今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ちょっとブレイク オリエント・ラッキーカレンダー

2011年03月26日 12時42分25秒 | インポート

Dscf235798 最近は計画停電などで作業が遅れ気味ですので、O/Hをしたい時計も溜まっています。週末でしたので深夜に1台だけやらせて頂きました。

オリエントの普及機ラッキーカレンダー17石(1960年ごろ)という機械ですれど、香箱の角穴車を留めるビスと裏押さえが折れていて作業が止まっていました。で、やっとジャンクを調達しましたので分解してみると、ビスは問題ありませんでしたが、裏押さえはこちらも折れていました。残念、ここは弱いんですね。まぁ、無くても作動には支障は無いので組んで行きます。

Dscf235842 これが調達したビスです。セイコーではこの部分は正ネジで隣りの小さい方のビスは逆ネジなんですが、この機械は両方逆ネジでした。過去に分解した人が緩めようと締め込んでネジが弱っていたのでしょう。香箱に入ったままの折れたネジは幸い取り出すことが出来ましたので、香箱(ゼンマイ)はオリジナルを使います。

Dscf235936 あとはいつもと同じ作業で組みましたが、この機械はカレンダーが装備されています。1960年ぐらいからなんですね。(防水はまだです)機構は3時の位置の歯車(隣りはアイドラー)により24時間で1回転をして爪により外周のカレンダーリングを進めています。この頃には疲労で目が利かなくなって良く見えていません。

Dscf236051 オリジナルの針(剣)はインデックスと同じ銀色ですが、ちょっと洒落てジャンクの金めっきのものを使います。しかし、過去にかなり乱暴に扱われたために曲がっています。曲がりの修正と研磨をして取り付けます。この時、カレンダー付ですから、針が12時に来た時に日付が変わるように同調させなければなりません。

Dscf236215 露出オーバーでハッキリしませんが、針が金なのでちょっと華やかになりました。風防はカレンダー窓が丸なのが特徴ですけど、ちょっと気に入っています。しかし、クラックがありますので交換をしたいところですが、オリジナルを見つけるのは難しいでしょうね。バンドは当時のオリエント純正新品で、尾錠にはORIENTの文字が入っています。セイコー、シチズンに次ぐシェアのメーカーでしたので、出てくれば価格は安めなんですが、玉数は少ないのです。私はこういうランクの製品が性に合っているのです。