意志薄弱な俺

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初ブルベ参加 BRM1006道志みち200

2012年10月10日 | 自転車漕ぎ漕ぎ
10月6日、人生初のブルベに参加してきました。

『つれー、昨日実質1時間しか寝てないからつらいわー』とは地獄のミサワの名言ですが、ホントそんな感じ。ワクワクやらドキドキやら暴走しすぎて全く眠れません。仕方ないので落ち着いて体力回復に努めます。横になるだけでも体は休まってるって保健体育の授業で言ってた!


午前4時出発。最近、日の出は遅くなるのに、出発時間はだんだん早くなってる


ルートラボでは1時間40分掛かるというので、余裕を持って2時間かける。でも自宅から集合場所の今野製作所までは境川CR一本で行けてしまうので、誰よりも早く着いてしまうのでした。


ケルビムに一番乗り。と思いきや、スタッフの方が一人先着しておられました。


少し早すぎたので近くのコンビニでトイレ&補給食ゲット。戻ってくるとちょうどスタッフの方々が到着していました。チャーハンさんともお会いできたのでご挨拶。
そこからの展開の早いこと。出走サインをし、公園へと移動します。勝手が分からず危うくブルベカードを貰わずに行くところを、チャーハンさんに助けて頂きました。

公園では受付を終えた参加者が続々と集まります。大半はジャージにレーパンのローディーですが、中にはジーパンで走る方やオートバイにしか見えない自転車で走る方まで様々……これがブルベか。

僕は公園入り口にて待機していたのですが、近くにいたスタッフの打ち合わせが耳に飛び込んでくる。それによると、本日のレギュレーションでは前照灯2本必要とのこと。2灯を推奨されていたのは知っていましたが、昼間のブルベなので問題は……と甘く考えていた僕の完全なるミス。血の気がサーッと引いていきます。
スタッフさんに泣きついてレギュレーションを変えて貰う策も練ってみましたが、世界は自分を中心に回っていないと最近気付いたことですし、無理でしょう。やむなく失礼を承知でチャーハンさんにライトをお借りしました。本当にありがとうございました。


我が愛車を組んでくれたあの男が登場。『ボーイ、バイクの調子はどうだい?』


我が身の至らなさに恐縮しきっていると、後ろから声を掛けられます。声の主は春さん。差し入れとして話題の“shotz”を持ってきてくれました。うまそうなパッケージなのですが、『眠くなったら食べるといいですよ』だって。え、それってどういうこと?
せっかく見送りに来て下さった春さんには、ブリーフィングまでのわずかな時間に緊張を解すための話し相手になって頂きます。ブルベカードの貰い忘れやライトの件を話すと一言。『チャーハンさん居なかったら今日終わってましたね』はっ、まさにおっしゃるとおりで!


さて、ブリーフィングを終え車検を受けると、ハイもう出走。心の準備が全く出来ていないんですが、『チャーハンさんもう行っちゃったよー』と春さんも言ってるし、ままよ!と飛び出していきました。これはあれだな、バンジージャンプの台に立ったときの心境に似ているな。
最初の信号で春さんにお礼を言い別れ、いよいよ初ブルベの始まりです。心臓はめっさドキドキ。


スタートから町田街道に乗ってしばらくは一人旅。スタート順位は早いが巡航速度が遅いので、後ろにどんどん人が溜まっていくのを感じる(笑)車通りが落ち着いたところでポンポンとパスされます。
追い抜きラッシュがひとしきり終わったところで、並びがほぼ固定。適度なバラケ具合で
進みます。


高まる緊張感。そしてワクワク感。


大垂水を越えて雛鶴峠に差し掛かる辺りまでは、ORCAのお姉さんにくっついて走る。チャーハンさんによると、この方は北海道パラダイス1500kmの完走者らしい。すんげえ人がごろごろ身近を走るのもブルベの魅力ですね。
大垂水は知らぬ間に終わっていて、相模湖を越えた辺りでいよいよ山岳ブルベっぽくなってきます。


あーこれこれ。この看板イヤな登りには高確率であるよなー


雛鶴峠、名前は可愛いけどかわいくない峠。およそおよそ15kmくらいですかね?登りが続きます。5つあるうちの二つ目の峠ですが、力をセーブしてきた甲斐もあり、まだ戦える。このあたりで他の参加者とはバラケ始めたような気がします。
前後に人が居ない、これはソロで走っているとなんとも感じませんが、僕はもうみんなで走るブルベの一体感を垣間見てしまった。そのため不安感が半端ではないです。
ブルベの参加規則には“自己完結できる大人のランドヌールであること”という但し書きがあったような気がしますが、それでいうと僕はもう色々と失格なのではないでしょうかね(笑)

雛鶴峠をクリアすると、リニア新幹線の実験線のための工事車両がうようよしています。せっかくトラックに道を譲って頂いたのにダウンヒルが遅く、また抜き返されたりなんかしているうちに、無事PC1に到着。10時5分の事でした。


『道中は一人、PCではみんないる』とはチャーハンさんの言ですが、まさに。


雛鶴峠を下る最中にお腹が減ってきていたので、PC1ではフライドチキンを頬張る。誰もが予想出来る結果ですが、脂ギトギトのチキンのせいでこの後苦しめられます。
余談ですが、チキンを食べている最中に到着した方のホイールハブがGOKISOでした。すんごい装備を生で見られるのもブルベの魅力。

光り輝く道坂峠。数十分後、牙を剥く。


後半でダレる事を予想していたため、PC1での休憩は10分ほどにし、おそらく四天王最強であろう道坂峠を目指します。
これがまたエグイ登り。僕はあまりにも辛いと脳が記憶をシャットアウトするのか、あまり良く覚えてないんですが、つづら折りの連続で急激に高度を上げられたような気がします。さらにカーブの最中で車が来て、最も勾配のきついインを登らされたりと、なんだかんだ痛めつけられました。けっこう開けた峠で景色は良かったはずなのですが、それを眺めながら気持ちよく登る余裕はまだないんだなぁ。

さて、話は少し戻るのですが、雛鶴峠を登っているときから、時折はるか前方にオートバイが走っているのが見えました。一瞬だけチラリと見えて視界から消えるのですが、同じオートバイを度々目撃するのでどうもおかしい。さすがに怖くなってきます。道坂峠に入っても目撃談は続くので、ここは山深いから超自然的な何かが……と怯えながら頂上に着くと、謎が全て解けました。


この方、皆に写真を撮られてました。


道坂峠の頂上にはシークレットPCがあったのですが、そこでこの方に追いつきました。このバイク、重量はロードバイクの2倍以上あるかもとのこと。色々とちょっとおかしいバイクwを生で見られるのもブルベの魅力。

道坂を下ると、いよいよ勝手知ったる道志みち。道の駅どうしは華麗にスルーし、山伏峠へと向かいます。わずか一週間前に登ったからでしょうか、個人的にはこの峠はそれほど
嫌いではありません。淡々と登り、長い直線は見なかったことにして乗り切り、カーブを抜けて頂上のトンネルへ。ここでも時間を稼ぐため一気に下ります。

PC2に到着したのは12時45分。PC直前で後ろに着いた他の参加者と『もうすぐですかね?』『あれがそうですよ!』なんてやりとりが超楽しい。高まる一体感。
PC2に併設されている無料休憩所で吉田うどんを食べながら、参加者の方と談笑。スタッフさんも同席し、いろいろ楽しいお話を聞かせて頂きました。
ツイッターをチェックすると、この時点でチャーハンさんからは30分ほどのビハインド。ライトをお返ししなくてはならないため、あまりゆっくりはしていられません。腹ごしらえを済ませ、すぐに出発。

山中湖をぐるり一周し、山伏峠の登り返し。この時点で時間は13時20分過ぎ。PC2のクローズは13時52分なため、感覚的にあまり貯金が出来ていないんじゃないかと焦り始めます。下りは苦手ですが、稼げるところでは稼いでおこうとノンストップで道志みちを駆け抜けることに。途中、走り屋と思われる2輪と4輪の事故現場を目撃し気を引き締め直したりして、宮ヶ瀬への分岐へと向かいます。
しかし長ーい道志みち、途中水分補給のためコンビニに立ち寄ったりしましたが、誰とも出会いません。60名近く参加者がいるはずで、スタート時間もそれほど違わないのに、さすがに200kmともなるとバラけるものなんだなと、不思議な感覚でした。

鳥屋の登りでほぼ最後の力を使い果たし宮ヶ瀬湖に出ると、PC3まではホントもう、豪快な下り。皆さん仰ってましたが、PC3からは折り返しなので、この下り坂をまた登るのは心底げんなりします。
と、憂鬱な気分で下りの左カーブに差し掛かったときでした。ホントに突然。下から登ってきたトラックがこちらの車線にはみ出してきて、っていうか逆走していると言った方が近いですか。おそらくカーブをショートカットのつもりで内側に切り込んできたのでしょうが、突然目の前に迫ってきました。お互いそんなにスピードが出ていたわけではないのでしょうが、なんせ出会い頭。両者の距離はあっという間に数メートル。あわや正面衝突というところで運転手がこちらに気付き、大きくハンドルを切って回避していきました。
僕はと言うと人間あまりにも突然の出来事には対処できないもので、しばらく平常心で走った後、急激な恐怖の波がどどーっと。
トラック運転手への恨み辛みは既に書き散らかしたことがあるのであまり多くは言いませんが、反対車線逆走って頭おかしいんですか。完全に殺人未遂だぞ。後ろを走っていた乗用車が通報してくれることを願います。


ここへきて、頂いたshotzを補給。お味の方は……。


『こわ、こわっ!』とうわごとのように呟きながらPC3に到着。レシートタイムは15時53分。ここで“クーリッシュ ストロベリーヨーグルト”とレッドブル、そして春さんに貰ったエナジージェルを補給。クーリッシュは先日の山中湖アタックで食べた以来すっかりハマってしまい、テッパンのお味。レッドブルも体に染み渡る。エナジージェル(ワイルドベリー味)はというと……ん、なんだこれ?ほどよく背中で暖められたソレは、ベリーの酸味など少しも感じさせないドロドロの甘さ。『眠くなったら食べると良い』とはこういうことか……と一人納得。
PCでの休憩中、隣で休んでいたオダックス千葉ジャージの方が僕のバイクに興味を持ってくれたようで、シマニョーロについて話しかけられます。二言三言言葉を交わしてから、先ほどのトラックの危険運転について情報開示をし(僕の一方的な愚痴ともいう)出発。後ほどこの方とは一緒にゴールすることになります。


もう夕方。いよいよ終盤戦の体をなしてきた。


PC3からの登り返しで土山峠を登ると、先ほどまでの景色とは一変、夕暮れとなっていました。太陽も沈みかけていて、赤い光線が低い位置から照らします。
ここは折り返しなので当然他の参加者の方と多くすれ違うのですが、終盤なのでやっぱりみんな苦しいんですよね。少し疲れた顔をしているのですが、そうした方たちがこちらに気付いてスッと手を挙げて挨拶してくれる。そこへ西日がパアッと差して、やばい、すんごいドラマチック。なんという一体感。こちらも挨拶を返し、あまりの感動に目頭を押さえながら宮ヶ瀬湖畔をクルージング。


空も終盤感を醸し出すようになったか……。


この日は昼間は日差しが暑かったのですが、夕方ともなるとだんだん寒くなってきます。遠くの方には今年最後と思われる積乱雲なんかも見えます。ブルベの終わりかけやら寒さによる夏の終わり感やら、みんなが寄ってたかって僕を寂しくさせにかかる。いやだー。

宮ヶ瀬の高速トンネル区間を抜けると、残す登りはオギノパン前のみ。ここで全力を使い登っていると、もはや右脚の裏側、ハムストリングスからふくらはぎにかけて常時攣っているような痛みが走ります。誤魔化し誤魔化し登坂車線をクリアすると、前方に二人の参加者が見え、ペースメーカーにさせて貰うことにしました。
余談ですが、この二人組の後ろの方はフルカーボンサドルを使用していました。痛くないんですか?と聞くと、『パッド入ってますからねえアハハ』なんて仰ってました。これで200km走る強者……どうやら僕の常識は通用しないよう。


いよいよゴールまでラストスパート!


ライトの調子が悪く電池交換をしていると、先ほどのお二人には置いて行かれてしまいました。後ろからPC3で話しかけて頂いたオダックス千葉ジャージの方がいらしたので、後を着いていきます。
長ーい市街地を抜け淵野辺駅を越えると、いよいよ町田ケルビム。すっかり暗くなった中で、ゴール地点では暖かい温度の白熱灯と皆さんの笑い声で迎えていただきました。


ゴール地点は独特の雰囲気。朝とは違う。


なんでしょうね、朝の受付時は緊張していてアウェー感しかなかったのですが、ゴール時は全く違った印象でした。これがブルベかぁ、出走前と完走後ではこんなに感じ方が違うのかぁと、ゴールのサインをしながら一人感動でプルプル。写真を撮られていましたが、変な顔をしていたと思います。
ちなみにブルベ参加は初めてだと言うと、予想外にチヤホヤしてくれます。ものすごいモテモテ感で、人生に3回あるというモテ期の一回はここでしょうね。次回も初めてですって言っちゃおうかなと。

ゴール手続きの後、お待たせしていたチャーハンさんに無事ライトをお返ししました。チャーハンさんはさすがに僕より随分前にゴールしていて、すでにまったりムード。本当にありがとうございました。
その後初参加者として、ちょっとしたインタビューなんかも受けたりして、しどろもどろで受け答え。隣ではチャーハンさんがもうちょっと上手いこと言えないのかという目で見ておりましたw

認定タイム10時間47分、初めてのブルベを無事完走出来ました。集合地点までの往復を入れると走行距離252km、獲得標高は3300m。これはもちろん今まで走ったどのライドよりも記録更新ですが、不思議と辛くはなく、走っている最中も楽しさでいっぱいでした。

ライトをお借りしたことや手続きなど諸々助けて頂いたチャーハンさん、わざわざ見送りに来て頂き、その上差し入れまで下さった春さん、どうもありがとうございました。
AJ西東京のスタッフの皆様、スムーズで配慮ある運営をしていただきありがとうございました。途中途中でお話もさせて頂きましたが、皆さん気さくで、本当に自転車好きの集まりなんだなと実感出来ました。
参加者の皆様、勝手に一体感を感じてしまいましたが、きっとみなさん同じ思いだったはず……と、またひとり感動しております。苦しみ楽しみを分かち合え、素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。
ツイッターやブログで応援して頂いた皆様、ありがとうございました。こちらでも一人じゃ無い感を実感出来て、力になりました。

なんだか壮大すぎてオリンピック級の謝辞みたいになってしまいましたがw私個人としては本当にそう感じております。こりゃあ一生モンになっちまったぞぉ……。
あ、メダルはもちろん申請しました。いつ届くのか楽しみ。



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6 コメント

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はじめてだったんですね。 (kaol_supple)
2012-10-10 07:36:37
たしかにいろいろな意味で今回の記載。自分の最初の頃よりも楽しそうにできているなあって思っちゃいました。
最近のほうが知り合いが多くなったのでこれまたたのしいです。
楽しみ方はいろいろだからな。また、ご一緒できるといいですね。
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Unknown (ポジ)
2012-10-10 20:00:36
初ブルベ完走おめでとうございます!

いやぁ楽しそうですねぇ
文章から伝わってきますよ

ボクもブルベに出たいって気持ちが
ますます大きくなってくるような
影響力がある記事でした

打倒に燃えて、お義父さん(笑)も
トレーニングに励んでるみたいですから
Tomさんも頑張ってくださいね
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Unknown (tom)
2012-10-10 21:27:30
>kaol_suppleさん
本当にもう、楽しかったです。人生こういう成功体験(?)がないとなぁなんて事まで考えてしまうくらいです。
何度も参加していくと顔見知りが出来たりして、また違った刺激がありそうですね。羨ましい限りです。

>ポジさん
ありがとうございます!僕の書いた物でどなたかがブルベに出たいと思って頂けるなら、こんなに幸せなことはないんじゃないでしょうか。
大勢の同志がいるのがこんなに楽しい事だとは知りませんでした。走れば分かる、と言うことで、出走を強くオススメします!
今回で少し自信が付いたので、お義父さまと呼べるよう頑張りますw
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Unknown (プチデビル)
2012-10-10 21:40:46
ブルべデビューおめでとう!!

出走前の緊張感、完走後の充実感、俺も味わいてぇ…
来年は必ずブルべデビューします。
どこかでご一緒しましょう。

でも、まずは11/10のヤビツ
リベンジさせてもらいまっせ!!
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Unknown (mbo-)
2012-10-10 23:52:57
ブルべにまで参加するようになるとは…
少し前のtomさんから考えてもみなかったですよ

文章も長文でブルべ級ですね
十分その日の出来事が伝わってきました。
お疲れさまです。
でも、ブルべでそんなに疲れなかったのはすごいです。

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Unknown (tom)
2012-10-12 01:54:43
>プチデビルさん
応援ありがとうございました。ツイッターでのご声援が道中どれだけ力になったことか……!
初体験の緊張感、達成感、全てが新鮮でたまらなく良いもんですよ。想像していたより何倍も充実感がありました。
デビさんはそれこそ1年でSRいけそうですねw応援してます!

>mbo-さん
mbo-さんには僕が自転車に乗り始めた頃からブログを読んで頂いているので、特に感慨深かった事でしょう……なんてw
でも自分でも随分成長を感じます。もちろん上を見ればまだまだなのでしょうが、始めた頃からは考えられないくらいには来たかな?と。
でもさすがにブルベは疲れましたよ。辛く感じなかっただけであって、疲れは未だにあります(笑)
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