明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1574)「本震→余震」の前提は見直されている。過去により大きな地震が起きた確率は6パーセント。備えてください!(北海道胆振東部地震について)

2018年09月06日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180906 22:00)

今日は連投をお許しください。より大きな地震が起こる可能性があるので警鐘を鳴らしたいと思います。

● さらに大きな地震が起きた確率はこれまで6パーセントだった!

6日未明に発生した北海道での地震、気象庁によって「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」と命名されました。僕は元号に反対なので「2018年北海道胆振東部地震」と呼ばせていただきます。
さて現時点で発災から19時間が経ちましたが、懸念されるのはさらに大きな地震が起こりうることです。政府地震調査委員会の2016年の調査によれば、これまで起きた内陸地震の約6パーセントで最初を上回る規模の地震が起こっています。
ここからつかみとっておくことは、数日のうちに北海道南西部により大きな地震が起こることが十分にあることです。

この点については以下の記事をご参照ください。
気象庁の地震予測、「本震→余震」の前提見直し  
日経新聞2016/8/19 21:24
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19H4J_Z10C16A8CR8000/

現在、北海道の多くの地域が直前に通過した大型台風による雨によって水分をはらんでおり、なおかつ今朝の地震で大きく揺らされています。次の揺れでは今朝、崩落したところからまだ残っているものが続けて落ちてくる可能性があります。
たくさんの建物もダメージを受けており、札幌市の一部では液状化によって地面の中に陥没したり、大きく傾いた建物もありました。
しかも北海道はまだまだ多くの地域が停電中。こうした状態でより大きな地震に見舞われた場合、現状を大きく上回る被害に直結する可能性があります。

● 可能な限り危険地帯から離れてください!

こんな状態ですから、何よりも被災地域の多くのみなさんに危険地帯から離れることを強くお勧めします。
とりあえず地域の避難所に行かれている方が多いと思いますが、交通手段や行く先が確保できれば、被災地域そのものを離れた方が良いです。
一つにはなんといってもより大きな地震に襲われるリスクが避けられるます。第二に余震が続くとそれだけで精神的に疲れてしまいます。三つに日本の避難所は劣悪ですぐには改善されないので避難所でない方が圧倒的に過ごしやすいです。
とくに障害をお持ちの方にとって避難所はほとんど生活のできない場です。女性にとっても非常に過ごしにくい場です。それらから可能な限り遠くに避難されることを繰り返しお勧めします。

各社の報道を見ているとこの重要な点がほとんど指摘されていません。繰り返しますが可能な方は被災地域そのものから離れたてください。
またその方が救助する側の負担も減らすことにもなります。もちろん救助を受けるのは当然の権利なので恐縮する必要は一切ありませんが、しかしいまのこの国の災害対応力の脆弱性を考えたら、その方が全体にとって有利です。
被災地域から離れたところにお住まいで、ご家族や知人が被災地におられる方は、とりあえず一週間ぐらいはご自分のところに呼びよせるなどしてこの不安定な時期を乗り切ってください。

● 熊本では約28時間後にエネルギー量16倍の地震が起こった!

熊本・九州地震の例を見てみましょう。最初の地震が起きたのは2016年4月14日午後9時26分でした。2回目の地震は16日午前1時25分に起こっています。その間の時間は27時間59分です。
最初の地震はマグニチュード6.5、実はこの二つの間の15日午前0時3分にもマグニチュード6.4の大きな地震が起こっています。そして16日午前1時25分にはマグニチュード7.3、1回目の16倍のエネルギーの地震が起きました。
この点から考えておくべきことは、次に起こりうる地震の方がはるかに大きい可能性があることです。

しかも熊本の時よりも広域停電が長引く可能性が強く、さまざまな生活上の不便が人々にのしかかり続けるでしょう。
情報がなかなかとれないことや、縁者との連絡が取れないことなども大きなストレスだと思います。
だからこそ今はできるだけ被災地を離れた方が断然良いです。

● 熊本では地震で50人が亡くなり、震災関連死で204人が亡くなった!

さらに熊本の教訓として私たちが見据えておくべきなのは、2度の猛烈な地震の後の長い避難所生活の中で、たくさんの方が亡くなってしまわれたことです。
地震の時に亡くなられた方が50人であったことに対し、震災関連死はなんと4倍強の204人でした!
地震を生き延びたのに、その後に4倍もの方が衰弱して亡くなられてしまったのです。そこにあるのは政府の無策であって怒りに耐えませんが、ともあれ今回、同じことが起こって欲しくないです。

熊本県が今年3月に発表した調査によれば、亡くなられた方の4割が「地震のショックや余震の恐怖による肉体的・精神的負担」が死因となっていたという結果が出ています。
僕はそれだけではなくて、トイレ事情が悪いため、高齢者などで水分補給をためらう方が多く、そのためエコノミー性症候群になりやすかったことも大きな要因ではないかと思っています。
ともあれ繰り返しますが現在の避難所は非常に心身に悪い場です。避難所をもっと快適な場に変えていく必要がありますが、今のところは急場をしのぐもの、地震や土砂災害の直接の危険性を一時的にしのぐ場と考えた方が良いです。

以上の点は以下の記事に書かれています。
関連死原因は余震への恐怖 熊本地震犠牲者259人に 
日経新聞 2018/3/12 19:38
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28007580S8A310C1000000/

ともあれ今はより大きな地震が起こる可能性に十分に注意してください!
そして可能な限り被災地を離れ、より安全で快適な場で最低でも1週間から10日余りをやり過ごすようにしてください。

みなさん。まだまだ北海道は危機のど真ん中にあります。みんなでサポートして互いの命を守り抜きましょう!

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明日に向けて(1573)北海道南部で大地震が発生し道内すべての約295万戸が停電中。さらなる大地震発生の可能性も。危険情報の発信を!

2018年09月06日 14時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180906 14:00)

● 北海道で巨大地震発生 まだ大きな地震の可能性あり!厳重注意を!

本日6日未明、午前3時7分に北海道南西部の胆振地方中東部でマグニチュード6.7の地震が発生しました。
安平町で震度6強が観測された他、多くの地域で震度5強、5弱、4が観測されています。
なお気象庁によると複数の観測点から震度情報が寄せられておらず、震度7が観測されている可能性もあるとのことです。

その後、何度も「余震」が起こっていますが、2016年4月の熊本地震では4月14日21時26分に震度7の揺れが起こり、さらに16日未明に再度、震度7の地震が起こりました。
エネルギー量では前者がマグニチュード6.5、後者は7.3で約16倍のものでした。
今回もこのようにより大きな地震が続く可能性を否定できません。お近くの方、救助に従事されている方はこの点に留意され、安全を確保されてください。

● 北海道全域が停電中 復旧には時間がかかる!

この地震に伴い、震源地に近く北海道で最大の苫東厚真(とまとうあつま)発電所が緊急停止し、これに伴って北海道全体で停電が発生しました。
理由は電力の需給バランスが崩れたことにあります。発電所から送られている電気は交流で常にプラスとマイナスが入れ替わっています。この回数が周波数で、これを一定に保つために電力の発電量と使用料を一致させる必要があります。
電力会社は常にその調整を行っていますが、今回は道内最大の発電所が緊急停止したことから需給バランスが崩れ、他の発電所も次々と止まってしまったのです。

それでもこれだけ広域の停電が発生するのはまれなことで、北海道全域が停電になるのは、1951年に北電が創設されて以来、初めてだそうです。
現在、苫東厚真発電所の復旧が急がれていますが、1号機、2号機のボイラー配管が損傷し、さらに復旧を急いでいた4号機で火災が起きているそうです。(3号機は2005年10月に廃止)
このため同発電所の復旧には1週間ほどかかるそうで、経産省は道内の水力発電所を順次稼働させていますが、北海道全体の電気需要を賄うためには1週間以上かかるそうです。

● 厚真町で大規模な土砂災害が起こるなどさまざまな被害が発生中、SNSやメールでの発信を!

地震が各地の道路が寸断されていること、また広域停電で情報収集にも時間がかかっているため被害の全体がつかまれていませんが、12時30分現在で北海道全域で2名の死亡と1名の心配停止が確認されています。
厚真町では大規模な土砂崩れが発生しており、同町吉野地区で多数の家屋が飲み込まれています。同地区の30数名の方の安否が確認されておらず、懸命の捜索が続けられています。
札幌などでも道路が各地で波打ち、たくさんの家屋が損壊しています。かなり広範な被害が各地で起こっている模様です。

大規模停電の影響で、JRも北海道全体で運行できなくなり、千歳空港も閉鎖されています。また多くの病院が電気不足で外来や緊急搬入の受け入れも中止しています。断水も各地で起こっています。
このような状態ですから、いま北海道の方たちはテレビをつけられず、災害に関する情報を得られない状態にあります。これに対しSNSやメールは端末さえあれば見られるので、ぜひ、災害情報をお伝えください。
とくに震源に近い地域でさらに大きな地震がありうること、また停電からの復旧には時間がかかる見通しで、今夜も灯のない夜を迎える地域が出るであろうこと、それらに備えて欲しいことなどを伝えてください。

● 泊原発で外部電源喪失、非常用ディーゼル運転が稼働も燃料は1週間しかない

なお停電の発生により泊原発が外部電源を失ってしまいました。非常用ディーゼル運転が稼働し、核燃料の冷却が続けられていましたが、6日午後1時までに復旧したそうです。
今回、この地震を前に泊原発が長く止まっていたことは「不幸中の幸い」でした。使用済み核燃料の温度がかなり下がっていたからです。稼働中であればそれ自身が危険でしたし、熱量も桁違いに高い状態でした。
やはり災害続きのこの国で原発を動かしているのはリスクです。今回、震源地近くの苫東厚真火力発電所で配管損傷が起こりましたが、原発なら冷却材喪失⇒メルトダウンへと向かっていたでしょう。今回の事態からも、稼働中の原発を早急に止めた方がいいのは明らかです。

緊急用のディーゼルエンジンは一週間分しか燃料を持っていません。今回のように複数の発電所がダウンしてしまえば一週間では足りない可能性も出てきます。
南海トラフ地震では海側にある火力発電所のすべてが被災する可能性が考えられており、とくに四国で長期にわたって電源が回復しない可能性もあります。それも考えて伊方原発を止め続けておくことなどが極めて重要です。

● 災害対策の強化を!

これだけ自然災害が重なる中で私たちが考えなければならないのは、南海トラフ・ひずみ集中帯地震をはじめ、今後、さらにどこかが災害に襲われ、甚大な被害が出る可能性があることです。
だからもっと真剣に備えなくてはなりません。私たち自身の能動性を上げるとともに、国にもっと責任を果たさせていく必要があります。災害から守られるのは人権であり、国にとっては人々を守るのは義務です。
そのために自衛隊の災害救助隊への改編を進めると同時に、避難所のあり方の改革などを私たちの力で国にさせなくてはなりません。北海道のみなさんを支援しつつ、全国津々浦々で頑張りましょう

これらの点を9月8日(土)松本市で、9日(日)日進市でお話します。ぜひお越し下さい!それぞれのチラシをFacebookにアップしました。以下からご覧ください。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10214559915889948&set=a.3300903639751&type=3&theater
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10214559923330134&set=a.3300903639751&type=3&theater

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