明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1613)こどもの命を守りたい! 原発事故や自然災害から命を守る知恵を高めよう!(11月2日に鎌倉市でお話します)

2018年10月30日 09時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181030 09:00)

● 11月2日(金)に鎌倉市でお話します!

「こどもの命を守りたい! 原発事故や自然災害から命を守るためのお話」というタイトルです。
午前10時から11時45分まで。鎌倉生涯学習センターホール(JR鎌倉駅東口徒歩3分)にてです。
入場料は中学生以上500円だそうです。

● 鎌倉でのヨウ素剤自主配布会の成功を受けて

主催してくださるのは「ぐるぅぷ未来」さんですが、この団体は今年の2月24日にヨウ素剤の自主配布会をされました!
また6月にはこの方たちの働きかけの中で、鎌倉市議会が安定ヨウ素剤の自主配布を求める陳情を採択しています。
ヨウ素剤の自主配布は、DAYS JAPANの広河隆一さんの呼びかけのもと、昨年より始まった運動で、鎌倉は2度目の大きな配布会を実現してくださいました。これらに関する東京新聞の記事をご紹介しておきます。

● 安定ヨウ素剤の効能とは?

いまここであらためて安定ヨウ素剤の効能を確認しておきましょう。
原発が爆発するとさまざまな放射性物質=死の灰が飛び出してきます。その中でも相早めに出てきて遠くまで飛んでくるのが放射性ヨウ素ですが、これへの対処を知る前に「ヨウ素」とは何かを知っておく必要がある。
端的に言えば自然界にたくさんあり、特に海産物、昆布やワカメにたくさん入っているものです。それが身体の中に入るとのど元にある甲状腺に送られ、成長ホルモンを作る元となります。

日本に住んでいる方は普段から海産物をたくさん食べているので平均して8割は甲状腺のヨウ素容量が埋まっているといわれています。
しかしそこに放射性ヨウ素が飛んできてしまうと、人体は悪いヨウ素(放射性ヨウ素)と良いヨウ素(放射性ではないヨウ素)を区別できないので、悪いヨウ素を甲状腺に送ってしまい、そこで被曝してしまいます。
そうすると甲状腺のがんや疾患にかかってしまう場合が多い。それを未然に防ぐために甲状腺をあらかじめ良いヨウ素で満たしてしまうのがヨウ素剤服用の効能です。

● 安定ヨウ素剤事前配布の意義とは

国はいま地方自治体に対して原発から5キロ以内の住民に安定ヨウ素剤を事前配布することを求めていて多くの自治体が行っていますが、それより遠くの場合は事故時に配布されることになっており、それもほぼ30キロ圏内に限られています。
しかし原発が深刻な事故を起こしたのなら周辺の人々は「とっとと逃げる」ことが肝心です。ところが事故後にヨウ素剤が配られだすと、受け取りに行かなくてはならない分だけ逃げ出すのが遅れてしまいます。
また大きな地震の発生などの複合事態も十分に考えられますから、予定通りの配布ができるか大きな疑問も生じます。

またそもそも事故によっては瞬く間に放射能が飛び出してくるので、その後の配布では放射性ヨウ素の到来に間に合わない可能性が高いです。配布の過程で配る側の自治体職員や受け取りにきた住民が被曝してしまう可能性もあります。
同時に一般的に言ってお薬は効能と副作用に関する説明をきちんと受けていないと不安が生じて飲みにくいもの。このため医師の立場からは「事前配布と説明を行っていなければ有効に飲めない可能性が高い」とも指摘されています。
この点で自治体が率先して事前配布を行うことが重要ですが、それまでの間は市民の間で自主配布を進め、その上であくまでも行政に求め続けることが大切で、鎌倉のみなさんが行ってきたことはとても意義深いです。

● 原子力災害にいかに備えるのか

さてヨウ素剤自主配布を行ったうえで、どのように原子力災害に備えるのかについて述べたいと思います。
ポイントは一にも二にも災害全般に対する対応力を向上させることです。その場合に大事なのは(1)さまざまな災害に対してその特徴や前兆を把握すること、(2)いずれの災害に対しても「とっとと逃げる」準備を重ねておくことです。
地震の場合でも同じです。地震に対しては家の中の家具を固定し、大きな揺れの中で命を落とさないように、怪我をしないようにしておくことが必要ですが、その後は可能な限り地震地帯を脱出した方がいい。

熊本地震の場合は大きな揺れが二度続きました。いわゆる本震・余震という関係ではなく、二度目の方が揺れが大きかったのです。どちらかが本震というわけではなく連続地震だったのです。
熊本地震後、政府の地震調査委員会が過去の内陸地震を調べたところ、約6%で最初の地震を上回る規模の地震が発生していたそうです。このリスクを避けた方がいい。
そうでなくても大きな地震があるとかなりの規模の余震が続き、安心して眠ることができずに心身が消耗します。このリスクも避けた方が良い。

● どこに逃げるかを決めておこう

このため大地震に遭遇した場合も含めて、どこにどう逃げるのか、決めておくことが大切です。
7月豪雨のような水害の際にも、事前に「とっとと逃げる」ことが最も適切な対処でした。豪雨の際には土砂災害も生じうるのでとにかく危険地帯を離れることが大事なのです。
このようにさまざまなケースに即して逃げる準備を重ねておくことが、原発事故の際にも「とっとと逃げる」力を培うことになります。

とにかく災害対策の基本は一刻も早く危険地帯を脱することです。その際「ここは危険地帯ではない」と心理的に思い込むことで逃げ出せなくなる「正常性バイアス」に十分に注意しましょう。
同時に今年の水害の多発の中で、日本は避難所のあり方が国連の提唱する水準をはるかに下回っており、人権も満たされない場であるため、避難が進まない現実があることも見えてきました。
この点を平常時に少しでも改善しておくことが急務です。それぞれの町でいざというときの避難所をよくするための努力を重ねましょう。

以上、鎌倉ではいま述べた後半のことについてより掘り下げたお話をします。
お近くの方、お越しください。

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