明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1840)核のアンソロジー 二つの7月16日に ともしびをつないで

2020年07月09日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200709 23:30)

二つの7月16日に

7月16日はアメリカで二つの大きなことがあった日です。
一つは1945年7月16日、ニューメキシコ州のソコロとアラゴモードに挟まれた米軍射爆場でトリニティと名付けられた人類初の核実験が行われたのでした。使われたのはプルトニウムで作られた原爆。長崎に投下するための実験でした。

もう一つは1979年7月16日、同じくニューメキシコ州の同じくナバホネーションの中のニューメキシコ州側にあったウラン精錬工場で、ウラン鉱滓(スラグ)や強酸の薬剤などが入り混じった汚染水ダムが決壊し、プエルコ川に大量流出する事故が起こったのでした。
どちらも周辺住民に甚大な被害を及ぼしました。とりわけトリニティ核実験では、後にガンなどになって犠牲になられた方もたくさんいました。

昨年(2019年)、ともにこの地を訪れた3人(田中康予・玉山ともよ・守田敏也)が、この日の意味・その場に立ち会った思いを、被害を受けた方たちへ祈りを込めてプレゼンします。
本年の7月16日午後9時から10時半まで。なお田中康予さんはニューヨークからの参加。ニューヨーク時間では16日午前8時からです。
zoomを使ってのオンラインイベントです。ぜひご参加ください!

Facebookのイベントページもお知らせしておきます。
https://www.facebook.com/events/661459151104835/

なお二つの7月16日について、もっと詳しいことを以下の記事に書きましたのでご覧ください。

明日に向けて(1836)2つの7.16=トリニティ核実験・チャーチロックウラン鉱滓(スラグ)汚染水漏れ事故の日にむけて
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3713eae362bef0b35fd7cef46fd37e42


プレゼンテ―タ―をご案内します!

お話させていただく3人のプロフィールをご紹介します。

田中康予
1994年からニューヨーク在住。ソーシャル・プラクティス・アーティストとして、自己変革や社会・環境問題をテーマとした作品制作と教育プロジェクトを行っている。栃木県北の地元が核廃棄物最終処分場の候補となり、311以降、核問題を独自にリサーチし、ジャーナリズムとアクティビズムを取り入れた表現活動を展開。https://yasuyoart.blogspot.com/

玉山ともよ
1997‐2000ユタ州立大学でDr.Barre Toelkenに師事、民俗学で修士取得後、2004‐2013年まで総合研究大学院大学文化科学研究科比較文化学専攻博士課程在籍、単位取得退学。米国南西部先住民保留地等でのウラン鉱山再開発、放射性廃棄物処理問題を研究。現在、兵庫県丹波篠山市で有機農業に従事。

守田敏也
京都市在住。同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローを経て、ジャーナリストとして活動中。福島原発事故以降は、原発問題や放射線の脅威から人々を守る活動を軸に、社会問題全般にわたっての取材・執筆・講演を続けている。海外にも出向き、世界各地で核の問題を向き合う人々や、ヒバクシャとの連携を深めている。https://www.toshikyoto.com

ちらしにそれぞれのプレゼンの内容紹介もあります。ご覧ください。


参加方法です

参加はzoomにてお願いします。申し訳ないですが視聴のみの参加となります。少し前からアクセスしてください。なおマイクは必ずミュートにされてください。
https://us02web.zoom.us/j/82812513276 
ID: 828 1251 3276
なおYouTubeの利用も検討中です。

参加費は無料です。


アラゴモードでのトリニティ実験犠牲者を追悼するビジルに参加して
家族の中の犠牲者の写真を貼りだした地元の女性とともに 田中康予さん撮影


京都「被爆二世三世の会」の街頭行動もあります!

この日は午後6時から、この二つの7月16日に際し、それぞれの被害者・ヒバクシャとの連帯を目指し、京都「被爆二世三世の会」の街頭行動も行なわれます。僕が属する団体です。
二つの7月16日を示したパネルや横断幕を出し、チラシを配り、ヒバクシャ国際署名への協力を訴えます。
京都市の三条河原町路上にて。午後6時から7時までです。この様子も撮影してオンラインイベントでも流します。
京都にお近くの方は、ぜひ街頭行動にもご参加下さい。

核なき未来をめざして、ともに歩みましょう!


2019年7月16日の事故から40年を迎えての抗議行動 守田撮影

#トリニティ核実験 #チャーチロック汚染水漏れ事故 #原爆 #ウラン精錬工場 #ニューメキシコ #ナバホ

*****

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明日に向けて(1839)豪雨が東に移動中。岐阜で飛騨川が氾濫。今後、東海・関東・甲信越・東北で被害の可能性が

2020年07月08日 10時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200708 10:00)

岐阜・長野に大雨特別警報発令 河川が各地で氾濫危険水位に

7月4日から始まり、九州に甚大な被害をもたらした大雨が、東に移動中です。
すでに8日(水)6時30分、岐阜県の東濃、中濃、飛騨地方に大雨特別警報が発表されました。
さらに、6時43分には長野県の松本地域、乗鞍上高地地域、南部に大雨特別警報が発表されました。

増水していた木曽川水系・飛騨川が、岐阜県内の下呂市萩原町中呂(左岸)付近において氾濫したことが、8日7時過ぎに発表されています。
各地で河川が氾濫危険に達しています。9時40分時点での危険地域を図示した情報を貼り付けますが、ぜひ以下からリアルな状態を把握してください。

河川水位情報
https://weathernews.jp/s/topics/map/river_level.html?fm=news


河川水位情報 8日午前9時40分時点 


雨雲は東海・関東・東北に

雨雲が東に移動しており、さらに各地に被害が広がる可能性があります。
また川の水位は雨雲が通り過ぎたあとにむしろ上がっていく傾向があります。
特別警報が発令された地域で、どのタイミングで解除されるか分かりませんが、これまでの例では、解除後に洪水が発生した地域が多くあります。

その点で雨の降り方だけを注視せず、雨が降りやんだ後も洪水や土砂災害が発生する可能性があることに十分に注意されてください。
とにかく早めに避難されることが大切です。コロナ禍で避難所が怖いとも思いますが、水害では一気に命が奪われます。どうか避難を優先されてください。
またこれを契機に、個人間でより安全な住まいを避難先として確保し、いざというときに互いに守り合うことを、お勧めします。

マンションなどの高い階の部屋は比較的安全です。ただしエレベーターが止まったり、給水施設がダウンすることがあるので、水・食べ物を備蓄してください。
友人・知人と、いざというときに持ち寄るものを決めておくのもベターです。
ともあれ命を守る工夫を重ねていきましょう。

現在の雨雲の予想図を貼り付けます。これもリアルタイムでの情報をとるようにしてください。

全国の雨雲レーダー
https://weathernews.jp/onebox/radar/?fm=yn


雨雲の様子。10時45分の予想図 東京近郊だけでなく、関東、北部福島にも豪雨の可能性が

東京・横浜の危険性

東京、およびその周辺にお住まいの方は、東京・横浜圏が、世界の616都市の比較で水害の危険度がワースト1であることを知っておいてください。ちなみに大阪・神戸はワースト4、名古屋はワースト6です。
このレポートを発したのは、スイス・リーという再保険会社で、2013年9月18日、「都市地域の最も大きな自然災害リスクは河川の洪水と地震」と題して発表しました。
世界の都市が「洪水、嵐、高潮、地震、津波」などのリスクで比較され、被災する人口が推計されています。
その結果、5つのリスクすべてに影響を受ける人口が最も多い都市は、東京・横浜圏が5710万人でトップ、4位に大阪・神戸圏の3210万人、6位に名古屋圏の2290万人とな発表されているのです。

〈 自然災害 危険都市ランキング 〉 世界1位は「東京・横浜」 2020五輪決定直後に公表
防災情報新聞 20140421
http://www.bosaijoho.jp/association/item_6751.html

この危険性を裏付ける資料の一つが江戸川区河川事務所のHPに掲載されています。
埼玉・東京の多くの地域が、利根川や江戸川の水位よりもかなり低い所に位置しているのです。
昨年の台風19号の激烈な被害の時は、利根川の上流が次々と切れました。そこを補修しているわけですが、上流が決壊しないならしないで、危機は下流にまわってきます。


首都圏の多くの地域が利根川や江戸川よりも低い!江戸川河川事務所HPより

もはや堤防改修では間に合わないし、根本的解決にもならないのです。
「災害対策を一新せよ」との声をあげなくてはなりませんが、とにかく個人でも備えるしかない。
お近くの堤防が決壊することがありうることを前提に、対策を進めてください。早めに避難したり、大事な家財道具を少しでも高い所に移すなどされると、安全マージンがその分、高まります。

どうかなんといっても命を、そしてその次に大切な財産を守るために、十分に警戒し、知恵をめぐらせて対応してください。

#飛騨川氾濫 #河川氾濫 #大雨特別警報 #東京横浜はワースト1 #スイスリー

***

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明日に向けて(1838)九州豪雨災害の多くはまともな対策がなかったがゆえのこと!同じことが全国至るところで起こりうる。厳重警戒を!

2020年07月08日 02時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200708 02:00)

洪水災害が広がっていることを踏まえて深夜に投稿します。ご容赦を。

九州豪雨で被害が拡大中、四国・本州も要警戒!

九州がとんでもないことになっています。梅雨前線の停滞のもと、7月4日から降り始めた雨が九州各地で大きな被害を生み出しています。7日午後10時13分発表の朝日新聞によれば、4日からの大雨による死者は56人、心配停止2名、行方不明12人です。
しかもこの雨は、今宵、再び熊本から大分に大雨を降らせています。さきほど午前1時16分に気象台から大分日田で筑後川が再び氾濫との発表がありました。続いて同1時24分に大分由布で大分川が氾濫と伝えられました。あまりに胸が痛いです。
九州全域が雨を脱するのは8日朝とされていますが、川はその後にさらに増水を強めます。明日も厳重な警戒が必要です。ぜひとも豪雨地域のみなさんに、命を守っていただきたいです。

一方、この雨雲は、四国や本州に移りつつあります。明日以降、九州より東の地域で大雨被害がもたらされる可能性があります。要警戒です。
この大雨の間、各地で大雨特別警報が出されたり解除されたりしていますが、もともと特別警報は「数十年に一度の大雨」の時のものなのに、ここ数年、発令が繰り返されています。
しかも今回、熊本や鹿児島に出されたのは4日未明の午前4時50分で、すでに避難ができない状態での発令でした。「想定外の大雨」が強調されていますが、その言い方は正しくない。
起こっているのは、これまでの災害対策の目安が次々、突破されていることなのです。


球磨川の氾濫前と後の姿 朝日新聞より

事態は予測可能だった!

今回の豪雨による被害、まだまだ拡大する可能性がありますが、悲しみと共に怒りも湧いてきます。
なぜか。今回の事態は「想定外」などではなく、予想できたからです。これまでの「想定」を見直し、一新することが問われているのです。僕は今年の梅雨が始まったときに、すでに以下の点を紹介していました。

***

今後、梅雨、夏の台風と雨が強まる機会が増えることが予測されますが、何より踏まえておかねばならないのが、気候変動の影響で雨の降り方の激しさが年々、増していることです。
これに伴い、毎年のように大きな河川の決壊による洪水や土砂災害が発生しており、しかも河川氾濫は年々規模が拡大しています。

ここ3年を振り返ってみましょう。2017年には7月5,6日に福岡県・大分県を中心に「平成29年7月九州北部豪雨」が発生。死者40人、行方不明2人の被害が出ました。
2018年には6月28日から7月8日にかけて「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」が発生。岡山県の真備町が水没するなどする中で、西日本一帯で死者263人、行方不明8人という甚大な被害が出ました。
2019年には10月12日に「令和元年東日本台風(19号)」が静岡県に上陸。関東・甲信越・東北などで死者86人、行方不明3人の被害が出ました。なおそれぞれの名は気象庁の命名によっています。

明日に向けて(1831)大水害・大地震の危機に逞しく備えよう―防災・減災体制の抜本的強化を
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/2d720f627c297c94dadc01a438da3509


増加する河川決壊数を図示 クローズアップ現代より


甚大な水害がどこでも起こりうることを踏まえ、厳重な警戒を

ぜひこの記事を読んでいただきたいですが、要するにここで僕が指摘したのは、「想定」が突破される事態が毎年、各地で起こっている点です。とくに昨年の台風19号被害では、71河川142か所で堤防が決壊、氾濫河川は300にも及びました。
降雨量が複数河川で「計画降雨」を上回ってしまったためです。「計画降雨」とは河川整備等を行う際の流域基準のことで、基本的には"100年に1回の豪雨でもこれ以上は降らないだろう"との想定による基準値ですが、それが次々と突破されてしまった。
だからもはや全国で防災体制を一新しなければならないのです。これまでの想定ではダメなのです。それがもう分かっていたのです。にも関わらず更新しないから、「数十年に一度の水害」と想定するレベルに毎年どこかが達してしまうのです。


台風19号 「計画降雨」を上回る記録的大雨 2019年10月16日17:38 日本気象協会 安齊理沙

しかも日本の河川の洪水対策は、長年「堤防で氾濫をおさえこむ」ことを基軸としてきたために、堤防が突破されると打つ手なしになってしまう。
もちろん手をこまねいてただけではなく、氾濫を抑えこめなかった場合の対応措置も、重ねられてはいるのですが、しかしペースがあまりに遅いし、国民・住民に十分に伝わっていません。
とくにこの国難を無視して東京オリンピックを強行しようとしてきた安倍政権が、ほとんどまともな措置をとらないばかりか、国民・市民への注意喚起もしてこなかったために、今回も被害を拡大させているのです。

このため、今後も全国どこでも堤防の破堤や越水による大規模な洪水が起こりえます。とくに東京は大ピンチの前にあります。大阪や名古屋も同じです。ぜひともこのことを頭に入れて備えて欲しいです。
最悪を想定してください。小舟なども用意して備えていただきたいです。いまのうちに避難所を少しでも良くすることに着手しましょう。コロナも考慮し、災害の際のホテルの借り上げ準備を各地で進めましょう。
災害に苦しむ九州の人々にみんなで助けをだすとともに、それぞれの地域で「明日は我が身」と考え、できる備えを強めましょう。みんなで互いの命を守り抜きましょう。

#九州豪雨 #河川決壊 #筑後川氾濫 #計画降雨 #特別警報

***

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