今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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OLYMPUS WIDE-Sのメンテナンス

2011年08月21日 19時10分42秒 | インポート

Dscf2858751 ちよっと中途半端なので時計を進めています。欠落していたハック用のバネはジャンクのLM(ロードーマチック)から調達してみれば何のことは無い→のバネで、ゼムクリップの半方のような形。これならφ0.1のステンレスバネ材を使って5分で自作出来ましたね。リューズの引き抜きによって、右に見えるハックレバーを押して、画像ではセットしていないテンワと接触させて停止させる構造ですね。56系のユニットは小径薄型に設計されているため、各歯車が非常に薄く出来ており「これで持つのかいな?」と心配になりますね。日曜送りギヤ以外は持った訳ですけど、この個体は自動巻きの伝え歯車の磨耗が目立ちました。

Dscf285887 一応キャリバーの組立は終了しましたので、カレンダーを組み込んでから文字板を取り付けます。剣(針)はカレンダーが12時を超えた時に切り替わる位置に調整して取り付けます。風防ガラスは純正が入手出来ましたのできれいですが、文字板の劣化が目立ちます。これを自分の手で再生出来ないのはちょっと残念なところ。針とインデックスには曇りが発生していますので、せっせと研磨をしてあります。リューズのOリングは手配中です。8振動とはいえ、普段見慣れているロービートの5振動と比較すれば秒針の動きがスムーズです。同じ機械を採用のグランドセイコーは10振動になります。画像で分かりますでしょうかね?針が何度も抜き差しされて特に秒針がヨレッとしていますね。複製品の出ていますが、現行のグランドセイコーのようにブルゥに塗っちゃおうかな・・・

Dscf285467で、カメラの方ですがPEN関係はご指示が決まりませんので掛かれないのでOLYMPUS WIDE-Sのメンテナンスをしておきます。ファインダーの清掃ご依頼ですが、対物レンズがコンパクトPENと同じ2枚重ねになっていまして、これが接着が強固で分離が出来ない。無理をすると割れちゃうからね。画像では見にくいですが、中間の菌糸上のカビがあります。これをなんとか清掃するわけです。

Dscf285615 ハーフミラーにも多少の剥離はありますが、まぁ、年代を考えればきれいな方でしょう。メッキを傷めないように慎重に清掃して行きます。

Dscf285752 トップカバーの巻上げレバー下部分が不自然にへこんでいましたので平面に修正をして、いざ組んでみましたら、あれ~、レバーがトップカバーと接触しますね。あぁ、それでへこませてあったんだぁ。巻上げ軸には磨耗により上下のガタと倒れもあって設計どうりには回転しないのです。また、へこますわけにも行きませんので、巻上げ軸に角ワッシャーを自作して入れることでクリアランスを確保してあります。

Dscf285285 フィルム装填時に20枚を超えると巻上げが引っかかり巻上げが出来ないとのことですので、リンケージを点検します。すでに軸の磨耗がありますから、フィルムの負荷が大きくなるとスムーズに作動さなくなるのでしょう。潤滑もカラカラの状態でした。シャッターとの連動をさせるためのバネが折れていましたので、自作により交換してあります。