歩く、歩く、歩く・・・。
歩くこと、散歩すること、ウォーキングすることが楽しくなる一冊を見つけました。
人類がアフリカ大陸で誕生し、7万年前に徒歩でアフリカを出発しました。
中東を経由して、ヨーロッパやアジアへ・・・そして、北米、南米の最南端までたどり着きました。
ホモ・サピエンスは、「歩く」人なのです。

歩くという哲学
フレデリック・グロ著 谷口亜沙子翻訳 山と渓谷社刊 2,640円
著者のグロさんは、フランス出身、1965年生まれ。
現在、パリ政治学院政治思想学教授を務められています。
パリ12大学で博士号取得、フランス哲学界のスーパーエリート。
ミシェル・フーコーが専門の哲学者です。
まさに博覧強記・・・欧米の哲学の巨星たちに精通しています。
同書は、ランボー、プルースト、ニーチェ、カント、ルソー、ソロー、ガンジーなど「歩く」という共通項の中で「歩く」ことの意味を探求していきます。
哲学者や思想家は、みんな歩いていたんですね。
京の都にも西田幾多郎が歩いたと言われる「哲学の道」があります。
訳者の谷口亜沙子さんの難解な哲学用語を避けて、詩的な表現を多用しているのも素敵で、実に読みやすい一冊になっています。
一部を紹介させていだたきます。
行こう!帽子に、外套に、両手をポケットに突っ込んで、外へ!
前に進もう!旅立とう!行こう!
ここでは さよなら、また、どこでなりと。
ぼくは歩行者であって、それ以上の何物でもない。アルチュール・ランボー
自由とは、一切れのパン、喉を潤す冷たい水、広々とした風景になる。
歩くことによって、わたしたちの身体には、生命という名の芯が真っすぐ通り、自分のすぐ足元から吹き上げるその奔流に運ばれるようになる。
「放棄する者」の自由。すべてが与えられるのは、すべてを諦めた時だ。
もう何も欲しがらなくなった時に、すべてがあふれんばかりに与えられる。
歩いている時、人はひとりきりではありえない。
歩き続けることで生じるのは、他者に対して何も感じなくなる。ルソー
健康の度合いは、どのくらい朝が好きかによって、はかられる。ダヴィド・ヘンリー・ソロー

一番感動したのが、アルチュール・ランボーの章。
10代の後半にしか詩を書かず、筆を置き、砂漠の商人として短い生涯を終えました。
徒歩で欧州やアフリカ大陸を歩いた天才詩人。
感動の章でした。
おすすめのユーチューブ(サントリー・ロイヤルのランボーCM)です。
http://www.youtube.com/watch?v=hy-z421FwGQ

同書を出版したのが、山と渓谷社(ヤマケイ)というのも面白いですね。
歩くことが好きな人、必読の一冊です。
同書を読んで、歩きはじめる人が出てくるかもしれません。
読書好きとして、今年一番の収穫でした!
