 本体はシャッターなどはすでに完成させておりました。初期型特有のテンションの弱さで、巻上げは頼りないぐらい軽くスムーズです。前板関係をやります。プリズムなど全て分解して行きますが、遮光クロスの剥がれを見ていると・・うん? リターンミラーがグラグラするぞ。蝶番の上下のガタも大きいですね。

Dscf1010941 裏側です。遮光クロスを剥離して点検すると、リターンミラーのピボットネジ↑に緩みがあって、ご覧のようにリターンミラーが偏心して動いてみます。これで、ファインダーのピント調整を受けていたわけが分かりました。ここまで分解して点検している修理はあまり見ませんが、ここまでやらなければ発見できない重大な不具合もあるのです。ですから、工数が掛かっても手を抜かずに作業をします。

Dscf101175_2 新しいペンファンの方への供給用ですから、完全を追及するあまり、あまりコスト高にすることも出来ません。接眼アイピースの左角に欠けがありますが、このまま再使用とします。ハーフミラーですが、画像は曇った状態のものを清掃したところ。組み込んでみましたが、反射率の低下でファインダーが暗めとなりますね。このままでも使用は出来ますが、悩んだ挙句に新品を使用することとしました。