明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1970)一番恐ろしいのは原発の過酷事故、コロナ禍にばかり目を奪われていてはいけない

2021年01月26日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210126 23:30)

原発は一サイトで日本の半分を壊滅させうる(福島事故の教訓から)

新型コロナ感染症のパンデミックの中にあって、僕はたくさんの原発に関する記事の発信を続けています。端的に言って原発の過酷事故の方が圧倒的に脅威だからです。まずは以下の文章をお読み下さい。

「もし原子炉の一つが新たに水素爆発を起こし、冷却不能に陥ったとしよう。格納容器は破損し、中の燃料も損傷、大量の放射性物質が一気に放出される。
高線量により作業員は退避を迫られるため、これまで続けてきた注水作業を中断せざるをえない。冷却できなくなった他の原子炉でも、格納容器や燃料プールに残された燃料がやがて露出し、そこから新たに大量の放射性物質が放出される。
つまりどこか一つでも爆発が起これば、他の原子炉にも連鎖し、大規模な被害となるということだ。」

「最も大量の燃料を抱えているのは、4号機の使用済み燃料プールだ。このプールに保管されている、原子炉二炉心分・1535体の燃料が溶け出ると、10キロ圏内における1週間分の内外被曝線量はなんと100ミリシーベルト、70キロ圏内でも10ミリシーベルトにも上ると推測されていた。さらにチェルノブイリ原発事故時の土壌汚染の指標では、170キロ圏内は「強制移点」、250キロ圏内は「任意移転」を求められるレベルだった。汚染の状況はひどく、一般の人の被曝限度である「年間1ミリシーベルト」の基準まで放射線量が下がるのに「任意移転」の場所でも約10年かかると試算されていた。」

この文章は福島原発事故の進展をシミュレートした「近藤シナリオ」を読んでの感想。書いたのは馬淵澄夫氏(当時民主党、現立憲民主党)。福島原発事故後に政府に呼び出され、首相補佐官に就任しました。
馬淵氏は驚愕しました。「北は岩手・秋田、西は群馬・新潟、南は千葉や神奈川におよび、東京23区全て」=3000万人がいるところが避難地域になる可能性があったからです。(『原発と政治のリアリズム』馬淵澄夫著 新潮社 p24~26)
僕はこの書や「近藤シナリオ」そのものを入手して詳細に調べましたが、実は「近藤シナリオ」は最悪を想定してはいませんでした。他の原子炉や共用プールにあった燃料体は11417体。4号機プールの約7.4倍もあったのです。

それらが溶けだしたら被害は半径250キロにとどまらなかった。このため後に当時の福島第一原発所長吉田昌郎氏はこう語ったのでした。
「チェルノブイリ級ではなくて、チャイナシンドロームではないですけれども、ああいう状況になってしまう」「放射性物質が全部出て、まき散らしてしまうわけですから、われわれのイメージは東日本壊滅ですよ」
想定された危機は「チェルノブイリ級」どころではなかったのです。東日本壊滅の恐れがあったのです。みなさん。ぜひご注目ください。そんな災厄をもたらしうる原発がいまも稼働しているのです。


近藤シナリオについて報じるFNN 近藤シナリオは「最悪を想定」と言われますが実際には4号機プールの核燃料が溶けたときを想定したに過ぎませんでした。最悪は「東日本壊滅というイメージ」(吉田所長)でした。


新規制基準は過酷事故を前提にしている

しかもいまの原発は過酷事故を行さなことを前提にしてなどいません。「過酷事故が起こりうることを前提に起こった場合の対処を重ねる」とされているのです。
その際、過酷事故(シビアアクシデント・設計段階の安全装置がすべて突破され格納容器から放射性物質が漏れる状態)を重大事故と言い換え、重大事故等対処施設や特定重大事故等対処施設が設けられています。
それすらが骨抜きにされていることを、僕はこの間、事細かに指摘し続けていますが、やはり一番おかしいのは過酷事故ないし重大事故が起きうることが前提になっていること。

これはものすごい開き直りです。福島原発事故前まで原子力推進派は「日本で原発の過酷事故が起きることはない」と言ってきたのです。しかし起こってしまった。本来、ここで原子力行政は終わりだったのです。
ところがあろうことか「過酷事故が起きないと言ってきたのが間違いだった」ととんでもない言い換えをしたのです。過酷事故を起こしたことが大問題だったのに。
だからこれからは「過酷事故を前提に対処施設を幾つも積み重ねる=多重防護をする」と言うのですがあまりにひどい。

これは安全装置の考え方としても間違っているのです。一つの安全装置で確信が持てないから、つまり十分に安全が確保できていないから、多重に重ねているからです。
いわば車のブレーキが、第一、第二、第三、第四と重ねられているようなもの。こんな車に乗りますか?いやそもそもこれではブレーキが完成してないことが明らかですから絶対にそんな車は市場に出て来ない。こんなのがまかり通るのは原発だけです。

にもかかわらずどの大新聞もテレビも、このことをきちんと報じない。本当に恐ろしい再稼働がなされているのに、コロナ報道ばかり優先している。あまりにおかしい。僕がマスコミを信用しない所以です。いつも一番大事なことは報じないのですから。
正直、イライラもしますが、ならば僕は、この一番危険な原発のことを繰り返し発信し続けます。こうした点から最近、記事を紹介したツイートの連投も繰り返し行っています。
みなさん。ぜひ情報拡散にご協力ください。さらに原発についての発信を続けます!


柏崎刈羽原発の重大事故等対処施設 最後はなんと消防車とつないだ水鉄砲(放水砲) 福島では消防車のパンクも相次いだ

#パンデミックと原発 #近藤シナリオ #250キロが避難区域 #過酷事故 #重大事故 #新規制基準 #原発は一サイトで日本の半分を壊滅させうる

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