棚の上 寂しく並ぶ惚れ薬 想いと共にホコリも募る
6月12日(火)
この日は、私のヤクザ医師薬剤師夫人への第1歩の日だった。
PM4:45 新しい職場となるドラッグストアーに足を踏み入れる。
妙にドキドキしている。
懐かしい緊張感。
この緊張感は、10年ぶりくらいかもしれない。
PM5:00 私の仕事が始まった。
まずは、店員さん一人一人にあいさつしてまわる。
もちろん、誰が誰かなんて一度じゃ覚えられないので、テキトーに愛想笑いをする。
その後、商品にはたきをかけながら前出しをし、紙に商品の種類名を書き出していく。
基礎中の基礎と言うか、初日にありがちな単純作業だ。
私は鼻歌交じりで仕事を始めた。
ものの5分で、最初のお客さんに声を掛けられる。
「虫除けスプレーはどこですか?」
いくらバイト初日の私でも、年の功と言うか、こーゆー時の対処法くらい、ちゃんとわかっている。
「少々お待ち下さい」
そう言い残し、慌ててお手すきの店員を探し、スプレーの場所を聞き、お客さんのトコに戻り、スプレーの場所を教えた。
楽勝だぜぃ!
私は再びはたきかけの作業に戻った。
すると今度は、「飲む風邪薬はどこですか?」と声を掛けられた。
さっきと同じように対応すると、
「ストッキングはどこですか?」
「ベープマットはどこですか?」
立て続けに声を掛けられた。
おぉーい!
私は今日入ったばかりの新人だよ!!
何故に私に聞く!?
外見的にベテランぽいからか!?
それとも、声を掛けやすい雰囲気をかもし出してるからか!?
なんて事を考えながらはたきをかけていると、
キーーーン!!!
突然耳鳴りがして、あんなに騒がしかった店内が、急にシーンとなった。
と同時に、あんなに明るかった店内が、急に薄暗くなり、ガクン!と足の力が抜け、膝から崩れ落ちた。
そして、頭が痛くなった。
まるで、孫悟空の頭の輪で、ギューーーッ!!!て締め付けられたような感じだ。
(締め付けられた事ないケド・・・)
普段はお気楽な私でも、さすがにこれはヤバイと思った。
どーしようかと思ったけれど、その場から動けない。
横目でチラチラとあたりを見回すも、店員さんらしき人の姿が見当たらない。
またお客さんに声を掛けられたらどうしよう!!
私が不安に思っていたら、「どうかしましたか?」と、店員さんが気付いてくれた。
助かった!!
私は、その店員さんに抱えられながら店の奥に入った。
体に力が入らないのと、変な脂汗と、物凄く激しい頭痛。
壁に寄りかかりながらパイプ椅子にもたれるように座る。
とにかくこんな症状は初めてで訳がわからない。
最初は、『これがウワサの貧血か!』って思ったけど、どうも違うみたいだ。
もしかしたらこれって脳みそかも!?
とりあえず、グーパーグーパーしてみる。
右手も左手も動く。
足を動かしてみる。
右も左も大丈夫。
でも、体勢を変える事が出来ない。
いや、正確に言えば、変えられるけれどもだるい。
できれば動きたくない。
店員さんには「休んでれば治ると思います」と言っていたけど、できれば一刻も早く帰りたかった。
けれど、家まで帰れる自信はなかった。
結局、1時間しか働いていないのに、店の奥で2時間休んで、その日は帰ることになった。
でも、立ち上がる事が出来ない。
なので家に電話をし、ママリンに迎えに来て貰い、救急車を呼んで貰った。
着いた先の病院での診断結果は
『クモ膜下出血』
それを聞いた瞬間、ドワァ~っと涙が溢れて、ワンワン声をあげて泣いた。
生まれて初めて『死ぬかも!』って本気で思ったし、生まれて初めて『死にたくない!』って本気で思った。
けれど、その後の記憶はない。
薬か何かを嗅がされたのか、それとも注射されたのか。
そんな訳で、私の薬剤師婦人への道は、わずか1時間で絶たれた。
そして次の日からはホントに、ヤクザ医師夫人への道が、始まってしまうのであった。
<つづく>
6月12日(火)
この日は、私の
PM4:45 新しい職場となるドラッグストアーに足を踏み入れる。
妙にドキドキしている。
懐かしい緊張感。
この緊張感は、10年ぶりくらいかもしれない。
PM5:00 私の仕事が始まった。
まずは、店員さん一人一人にあいさつしてまわる。
もちろん、誰が誰かなんて一度じゃ覚えられないので、テキトーに愛想笑いをする。
その後、商品にはたきをかけながら前出しをし、紙に商品の種類名を書き出していく。
基礎中の基礎と言うか、初日にありがちな単純作業だ。
私は鼻歌交じりで仕事を始めた。
ものの5分で、最初のお客さんに声を掛けられる。
「虫除けスプレーはどこですか?」
いくらバイト初日の私でも、年の功と言うか、こーゆー時の対処法くらい、ちゃんとわかっている。
「少々お待ち下さい」
そう言い残し、慌ててお手すきの店員を探し、スプレーの場所を聞き、お客さんのトコに戻り、スプレーの場所を教えた。
楽勝だぜぃ!
私は再びはたきかけの作業に戻った。
すると今度は、「飲む風邪薬はどこですか?」と声を掛けられた。
さっきと同じように対応すると、
「ストッキングはどこですか?」
「ベープマットはどこですか?」
立て続けに声を掛けられた。
おぉーい!
私は今日入ったばかりの新人だよ!!
何故に私に聞く!?
外見的にベテランぽいからか!?
それとも、声を掛けやすい雰囲気をかもし出してるからか!?
なんて事を考えながらはたきをかけていると、
キーーーン!!!
突然耳鳴りがして、あんなに騒がしかった店内が、急にシーンとなった。
と同時に、あんなに明るかった店内が、急に薄暗くなり、ガクン!と足の力が抜け、膝から崩れ落ちた。
そして、頭が痛くなった。
まるで、孫悟空の頭の輪で、ギューーーッ!!!て締め付けられたような感じだ。
(締め付けられた事ないケド・・・)
普段はお気楽な私でも、さすがにこれはヤバイと思った。
どーしようかと思ったけれど、その場から動けない。
横目でチラチラとあたりを見回すも、店員さんらしき人の姿が見当たらない。
またお客さんに声を掛けられたらどうしよう!!
私が不安に思っていたら、「どうかしましたか?」と、店員さんが気付いてくれた。
助かった!!
私は、その店員さんに抱えられながら店の奥に入った。
体に力が入らないのと、変な脂汗と、物凄く激しい頭痛。
壁に寄りかかりながらパイプ椅子にもたれるように座る。
とにかくこんな症状は初めてで訳がわからない。
最初は、『これがウワサの貧血か!』って思ったけど、どうも違うみたいだ。
もしかしたらこれって脳みそかも!?
とりあえず、グーパーグーパーしてみる。
右手も左手も動く。
足を動かしてみる。
右も左も大丈夫。
でも、体勢を変える事が出来ない。
いや、正確に言えば、変えられるけれどもだるい。
できれば動きたくない。
店員さんには「休んでれば治ると思います」と言っていたけど、できれば一刻も早く帰りたかった。
けれど、家まで帰れる自信はなかった。
結局、1時間しか働いていないのに、店の奥で2時間休んで、その日は帰ることになった。
でも、立ち上がる事が出来ない。
なので家に電話をし、ママリンに迎えに来て貰い、救急車を呼んで貰った。
着いた先の病院での診断結果は
『クモ膜下出血』
それを聞いた瞬間、ドワァ~っと涙が溢れて、ワンワン声をあげて泣いた。
生まれて初めて『死ぬかも!』って本気で思ったし、生まれて初めて『死にたくない!』って本気で思った。
けれど、その後の記憶はない。
薬か何かを嗅がされたのか、それとも注射されたのか。
そんな訳で、私の薬剤師婦人への道は、わずか1時間で絶たれた。
そして次の日からはホントに、ヤクザ医師夫人への道が、始まってしまうのであった。
<つづく>
れいなから聞いたん?
(って、れいなで通じるのか!?)
日記書くのも無理しないでやってね。
ともかく無事に退院できてよかった、退院おめでとう。
『Twitter』やらない? から読んだ。
脳卒中とかそういう病気は早めに手を打たないと後遺症が残ったり、命にかかわるってテレビで何度も何度も何度も聞いたよ。(怖涙)
頭痛もさー、脳溢血とかってもう考えられない痛みって聞くけどクモ膜下出血はどうだったの?それからともっちはこうしてパソコン打てたりするぐらいだから後遺症は大丈夫なの?
しばらくは、頭も体も使いすぎないように。
おいしい水飲んでリラックス。
お大事にね。
えっ!クモ膜下? 大丈夫?
最近、更新がなくて、どうしたんだろうって思ってたら
大変だったんですね。
無理しないで、たっぷり静養してください。
お大事に
しばらくムチャは止めて下さいねm(__)m