にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【舞台】『藪原検校』

2012年07月09日 | STAGE
『藪原検校』
作:井上ひさし。
演出:栗山民也。
出演:野村萬斎。秋山菜津子。浅野和之。小日向文世。山内圭哉。

江戸中期の塩釜の地。小悪党の魚売り七兵衛と醜女だが気立てのよいお志保との間に一人の男の子が生まれる。しかし、お志保と世帯を持ち改心したはずの七兵衛がお産の費用欲しさに行きずりの座頭を殺したことが巡る因果となったのかその子も盲だった。その事実に苦悩し七兵衛は自害。その子は塩釜の座頭・琴の市に預けられ、杉の市という名をもらう。手癖が悪く手が早い杉の市は、十三才で女を知り、師匠の女房にまで手を出し、やがて悪事の限りを尽し、藪原検校にまでのぼりつめるが・・・。

以前・・・えっと2007年に、蜷川幸雄演出による古田新太主演の『藪原検校』を見てるので、塙保己市がコヒさんだと知り、絶対観に行くぞモードに突入、速攻でチケットをゲット。この日が楽しみでしかたなかった。
幕があくと、舞台に張り巡らされた縄。蜷川版と同じだ・・・って考えたら脚本が一緒なんだもん、そらほぼ流れは一緒だよね。(^-^;
でも、なんか違う。こちらの方が明るい。歌?あれ?蜷川版でもあったっけ?あったような気はするが・・・。と帰ってきてDVDをチェック。あ、思いっきり歌ってる。歌うシーンも一緒だよ。(^-^; どんだけ記憶あやふやなんだよ。
で、ここで驚くべくことが・・・蜷川版の音楽宇崎竜堂さんなんだよね。この時音楽よかったんだけどなぁ・・・って、まあそれは今回の『藪原検校』の話じゃないので、おいといて・・・。
歌詞は同じなんだけど曲が違うんですよね。今回の萬斎版の方が明るい。ま、出てるメンバーも全然雰囲気違いますからね。蜷川版では物語を最初から最後まで語る座頭役は壤晴彦さん。今回は浅野和之さん。違いすぎです(笑)。重厚な壤晴彦さんに対し軽妙な浅野和之さん。この二人の対比だけでこの二作品の違いがはっきりすると思う。暗いピカレスクロマンなこの作品が、今回は妙に明るく楽しかった。初めて舞台を見る野村萬斎さんは、さすがの巧さですね。そしてわが愛しのコヒさんもまた軽妙で、いい!歌まで歌っちゃうしなぁ。堪能した。どちらの演出でもそれぞれに同じ芝居だけど全然違うものとして十分に楽しめる。ただ「早物語」は、古田さんの方がすごかった。萬斎さんの「早物語」」は遊びがあったんだけど、古田さんはガチで「早物語」語ってましたからねぇ。萬斎さんは普通にすると巧いからわざと遊びをいれたのかもしれませんけどね。
途中ちょっと噛んじゃった浅野さん。「え~・・・」って突っ込む圭哉さん。そして休憩後、「先ほどはお聞き苦しい点があり失礼しました」と一言添える浅野さん。これだけでこの芝居の雰囲気をわかっていただけるかと思います。楽しかった。堪能した。

-2012.7.8 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール-


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