明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2094)ヒロシマの体験は「悲劇と怒り」を基礎としてその到達点に「優しさ」を教えているのではー9月12日zoom公開講座、大盛況でした

2021年09月10日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2001~2200)

守田です(20210910 23:30)

公開講座、200名以上のご参加のもと大盛況のうちに終了しました。
録画をお届けします。記事もお読み下さい。(9月17日追記)

zoom公開講座「被爆二世問題・運動の歴史と今後の展望」 2021年9月12日


9月12日(日)zoom公開講座「被爆二世問題・運動の歴史と今後の展望」へのお誘いの3回目です。

時間は午後3時から6時まで。主催は「神奈川県原爆被災者の会 二世・三世支部」です。

今宵もどうしてもみなさんをこの企画に誘いたいので、放射線防護をめぐる大きな流れについて触れ、さらに「ヒロシマの心」に触れていきたいと思います。



放射線被曝をめぐって大きな潮目が来ている

みなさま。いま放射線被曝をめぐって大変大きな揺れ動きが始まっています。
この「揺れ」は福島原発事故後の10年の中で強められてきたものですが、その大きな山として、この夏の黒い雨訴訟控訴審での勝訴と、政府の上告断念による確定がありました。
このことで政府が、被爆後76年も黒い雨を浴びた被爆者を見捨ててきたことが明らかになり、当然の権利として、原告の方たちが被爆者健康手帳を交付されるべきことが明確になったのです。


「長生きして黒い雨を見届けるぞ 頑張ろう」と声を上げた原告たち 「黒い雨訴訟」報告集会にて 7月14日 守田撮影

問題はそれにとどまらない。高裁判決は「放射能の影響を受けうる可能性のあったものは保障されなければならない」という被爆者援護法の精神をきちんと通したものであるため、手帳を手にしうる人の範囲が大きく広がりました。
その数、なんと約1万3千人!それほどの数の方たちの中から、いま、原告に問い合わせが殺到しているそうです。
みなさん。ぜひここに注目してください。換言すれば76年経ってなお1万3千人もの人々を政府は見捨ててきたのです。そこに放射線被曝の影響がものすごく軽く扱われてきたことが如実にあらわれています。

さらにこの時期、明らかにこの高裁での勝訴を見すえて、NHKが画期的な番組を放映してくれました。NHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」(8月9日放映)です。
ここで被爆後の広島・長崎で米軍が黒い雨による被曝事実をもみ消していたことが鮮明になりました。とくに貯水池のある長崎西山地区でのもみ消しはひどかった。ここでもたくさんの被爆者が無視された。
確定した高裁判決は、当然にもこの長崎の見捨てられた黒い雨被爆者をも保障せよと政府に告げる位置性を持っています。その意味でまさに今、パンドラの箱が空いたのです。


そしてそんなときだからこそ、放射線被曝の遺伝的影響のことも大きくクローズアップさせる必要がある。
もちろんそのことは、原爆被害のみならず、核実験の被害、原発事故の被害、とくに福島原発事故による新ヒバクシャの被害に大きく光を当てていくこととパラレルです。
だからみなさんに、9月12日zoom公開講座をなんとしても視聴して欲しいのです。


「悲劇と怒り」を基礎として「優しさ」をつかんでいこう!

みなさん。その際、僕が心を込めて訴えたいのは、「悲劇と怒り」基礎として「優しさ」をこそともにつかんでいこうということです。
この記事のタイトルにも使った言葉は、今回、森川さんの基調に続いて行動報告に立つ4人の発言者の一人、木原省治さんが著書『僕のヒロシマノート』の中に書かれた言葉です。
木原さんを紹介しようと数日前に精読していて、しびれたように胸を打たれました。泣きたくなってしまった。

木原省治さんは同書の137~138ページでこう書かれています。
「ヒロシマの体験は『悲劇と怒り』を基礎として、その到達点に『優しさ』を教えているのではなかろうか。すべての戦争は、『怒り』から始まる。そして市民は『悲劇』を体験して、戦争は終わる。ヒロシマの体験は、『怒り』とあまりにもむごたらしい悲劇の中で世界の人たちに『優しさ』と『寛容』の大切さを、そして平和の大切さを教えているのではないだろうか。」

まさしくその通り!まったくそうだ。本当にそう思うのです。被爆者の、被爆二世の苦しかった事実を、ただそれだけ受け取って欲しいのではないのです。それを通して私たちは『優しさ』と『寛容』に辿り着ける。まさに僕もそう実感してきたのです。
だからこそ、これまで、こちらが打ちのめされてしまうような悲劇をたくさん読み、辛い辛い体験を聴き取り、現場を歩き、相手の心を自分に移して悶絶すらしてきたのです。そうだ。僕もその先に尊い『優しさ』があることを知っていたからそれをしてこれたのです。
もちろん「怒り」は無くしてはいけない。政府に、アメリカに補償させないといけない。医療などの保障も必要だし、二度と核災害に遭わない保証も必要です。でもそれを十全に可能にするのは「優しさ」だと僕は確信するのです。寛容の心こそが、本当の平和を可能にしていくのです。

それが「ヒロシマの心」だと書かれた木原省治さん、長い活動の中でこの言葉に辿り着かれた木原さんを心からリスペクトします。僕も木原さんと共に、この心を自分の中にさらにしっかり打ち立て、広めていきたいです。
みなさん。被爆問題の実相をつかんでいただきたい。被爆二世問題をわがこととして知っていただきたい。そしてそこから私たちは大きな「優しさ」に至っていきましょう。それでこそ戦争と核のない世の中を手繰り寄せていきましょう。
そのための歩みをあなたと共にしたい。9月12日の企画へのご参加を心より訴えます。(アーカイブ準備中です。9月13日追記)

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