今日は「木漏れ日の家で」という映画を見てきました。春に東京・神保町の「岩波ホール」で上映され好評を博しました。この映画はモノクロで、さほど劇的な動きもなく、「木漏れ日の家で」一人で住む老女と飼い犬の日常を淡々と描いたものでした。ストーリーは以下のようなものです。
ワルシャワ郊外、生まれ育った古い屋敷で愛犬フェラと暮らすアニェラは91歳。日課は双眼鏡で隣人らの様子を覗うこと。このところ健康に不安を覚え医師の診察を受けようと出かけるが、無礼な言葉を浴びせられ怒り心頭し帰ってきてしまう。ひとり息子一家には同居を拒まれ、隣家の成金からは家を売ってくれと強引に迫られ途方に暮れる。絶望して自ら命を絶つことも考えるが、すぐに思い直す。そして、「木漏れ日の家」をこども達の音楽の練習場に寄付することを遺言した直後に静かに息を引き取る。
この映画を観て、老女優と飼い犬の演技力に驚きました。モノクロですが、光と影の使い方が抜群で、監督の手腕も大したものです。また、「老いると言うことは?」「家族の絆とは?」そして「人生の最後をどう締めくくるか?」など考えさせられました。91歳の主人公と私の母親は同じ歳であり、私ともそれほど離れた年齢でもありません。私自身も「人生の最後をどうするか?」考えなくてはならない時期に来ていると思いました。