萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか純文学小説×写真×文学閑話

登山装備:春山の雪―天候遭難事故

2018-03-22 21:57:30 | 解説:用語知識
関東の春山リアル、彼岸の雪


登山装備:春山の雪―天候遭難事故
奥多摩で13人の遭難がありましたけど、
こんな悪天候に仕事他シカタナイ事情以外で登る人間は、二度と山に来るなと思います。

ソンナワケで上は今回の現場になった三頭山、4月に撮った写真です。
春の奥多摩でこんな天候よくあるコト・っていうか今回の積雪まだマシな部類で。
死者は出なかったみたいだけど「まだマシ」にノッカレタこと二度はない幸運だから、もう二度と山登らないほうがいいんじゃないかなと。

昨年今ごろ・高校生の大量遭難事故が起きました。
あのとき報道も沢山されて、春山遭難の怖さも喧伝されて、
ソレでもコンナ愚かな遭難事故がまた起きているあたり「自分だけはダイジョーブ」っていう傲慢がムカつきます。

「彼岸の雪」

今時分、春の彼岸あたりの雪。
彼岸=あの世、この世から去った人たちがあの世と行き来する時で、
そんなとき降る雨や雪は彼岸の人たちが涙し、名残になごり雪ふらして、
去りがたい寂しさに仲間を誘う=ヨウスルに死者を増やしたがる時だから山に入っちゃいけない。
山は異界、死者が生まれ変わるまで住むところ。
だから彼岸の雪に山へ入れば死者に列なりたいという意思表示、だから春雪の山は死者を呼ぶ。

なんて言い伝えもあるんですけど、
そんな伝承が生まれるくらい春山の雪は危険だってことです。

天候悪化は自然災害、でも遭難事故は人災でもあります。
天候変化は自然摂理だけど、そこに巻きこまれない知識と常識と決断は誰でもできることです。
昨春の高校生遭難事故は指導者がド素人だったことが原因だけど、今回の遭難者もソレとなんら変わりません。

1.降雪時は雪崩が起きやすくなります、そんなとき入山は「遭難死してもかまいません」って宣言です。
2.大雪予報が出ているとき入山は「遭難死に行きます救助要りません」って宣言していること。
3.登山技術で最重要は「ゼッタイ無理しない」ちょっとでも不安要因あらば中止する判断力。

コレ↑昨春も書いた記事とほぼ同じです。
コレUPしたけど今春も同じようなオバカ遭難者がいて、
その原因なんだろなって考えると色んなものに腹立ちそうで嫌だなあと、笑

春山は積雪期×雪崩多発期です。
特に関東地方の3月はドカ雪がくることも多くて、

ドカ雪×気温上昇=雪崩&濃霧

なんてことはザラなんだけど「え?濃霧?なんで??」
なんて疑問を持っちゃった登山好きいたら、あんた素人すぎるよ春山ゼッタイ登るなよ?笑


雪崩の起きる気象条件があり、低山でも雪崩は起きます。
春は特に雪崩が起きやすい条件そろい踏み、
かつ・気温上昇から霧も起きやすい時です。

1.雪崩は傾斜24度あれば起きる
2.気温上昇で融けて凍結のくりかえし→雪面が緩む=春は雪崩が起きやすい
3.低気圧が通過する=降雪により積雪で不安定な雪面になる→人為的要因でも発生しやすくなる。
4.気温上昇で融ける=水蒸気が起きる→濃霧→雲を生み降雪降雨が起きる。

ようするに、
降雪日と翌日×気温あまり冷えこまないと雪崩が起きやすいワケで、
温められた雪が溶けるとき起きる水蒸気が霧になり雲となり視界不良、
ようするに春の雪は雪崩も道迷いも誘発しやすいよって話です。

そんな天候下で傾斜24度からの斜面を歩けば雪崩を誘発しやすく、
そういう条件まみれの春の雪山で訓練するとかアリエナイ素人判断→そうして昨春の高校生大量遭難事故は起きました。
で、今春は降雪と濃霧による視界不良で大量道迷い遭難が起きちゃったみたいですね。

警察や消防の山岳救助隊は遭難救助の専門家、
悪天候下こそ遭難が起きる=救助活動を行う可能性があり、そのため悪天候に訓練を行う必要もあります。
が、スポーツとしての登山やスキー競技は難事故を起こさないことが一番重要・悪天候を選ぶ理由も意味もありません。
むしろ悪天候に中止判断できないことは素人判断丸出し恥さらし、もう二度と登るなの罵詈雑言されても仕方ありません。


積雪期の山は難易度が夏山とまったく変わります、装備も経験知識もなく登れば遭難してアタリマエ。
そうした事故が奥多摩はじめ東京近郊の低山は多く起きるんですけど、
そんなこんなで昨日も遭難しまくったみたいですね?

3月、桜が平地で咲きだしても山は降雪の季節です。
軽アイゼン持っていてアタリマエ・ヘッドライトもアタリマエ、ストックもアタリマエ。
ようするに冬装備で登ってアタリマエの世界なんで↓去年の記事くりかえすけど。

○防寒
山の気温はかなり低く零下もアタリマエ、風・降雪・日照で体感温度の変化が激しいです。
・ハイキングでも冬季は防寒着しっかりで・爪先も指先も冷えるので装備が要ります。
・貼るカイロもおススメ、貼るポイントは尾てい骨=全身の骨が繋がる部分なので骨伝導により全身が温まりやすくなります。
・いわゆる「首」がつく部分も温めるポイントです、足首からふくらはぎはゲイターで・首はネックゲイター・手首も露出しないように温めます。

○3月は登山用ウェア冬仕様。
・登山用の冬用インナーはおススメ。
・夏ウェアでもレインスーツ・ゲイターなど利用して使いまわすことも可能です、その場合は冬インナー必須。
・防寒&防水をしっかりすること、ゴアテックス素材・ヒートテックなど材質は吟味、ケチらないことが遭難防止の第一歩。
※低山でも滝・渓流などがあると気温かなり低く、凍傷・低体温症など普通に起きやすい条件です。

○北斜面・渓谷は想像以上に低温なので要注意。
南斜面は雪なし陽だまり、が、北斜面は積雪凍結+太陽まったくささず、なんてアタリマエ。
南と北では同じ山でも体感温度が5~10度も違うと言われています。

○登山用ストックを一本で使うのもおススメ。
二本使いのダブルストックはストックに頼りすぎて逆にリスク高いです、山岳救助隊でも一本使いのシングルストックを推奨しています。
※シングルストックならTグリップ+衝撃吸収システムが持ちやすく疲れにくいです。

○降雪がなくとも軽アイゼン必携
三月の山は積雪期、朝は凍結+午後は急激に冷え込みます。山は五月まで降雪アタリマエです。
たとえば奥多摩は東京都心部とは天候も気温もまったく違います、凍結や急な降雪も珍しくありません。
都下だから~近郊だから~と甘くみた結果の遭難事故が多発しています、奥多摩や丹沢は特に多く=珍しくないためニュースにならないほどです。

○ヘッドライト必携
急な天候悪化=降雪・吹雪、時間ロス=日没後の行動…など照明器具が必要なアクシデントが山ではよくあるコトです。

○クマ鈴は低山でこそ必携
春山は冬眠から目覚めるとき+冬眠明けで痩せているため身軽=空腹×敏捷なため襲われやすいです。
奥多摩も丹沢もツキノワグマの生息地、かつ食料が乏しい時期は低地へ降りてくる可能性も大です。
クマは突然の遭遇に驚くと攻撃する習性があります、遭遇回避のためにクマ鈴・話し声を。
注※クマに遭遇したら撮影は危険、ヘタな動きや音でクマを刺激し攻撃されます。
要注意※山菜があるところはクマの食事場所=遭遇→餌ドロボウと認識され攻撃されます。

○耐寒できるビバーク装備
春山は雪が融けては凍るくりかえし→凍結による転倒・雪崩・滑落・天候急変などで行動不能に陥る危険性が高いです、
その場合に最低一晩は耐え抜けるビバーク(緊急露営)できる装備は必携です。

○雪山で三脚を担いでいくのはハイリスク
重みで雪に沈みやすい・冬の強風に煽られやすい・知らずに雪庇で設置し事故…など。

○山の情報きちんと把握
山小屋・ビジターセンター、気象予報・天気図などで事前情報を得る。
※山の天候・地形は毎日変化します、新しい情報ちゃんと調べて無理ない安全な登山計画を。

○山小屋・ビジターセンター・山岳救助隊に従う
その山のエキスパートは新情報+経験値がイウマデモナク信頼度大、その情報・指示を遵守して無難です。

○どんな状況でも自力下山できる山行計画
自分のレベル把握+適切な装備+悪天候や体調不良の撤退判断力、など無理ゼッタイしないこと。

積雪期の山は平地とまったく違う常識の世界、
標高1,000メートル@東京でも雪崩は起き、東屋も潰してしまう威力があります。

そんな雪崩の痕@標高2,000未満のリアルがこれです。
ちょっと真面目に53 ブログトーナメント

撮影地:三頭山ほか奥多摩の山@東京都檜原村&奥多摩町3~4月

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