明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(176)地震による配管破断の可能性と、東電シミュレーション批判(田中三彦さん談再掲2)

2011年06月29日 02時10分00秒 | 明日に向けて(901)~(1000)

守田です。(20110629 02:00)

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地震による配管破断の可能性と、東電シミュレーション批判の続き
(田中三彦さん談)
http://www.ustream.tv/recorded/15539453
http://www.ustream.tv/recorded/15524200

E 原子炉圧力容器の圧力が急激に下がった・・・

まず原子炉の圧力がどう変化したか、東電が発表したものを私が図にしたものがある。1日ちょっとで水素爆発が起こっている。地震が来る前まで70気圧ぐらいだった。4時間半経った3月11日の夜20時07分を見ると圧力は維持されている。これは不思議だ。そこまでどうなっていたのかは不明だ。
ところがそれが3月12日の夜中の2時45分、7時間近く経つと、なんとこれが10気圧を切って、8気圧ぐらいまで落ちている。ここがどう落ちたのかは分からない。結果として突然落ちている。これをどう考えるか。
その後、格納容器、ドライウェルの圧力が上がっている。10時間経ったときに設計圧力の4気圧を越えている。これをどう考えるのか。

原子炉圧力容器が70気圧から8気圧まで6時間半ですとんと起こっている事実をどう説明するか。10時間後には格納容器の圧力が設計圧力の4気圧をどうして超えたのかここを調べないといけない。
圧力がどうして落ちたのか。非常用コンデンサーはちょうどこの間に回っている。出て来る蒸気を片っ端から水に変えてしまう。それで圧力が落ちたと考えられる。しかしそれほど効くのだろうか。
もし圧力容器の中に水がたくさんあって、蒸気が少ない場合にはこうはならない。しかしほとんど蒸気だけだったとすると、それが一気に凝縮されて水になるので、圧力凝縮効果が高い。

水がそのときどのぐらいあったのかを見てみる。そうすると6時間、7時間を見たときの水位データを見てみると、6時間後で燃料棒の頭に45センチの所まで来ている。
普通は運転中は燃料棒よりも5メートルぐらい上の所にある。ところが6時間後には45センチ上まで落ちてしまっている。そういう状況の中で、復水器が4時間にわたって動いた。そうすると出て来る蒸気を片っ端から水に変えていくから、圧力が急激に落ちたといえる。
それで8気圧までいくが、格納容器の圧力は、0気圧、大気圧を引いた考えだが、0気圧になっている。それが10時間後に7.4気圧に上がる。絶対圧では8.4気圧だ。

そうするともし配管が漏れているとなるとそこから蒸気が噴出する。その先の圧力が7.4気圧になっている。それに対して圧力容器の中が8気圧になっている。そうするとバランスしてしまって出にくくなってくる。
それでここで両方が等しくなってしまっている。12時間ぐらいで圧力が等しくなっている。全体としてみるとそれで漏れが少なくなっている。水位があまり変化しない。

格納容器の圧力は0気圧から地震が来て、ずっと上がって行って夜中の2時30分に7.4気圧になった。その後、どんと下がっている。おそらくこれは設計圧力が4気圧なので、これよりはるかに高い所にある。
これは後藤政志さんが説明していたように、こういう圧力がかかると、あるいは温度が高くなると、フランジとという格納容器の上にかぶっているお椀型の部分と、胴体の接合部分があるが、そこが隙間があいてそこから抜けていく。この辺から抜け始めると、気圧が下がって、その結果、バランスが崩れて、圧力が下がる。
この時、地震が起きてから15時間経って、皮肉なことに、このときに淡水注入を始めている。入れると水位は上がるはずだ。水素爆発まで80トン入れている。しかしそれにもかかわらず水位が落ちている。一旦休んでから落ちているが、そのときにフランジ側で圧力が下がる変化が起きている。

これを総合してみてみると、格納容器の圧力は0から7.4気圧まで上がっていく。その後にフランジの辺が漏れたように落ちていく。そしてベントをして圧力が落ちていて、その1時間後に水素爆発が起こっている。
水位は高い所から落ちてきているが、圧力容器と格納容器の圧力がバランスが取れたあたりで、いったん水位が横ばいになる。それでフランジから漏れたあたりで、またバランスが崩れる。そのとき淡水注入がされているにも関わらず漏れていく。

その後のデータは、水素爆発が起こったことから燃料損傷が激しかったと考えられ、水が残っていたとは考えにくいので、まともに議論する気にはならないけれども、これまでの変化は、東京電力はメルトダウンが15時間ぐらいで起きているので、水位計は役に立たないと言っている。
けれどもここには二つの水位計の記録があって、それが動いているのは、水位計の中に水があった証拠だ。ここで死んでいたとは思えない。東京電力はシミュレーション解析をもとに、このデータは全部ウソだと言っているけれど、私にはそのようには思えない。

これを見ていくと次のような推論が成りたつ。まずどれかは分からないが原子炉系の配管が壊れる。そうすると原子炉圧力容器の圧力が高まるが、その場合、蒸気は主蒸気逃がし安全弁を使わずに、いきなり再循環系配管ポンプの方に出てきた。
主蒸気逃がし安全弁が開いて、この系列の配管が壊れていなければ、蒸気は、管で導かれて圧力抑制室に向かうのだが、この系列は動いた記録がない。マニュアルでこの弁を開いた記録もない。記録のある限りは開いてない。
さらに弁が圧力が上がってパタパタと開いたり閉じたりした記録がないことも、圧力が低めだったことを表しているし、さらに非常用コンデンサーを運転士が止めるという異常なことまである。後になってやっと動かしている。となると最初は圧力は上がっていかなかった、つまりどこかが切れていたのではないか。

配管が破断すると、最初は小さな傷でも、高温高圧の蒸気が噴き出してきて、現場では舐めるというのだが、口がだんだん開いてくる。
かなり衝撃的な格好になって、最初は小濾過でも中濾過になり、事故の進展の中で切れてしまう可能性がある。再循環ポンプは非常に複雑な配管を持っていて、重いポンプを抱え込んでいるが、ここが切れたかもしれないし、蒸気管が切れたのかもしれない。
気になるのは次の点だ。B系が使われなかった意味が分からない。原発が暴走するかしないかというときに、非常用の設備をなぜ眠らせたのか。ここのところが切れてしまったこともあり得る。とにかくB系がまったく動かなかったことをきちんと説明する必要がある。


F 圧力抑制室で何が起こったこと・・・

いずれにせよ、どこか配管が切れて、格納容器の中に蒸気が漏れる。
そうすると、格納容器と圧力抑制室をつないでいるベント管をとおって中に入る。そこにはリングヘッダーといって、圧力抑制室の中にドーナツの様に中を一周しているものがある。そこに入っていく。
その中から数十本本ほど、ひげのような、ダウンカマーという管が水の中にまで入っていて、そこから蒸気が水の中に入っていった。
ところが地震が起きていて、圧力抑制室の中の水が、スロッシングという揺れを起していて、ここに1750トン、1号炉の場合入っているのだが、これが激しく揺れた。

そうなるとダウンカマーが顔を出してしまうことがある。そうなると蒸気は水の中に入らずに、直接に圧力抑制室の中に噴いてしまう。この話は、元東芝の格納容器の設計者の渡辺敦雄さんという方が、ユーストリームに出てお話になった。(明日に向けて(156)参照)
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/08c2c06979501b586a829becf91e1217

そのために蒸気が水の中にガイドされずに、圧力抑制室の空気中に溜まってしまったのはないか。そうすると水に溶けないので圧力が上がってしまう。
そうするとリングヘッダーに真空破壊弁があって、圧力抑制室とベント管の中の圧力差がないようにするために、意図的に壊れる仕組みがある。それが壊れてしまうと、そこから蒸気が出て来るので、水の中に入らない。水の中にガイドされることで圧力が抑制されるのに、それができないで圧力が上がってしまう。

もともとの主蒸気逃がし安全弁から管によってガイドされてきたものは、水の中にクインチャーというT字になったものが入っていて、ここからシャワーのように水の中に蒸気が噴くことになっている。
これも地震で大揺れしているときに、あるいは同じことがあるかもしれないけれども、主蒸気管は全部で4本あるので、ダウンカマーよりはそうしたことが起こりにくいと言える。
私自身は、リングヘッダーとベント管の接合部が、地震時に壊れるなどのことがあれば、蒸気が水の中に入らずに噴いてしまう、いずれにせよ、地震のときに、非常に大きな揺れがあって、それがどこかを壊したのではないかと思う。


G 1980年代にアメリカが指摘・・・

格納容器の中には初めには窒素が入っている。そこに蒸気が入ってくるとまずこの窒素が追い出されていく。それで圧力抑制室の水の中に大きな泡となってボンと出る。
その後に水素がなだれ込んでくるのだが、実はそれで壊れてしまうのではないかということは、1980年代にアメリカが安全評価レポートというものを出していて、その問題を指摘している。日本でも、アメリカの原子力規制委員会の指摘に従って、検討している。
それを紹介したい。私がさっき言ったのは、ベント管とリングヘッダーの接合部が地震で壊れなかったのか、ダウンカマーが水面から顔を出して蒸気が水に入らなかったのではないかということだが、こうしたことに対して、こういう評価をしなさいというレポートが1980年代に出ている。

これは日本の安全委員会が、1987年にようやく7年遅れで、こういうことがあるということで、指針を出している。窒素がぼこんと出てきて、水面に泡が立つなどが書かれているが、出てきたときに動的な働いてどうなのか、地震が起きてスロッシングが重なるとどうなのかが考えられるが、どうもこれまで東電は表向きの討論をしていない。
私が考えるのは、最初に話したように、なんで格納容器の圧力が7.4気圧まで上がってしまったのかを説明するのかだ。
それはそれほど難しくはなくて、今、言ったように、圧力抑制室が地震のときに破壊されるとか、あるいはスロッシングがおきて、水蒸気が思うように水にならなかった、そのため圧力が抑制されなかった。そのために圧力が抑制できなくて、圧力が上がってしまったことを考えることができる。

従って、配管破断と圧力抑制機構が不備であったということで、だいたい1号機の運転記録と圧力や数位の変化を、現象論的にはある程度、一貫した説明が可能である。少なくとも専門家は、こういうことを考えたシミュレーションを行い、その結果を公表する必要があると思う。
多分、起きていたとすれば亀裂が生じて、どんどん拡大していった。地震で何か起きて、圧力抑制機構が働く成る事が起こった。再循環配管がくさい。主蒸気管かもしれない。地震時に大きな応力が出る。
またB系列のICが使われていない。ああいう修羅場で最後の最後までそれが動かなかったことの意味が分からない。もしかすると、系列の配管が壊れたということもあるかもしれない。


2 東電シミュレーション批判

A 東電シミュレーションを多くの人が信じてしまったようだが・・・

東京電力のシミュレーションの批判を行いたい。

原子力安全基盤機構というところが、クロスチェックと称している。それでさらにちょっと過激なことがでてきた。メルトダウンが起きたなどということは、誰でも思っているわけだけれども、東京電力が5月11日、日曜日だったと思うがシミュレーション、確率的安全評価というシミュレーションの結果を、記者会見を開いて説明した。
その結果がある意味では、一般の人にとって衝撃的で、それがゆえにある意味では信用がおけると受け取られたかもしれない。そのように僕には思える。
その衝撃的な内容と言うのは、メルトダウンを認めたばかりか、かなりのスピードで、その日のうちに燃料が丸出しになってあっという間にメルトダウンを起して言ったというストーリーだった。
それまでまったくそういうことを言わなかったのに、いきなりそういうことを言ったので、逆に信頼を勝ち取るみたいなことがあったような気がする。その辺の計算づくがあったかもしれない。

私はその記者会見を聞いていて、これはロードマップを変更するのだなと思った。それで水棺方式をやろうとしていた。ところが原子力圧力容器の中に水が溜まらないことがすでに分かっていたのだろう。それでこれをあきらめるということをいう時に、タイミングも見計らって、シミュレーション結果を出してくるわけだ。
そうするとそこが抜けているから、水が下に落っこちるのは当たり前としても、さらにメルトスルーという言葉も出ていた。そうすると周りの人は、溶けて落ちたものはどこにいったのかと、格納容器も穴が開いたのではないか、その可能性もあるということになると、それはどこにいったのか、地下にいったのかという話になっていく。
そうすると「水棺方式はうまくいかないですね」という話を、互いに暗黙のうちに了解する。それで翌日にはどの新聞もトップでロードマップ変更と言うことがシミュレーション結果の発表とともに出てきた。

翌日、火曜日に、ちゃんと水棺方式はやめたと言われ、今、やっている循環方式に変わるわけだ。これはうまい理由づけになっている。メルトダウンを認めると、東京電力は潔いと、しかも普通考えられていたよりも、あっと言う間に起きたと言う、衝撃的な内容になっていたので、逆に信じやすくなっていると思う。
しかし僕は最初からまったくこれを信じていない。
これから事故調査委員会が事故の内容を調べるというときに、まだそれが何も始まってない時にIAEAの閣僚級会議の中にシミュレーションの結果を報告すると、それでIAEAが認知して、国際的に認められるという方向付けまでしてしまおうという、ある意味でいうと非常に早計というか、策略のようにも見えるし、それほど自信の持てるシミュレーションなのだろうか。


B 東電のシミュレーションは、事故要因を津波に一元化している

私がこれから述べるように、これは全く信用できない。このようなものをどうして出すのだろうか。自ら退路を断って、配管破断はなかった地震は関係なかったとこれから言いますよと、地震説は全て拒否と決めたとも見える。
例えばロボットが配管を調べようとして、格納容器の中を撮影すると何か分かるかと言うと、分からない。配管は保温材がまかれていてそれを金属が覆っている。外から見てもわからない。ものすごく複雑な配管がいっぱい通っている。写真を撮って証拠を上げることができない。
それで永遠に配管は壊れなかったと言い張ると話は通ってしまう可能性がある。そう踏んでいるかどうかは分からないけれども、配管破断説は一切受け付けないというシミュレーションだ。

そのシミュレーションの批判を行おうと思うが、シミュレーションではどういう結果が出て来るのかは、どういう入力をしたかによってくる。その意味で入力条件がたくさんある。
例えば私が今日、説明したような、もしかすると配管が壊れているということになると、配管にもいっぱいあるわけだし、穴の大きさもいっぱいあるわけで、その大きさがどう変わって行くのかということも追っていかなければならないのだけれども、いろいろなケースを入れてみる。
もしかすると圧力抑制室の構造が壊れたりしたことがあったかもしれない。そういうことをシミュレーションの中に入れていかなければならないだろう。

そうするといろいろなケースをやって、その中で、記録として残っている実測された水位、圧力、温度と合うもの、一番いいものを選んでいくとか、運転された方の話を良く聞いて、それと矛盾していないかどうか。
その意味でまず運転記録に忠実であること、運転士の話したことに忠実であること、想定されるストーリー、それが一つではないわけだから、いろんなケースも入れて、100ケースも200ケースもやって、その中から一番合理的に説明をつくものをやればいいわけだ。

ところがこれは、はなから配管破断はないという条件で計算されている。
それから圧力抑制室の異常もないことを条件にしている。もっとひどいことに、IC(非常用復水器)は津波の後に、一切動いていないことにしている。冷却機能は働かなかったとしている。
そうなるとこのシミュレーションを実現した人にとって、最大の難関はこれをどう実現するかになる。

シミュレーションをする人は、何かのデータを説明しなければならないということになる。その場合、格納容器の圧力がどうして7.4気圧まであがってしまったのか。また水位がどうして落ちてきたのか。これをどう説明するかだ。
ここでICが津波以降、一切動かなかったと過程しているので、圧力が上がり主蒸気逃し安全弁が開いて、蒸気が圧力抑制室に逃がされる。
もう一つ自動減圧系というモードもあって、水位がある程度下がって圧力がある程度残っているときは開きっぱなしにする。とにかくこの主蒸気からのラインで、蒸気が圧力抑制室に運ばれて圧力容器の水位が下がったと説明しようとしている。


C 7.4気圧を説明するために、圧力容器に穴を開けた!

もう一つ重要なのは、7.4気圧だ。これをどうやって説明するか。大口径破断が一瞬に起こったのでもないのに、なぜ格納容器の圧力が上がったのか。
これは考えることは一つしかない。原子炉圧力容器を早くメルトダウンさせて、損傷させる。このシミュレーションではおそらく、底に穴が開くとか、壁が壊れるとかではなくて、どこか分からないが、例えばシミュレーションの中に、原子炉圧力容器が何度になったら何センチの穴が開くとか、そういう入力をする。
メルトダウンがあっというまにおきて、原子炉圧力容器が熱くなる。そうなるとどこかが損傷して、高温高圧の蒸気が格納容器の中に漏れていく。そうなれば格納容器の圧力が上がることになるので、このストーリーを狙って、シミュレーションが行われている。

その証拠をおみせしたい。

まず一番苦労したのは、原子炉格納容器が7.4気圧になっている。これをどう説明するかを苦慮している。格納容器の圧力は、3気圧ぐらいまでゆっくり上がって、そこからどんと上に上がっている。ここに原子力圧力容器が破損と書いてある。約15時間後となっている。計算上、こうなったとなっている。
どうしてこれが分かるのかというと、燃料が丸出しになる時間が早かったので、ある温度になると原子炉に穴が開くと入力しておくと、ここで穴があいたことになる。そうすると、穴から高温高圧のガスが噴き出す。
そうするとここで一気に圧力が上昇することになる。これをあっているとみなすかどうか。これはあっていない。

なぜかというとこの方式で言うと、もっと早く7.4気圧になっているので、さらにもっと早くメルトダウンを起したことにしないとここで7.4気圧まであがったことが説明がつかないことになる。つまりこれでは説明できていない。
なんでこんなことで穴が開いたことになるのかというと、津波以降、ICを動かさないければ当然、メルトダウンは早く進行するので、そうすると、原子力圧力容器に早く穴が開く。
われわれが問題にするのはこの辺だ。ここはあっていない。原子炉圧力容器の破損に頼っていくと、さらにメルトダウンが早く起こったことにしないと説明がつかない。

結局、これには無理がある。実際には、地震によるスロッシングによって圧力抑制機構がうまく作動しなかった。それはアメリカのNRCが1980年代に指摘した問題とズバリ絡んでいて、そういうことが今回、地震によって起きてないか。そういう要素をこのシミュレーションは何も入れていない。地震の要素を何も入れていない。
こんなものを、これが正しいと主張すること自体が意味がない。これがなぜ受けてしまうかと言うと、われわれが思っている以上にメルトダウンが早く起こったと言ったから、いさぎよくなった、正直になったいう受けがあったかもしれない。
こんなに早くメルトダウンをしたという解析には無理がある。これほど一気に、3気圧から7.4気圧まで一瞬で格納容器の圧力があがったというのは、どこかに矛盾が来ている。また圧力をただしく表現できていない。

もっと凄いものもある。東京電力が原子炉の水位が、一気に落ちて水素爆発が起きたことになっているのだが、シミュレーションの方の計算上の水位はもっと早く落ちてしまっている。
非常用復水器が動かないので、逃がし安全弁が動いて水があっという間になくなるとしたいのだが、これが実測データにまったくあっていない。このデータはIAEAにも出されてまだ生きているが、この実測値とシミュレーションの違いがどう説明されているか。
これを東電や国は何て言っているのか。水位が早く落ちてしまったので炉の中の水がなくなって、水位計の中がからからになってしまった。そのため実際には早く落ちたのであって、データの方は信用できないと言っている。都合が悪くなるとそのデータはすべてウソにしてしまう。

しかし実測では二つの水位計が同じような水位の低下を記録している。水位計がだめになっていたのなら、どうして二つが同じ傾向を示しているのか。こうしたことには一切答えず、これはウソのデータだと切り捨てている。
この切り捨てがまったく説得力が無い。このように自分の都合のいい計算をして、それにあわないものは切り捨てていく。
これの無理なところは、原子炉圧力容器を早くメルトダウンさせて破損させて、そこから高温高圧の蒸気が噴き出したことにすると一気に格納容器の圧力が上がるよというストーリーを頭に描いてそれを実現するだけのシミュレーションを行っただけだ。これは悪しきシミュレーションだ。
やるんだったら、配管の破断のモードを積極的に入れて、圧力抑制室の破損も入れて、配管のどこが壊れたとかも入れて、あるいは穴の大きさを止めて考えなくてはいけない。

動いていたものを動いていないとか、測定された装置はウソだったとかそういうシミュレーションを国際的に評価してもらおうといって出すこと事態、暴挙というか、あきれると言うか。しかもそれを方向付けをしてしまう。世間一般の方の受けを狙っているとさえ考えられる。
だから今後事故解析をされる方が、運転者の聴取をきちんとすることと、記録をまず、それが死んでいるか生きているかはあとで判断すればいいので、いろいろな条件を入れてやるといいと思う。

その中で一つ心配なのは、畑浦さんの事故調査委員会ができた。その下に3つのチームができた。その方が任命されたが、その方がいるところが、東京大学のシステム量子工学科、原発推進者の本部のようなものだが、またそこから選ばれている。
僕などはシステム量子工学科は相当にくさいと思っているからそういうところだけは避けて欲しかったという気がする。
またそういう方がなって、東京電力も事故調査委員会を作るという。その外部の委員会にも、元システム量子工学科の偉い先生が委員長に就任している。それでこれまでと違う事故調査がしてもらえるのかというと、非常に不安な気持ちになる。

だいたいそれぐらいです。

終わり


 

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