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とりあえず、生き延びる。
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テーマは引き続き『エロカワイイ♪』

我輩は犬である

2006年06月03日 00時22分53秒 | 駄文
我輩は犬である。
名前はまだ無い。
と思っていたら、いつの間にか『ノン』と呼ばれていた。
どこで生まれたかとんと見当付かぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でクンクン泣いていた事だけは記憶しているようなしていないような・・・

吾輩はここで始めて人間というものを見た。
しかもあとで聞くとそれは悪ガキという人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。
この悪ガキというのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。
しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。

悪ガキは、我輩を叩いたり蹴ったり引っ張ったりした。
痛かった。辛かった。
それまでは記憶しているがあとは何の事やらいくら考え出そうとしても分らない。

ふと気が付いて見ると悪ガキはいない。
その代わり、沢山の犬がいた。
はてな何でも様子がおかしいと、のそのそ這い出して見ると檻の向こうには何人かの人間がいて、犬を物色していた。
犬たちは皆、クンクンと鳴いたり、しっぽを振ったりして、人間どもに愛想を振り撒いていた。

それからしばらくし、我輩はおばさんの家に貰われていった。
彼女は病魔に冒されていて、後何年も生きられないという。
そんなおばさんを何とか元気付けようと、おばさんの知人が我輩を託したのだ。

どのくらいの月日をおばさんの家で過ごしただろう。
ただ、この時にはすでに『ノン』と呼ばれていた事だけは記憶している。
おばさんは動かなくなった。
眠ったままピクリとも動かない。
それが我輩が見たおばさんの最後の姿だった。

おばさんの知人に抱えられたまま身を委ねていると、古めかしいとある弁当屋に辿り着いた。

ここは安息の地だろうか?
またどこかに行かなくてはならないのだろうか?

要らぬ心配は無用だった。
ここが我輩の最後の住処となった。
年は5歳になっていた。


<おわり>

参考文献:『我輩は猫である 夏目漱石』


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4 コメント

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Unknown (すみか)
2006-06-03 00:52:12
別れは突然来るものなのですね。

私の前に飼ってた犬は、ある日の朝、交通事故で。

私や弟が叩いても絶対に咬まなかった。

私の生まれる前からいたから、お兄さん気分だったのかもしれないけど。



犬ってのも、やっぱり会いたいから巡り会うそうですよ。またどこかであえるやも知れません。



はやく成仏できるように、安心させてあげるのが一番の供養。



どこかでまた、会えたらいいですね。

ご冥福をお祈りします。
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そうでした。 (たまご王子)
2006-06-05 12:23:16
わがやのいっちゃんが愛して止まない、ぬいぐるみと同じ名前の『ノン』ちゃんでしたね。

そうですか。

ノンちゃんもつらい経験をして、ともっちさんの所へやってきたんですね。

でも、ともっちさんのお家でノンちゃんはきっと幸せだったんでしょうね。

別れは、お互いに辛いものだと思います。

でも、ノンちゃんはきっといつまでもともっちさん家族を見守ってくれるんでしょうね。

そして、ともっちさんたちの心の中にいつまでも・・・



ノンちゃんのご冥福心よりお祈りいたします。

返信する
ありがとうです。 (すみかさんへ(ともっち))
2006-06-07 16:20:23
交通事故ですか・・・

交通事故だと、ホントに思いがけないくらい急な事で、何の心構えも出来てなくて、ホントにビックリしてショックだっただろうと思います。

全てを受け入れる事に、時間が掛かったでしょうね。

私もクヨクヨしてられないですね。



すみかさん家の犬は、みんなを守る、優しいナイトのようだったんでしょうね。

だから噛まなかったんですよね、きっと。



今はまだ、そんなに時間が経っていないせいか、

あぁ、そう言えば、もういないんだったけな。

って思いますね。

それも、食事の時間の度に(苦笑)



また、どこかで逢えるカナ?

逢えるとイイな。

そしたら、うんとかわいがってあげよぉっと♪
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そうでした! (たまご王子さんへ(ともっち))
2006-06-07 16:31:33
たまご王子さん家のぬいぐるみさんも、『ノン』でしたね。

http://blog.goo.ne.jp/tomochi-1227/e/f78742d1c3a028d1bef69a36f2d70854



ウチのノンは、ホントに不思議な巡り合わせで我が家にやって来ました。

犬なのに、私よりも短い一生だったのに、私以上に経験豊富だったなぁって思います。



別れは辛い事だけれども、生きていれば、いつかはまた逢えると言うけれど、心の中でずっといつまでも行きつづけると思えば、それはきっと幸せな事ですよね。



「一緒に過ごした時間を忘れない」

それは凄く大事で、これからも大事にしなきゃいけなくて。

それを教えてくれたって事ですよね、きっと。
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